大岩優輝さんが投稿したすし処 睦月(愛知/上ゲ)の口コミ詳細

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似非通人食日記

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すし処 睦月上ゲ、武豊、知多武豊/寿司、日本料理

1

  • 夜の点数:4.7

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2021/01 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

武豊町の『すし処 睦月』さん

この日は武豊町にある睦月さんに初めてお伺いしました。
言わずもがなの有名店。敬慕するお鮨ラバーさんが「上ゲ駅は睦月さんのためにある!」と仰っているほど辺鄙な駅前にありますが、こちらはミシュランガイドさんが星をつけられ、名古屋は勿論、全国から鮨好きの皆さんが押し寄せる予約困難店です。年末にお電話し、この日を心待ちにしていました。

さて、美味しいお鮨屋さんは錦や名駅界隈にもたくさんあります。しかし、場所代で価格帯がなかなかだったり、或いは歓楽街らしい賑やかな客層だったりで、二の足を踏まれる方は少なくありません。その点、こうした僻地(失礼)は安心。尚且つ比較的良心的な価格帯で、腕と技術が素晴らしいお鮨屋さんが群雄割拠しておられます。こうしたお店こそ応援したいですね。

閑話休題、時短要請の影響もあり、この日は17時からのスタート。遅れて来られたご常連と思しきお若い3名さんのグループを含め、カウンターは満席でした。なお、席はアクリル板で仕切られ、完全対策にも抜かりありません。入店して親方にご挨拶し、先ずは冷酒で

□飛露喜(特別純米)
当日の未明までドラマを観て寝不足だったので、酒の弱さに拍車がかかり、今夜はこの一合のみで。早速、「上ゲのジョージ・クルーニー」に愉しませていただきましょう。

お摘みから。

◆日間賀島の蛸
地物ですね。素材を活かした味わい。蛸らしい食感を残しながらも、程良い柔らかさです。

◆自家製豆富
蒸してあるのでしょうか。生姜の香りが良く、温まる逸品。餡のような醤油がかかっています。

◆花山葵と平貝の明太子ソースのせ
これは酒泥棒というやつですね。花山葵はもともと好物です。ピリッとした風味が堪らない。平貝の明太子ソースは、味が濃い目でよく酒に合う。ただ、平貝はその独特の甘みや渋みを感じられる品も欲しかったかな。

◆蕗の寿司&師崎の墨烏賊と豊浜の若布の蕗味噌和え
蕗の寿司は香りが良く春を感じられます。蕗味噌和えは、甘めに味付けられた赤味噌と蕗の香りが見事にマッチ。墨烏賊と若布の食感も抜群です。季節を感じられる一品料理は好きですね。

◆あん肝
一つはそのままで、もう一つはペースト状にしたもの。非常に濃厚でクリーミーな味わい。臭みなど皆無。昔、漫画『美味しんぼ』であん肝とフォアグラを食べ比べる回がありましたが、普通にこのあん肝の方が好きです。ペースト状にしたものは、中に玉葱か?シャキシャキした食感がありましたが、訊きそびれました。

◆答志島の鰆の漬け藁燻し
味が濃い目でこちらも酒によく合います。スモーキーな香りも良い。

◆甘海老の昆布締め&海老味噌
甘海老はねっとりとした食感のなかに甘みと旨みがあり、〆具合がよく昆布に負けていません。海老味噌は濃厚で、豊潤な香りを甘海老と合わせると秀逸。山葵は辛めです。

◆喉黒(幽庵焼きか)
脂の乗りが程よく、しつこさなし。柔らかいです。皮目の香りが見事。

◆唐墨
他店と比べてややマイルドな印象。個人的に丁度いい塩加減です。

◆日間賀島の河豚(てっぴ、てっさ、白子)のおろしポン酢
てっぴは月並みな感想ですが、佳い食感。てっさは火が通っています。白子は焼いてあり、このクリーミーさと焼き目の香りが最高。

◆三河湾の渡り蟹
香り高く温かい。渡り蟹は小ぶりな蟹ですが、個人的にはずわい蟹や毛蟹にも引けを取らない香りがあると思っています(近種の胴満蟹には敵いませんが)。なかにはご飯が入っていました。これは酢飯ではなく普通のご飯かな?

