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2025/10 訪問
とろけるブッラータと香ばしいピッツァ。鎌倉のチーズ工房で過ごす昼下がり
2025/11/19 更新
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鎌倉駅近くの路地裏、木の温もりに包まれた小さなイタリアン。
チーズ工房を併設し、店内には乳の香りと窯の熱気が静かに漂う。
平日だがランチは予約で満席。にもかかわらず、予約客前後の空きを狙い、徐々に待ちの客が外に列を織りなす。
この日はランチコースB（2,880円）を選択。
まず登場したのは「本日の前菜７種盛り合わせ」。
バターナッツかぼちゃのスープ、旬魚のカルパッチョ、生ハムとセミドライトマトのマリネ、
じゃがいもとカチョカヴァッロのオーブン焼き、３種のキノコマリネ…。
どれも小さな一皿ながら、素材と手仕事のリズムがきちんと感じられる。
そして追加で頼んだこの店のウリの一つ、「ブッラータとトマトのマリネ フランス産生ハム添え」(2,380円)
中央のブッラータをナイフで割ると、クリーミーなストラッチャテッラがとろりと流れ出す。
ひと口ごとにフレッシュなミルクとセミドライトマトの強い甘み、生ハムの強めの塩気、オリーブのコクが混ざり合い、複雑で深い味わいで思わず唸ってしまう美味しさ。
パスタは「四万十ポークの自家製ハムのアーリオ・オーリオ」。
肉の旨みがオイルに溶け込み、シンプルながら香り高い。
塩加減も絶妙で、麺の茹で上がりが見事に決まっている。
もう一皿は「イチヂクとくるみ、リコッタ、ゴルゴンゾーラ、生ハムのピッツァ」。
香ばしい縁の焦げ、ふわっともちっとした生地に、
塩味と甘味、ナッツの香ばしさが織りなす大人のバランス。
ワインを合わせたくなる危険な一枚。
締めは軽やかなドルチェとカフェ。
最後まで「手づくりの正直さ」が貫かれたランチだった。
鎌倉らしい穏やかさの中に、
職人の矜持とチーズへの愛情が静かに宿る場所。
晴れた日の昼下がり、またこの席でブッラータを割りたい。
ごちそうさまでした！