◆甘酢生姜
こちらの生姜は素晴らしい。一口目は酢の甘さを感じますが、ややあって佳い辛みを感じます。anton先生が仰るように、いくらでも食べたいです。

それでは、握りに移ります。

◇鱚 昆布締め
昆布締めの塩梅が秀逸。上品で尚且つ独特な鱚の旨みを殺すことなく、巧みに活かしている。
水っぽさなど微塵もなく、適良くしなやかな食感。この時季にこれだけの鱚がいただけたことに先ず感動。過ぎたるはなお及ばざるが如し。気を衒わず、鱚の味わいを最大限に活かした仕事が為されているが故か。

◇〆鯖
地物の寒鯖。酢は浅めで塩はやや強めに締めてあるとの由。
鯖の旨みが何とも絶妙で、尚且つ香りも良い。脂の乗りもなかなか。パサつきとは対極にあるようなフレッシュな味わい。食感はしっとり柔らかく官能的。

◇車海老
三河湾の地物。肉厚で程良い弾力があり、噛むほどに口腔内に甘みと香りが広がる。個人的には茹でたての温かい車海老が好みだが、こちらも美味しい。朱と白のコントラストが美しい。

◇ ばふん雲丹 細巻き
雲丹の風味と海苔の香りがマッチしており、摘み感覚でいただける逸品。

◇ 墨烏賊
師崎の地物。パツンと弾けるような食感が秀逸。隠し包丁が実に活きている。咀嚼するたびに口腔内に上品で繊細な甘みと香りを感じる。

◇ 煮穴子 ツメ
対馬産。蕩けるような柔らかさと穴子の甘美な味わいに暫し陶酔。ツメはやや濃厚ながらも、あくま穴子の引き立て役に徹している。

◇ 小鰭
絶妙な締め具合。酢はやや優しめで塩の強い印象で、個人的にかなり好み。スリムな切り付けで隠し包丁と煌めく皮目が何とも美しい。無論パサつきなど皆無。

◇ 本鮪中トロ
大間産。上質な脂の甘みのなかに、仄かな酸味。冬の鮪らしい官能的な味わい。

◇ 本鮪大トロ
大間産。嫌味のない程度にしっかり脂が乗っており、文字通り蕩ける。美味いに決まってる。

◇ 干瓢巻き
山葵がしっかり効いていて好印象。甘みがあるが味は濃くなく、程良い歯応え。

◇ 太巻き
玉子、穴子、胡瓜、干瓢入り。率直にお土産にほしい(笑)。

◆玉子
シフォンケーキのような甘くふんわりとした玉子。馬鹿舌の僕には芝海老のような香りがしたので伺うと、別のもの(敢えて書きません)が入っているそう。

◆味噌汁
具には蕗が。香り高く春を感じられる。

◆鰆の藁燻し
サービスで。

□蓬莱泉の吟
ガツンとした旨味と香り。蓬莱泉の吟は以前にも飲んだことがあるが、親方曰く「摘みの要らないお酒」だとか。鮨と一緒には出さないらしい。

お任せコースは以上。

さて、全体的な感想として、こちらは大変にお見事な仕事をされていました。親方はダンディー且つユーモアたっぷりな方で、卒なく立ち回っていらっしゃいます。
握りは酢飯が小さめと聞いていましたが、充分お腹は満たされました。やや優しめの印象です。

お鮨のレベルもさることながら、こちらはお摘みもいわゆる酒泥棒というやつで、日本酒やビールに合うものを少しずつ提供されるスタイルです。
各地から皆さんがこちらにいらっしゃる理由も頷けますね。

今回は睦月さんでは珍しいという鮪もいただきました。次回は金目鯛や平目もいただきたいなあと。予約困難店ですが、お一人様なら案外受けていただきやすいかも知れません。
地方が誇る名店。現在改装中ですが、また是非伺いたいと思います。

美味しかったです。ご馳走さまでした。

2021/07/29 更新

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