2回
2023/10 訪問
時代に取り残された街
世は令和となって6年目に入ろうとしているが、この街はいまだに昭和である。
群馬県藤岡市。それほど僻地にあるわけではない。
県外の人間に「群馬の県庁所在地はどこ?」と聞くと「高崎市」と返って来るほどのBigcity・高崎市のすぐ隣である。烏川に掛る梁瀬橋を渡れば済む話。何で?
まあそのおかげで、よそなら絶滅寸前の町中華・食堂がいっぱい残っているわけだが・・・
ここもそんな一軒。調べたら創業60年以の老舗らしい。通しとあったので16時半頃行ってみた・・・が( ̄□ ̄;)
やってない・・・ノレンは出ているものの準備中の札が・・・
まあ17時まで待って開かなかったら帰るつもりで前のドンキを物色しながら暇つぶし。
17時ちょっとすぎに行ってみた。準備中の札がしまわれ、灯りが点いていた。
ガラガラっと扉を開け「いいですか?」と聞くと店主に「いらっしゃい」と迎えられた。
ガタガタ音のする丸いパイプ椅子を引きカウンターに座る。背後の短冊から、今では死語になった「五目ラーメン」とこれまた安いギョーザをお願いした。
店主「味は醤油と塩とどちらにしますか?」と聞かれた。自分は五目=塩と思っていたがどっちもアリらしい。塩でお願いした。700円なり。
10分ほどで餃子とともにお盆に載って餃子とともにブツが届く。
調理時間が違うから少しはズレるのが普通だが、一緒に出てきたのには恐れ入った。
写真撮影。なんともカラフルできれいなラーメン。まずはレンゲでスープを堪能。
かなり穏やか。ふんわりと鰹節が香る清らかな味。和風。
普段二郎とか家系とか食って汚れている舌が洗われる感じ。なんか心が和み落ち着く。
ざっと麺を掻き出す。あまり黄色っぽくない細麺は自家製麺とか?
よくある黄色い麺は麺イエローとかで着色するがそういうものが入っていないのか?
そういえばしこしこちゅるちゅるしていないのでかん水も少ないのかもしれない。
その代わりぎゅっと詰まった麦の香りいっぱい。
具はラーメンの定番のチャーシュー、メンマ、ノリ、ネギ、ナルト、ほうれん草の他にかまぼこ、いんげん、もう一枚チャーシュー、シイタケの煮つけ、茹で玉子半玉が載り豪華。
最近のラーメンは何も載ってないのにここの五目より高い。
ギョーザも自家製っぽく不揃い。酢だけで食べるのが自分流。これで1,000円。藤岡は物価が安い?
営業時間は通しではなくなり昼・夜の分割になった模様。
市内(近い)にはもう一軒、同様の老舗があり、そちらは太っとい麺を使うパフォーマンスで話題、ラヲタが行列を作る。
対してこちらは奇をてらわない地味で誠実なスタイル。ゆえに話題になりにくい。
しかし「ラーメンを識る」玄人好みのラーメンだと思う。
藤岡は発展しないおかげで、逆にこんなお店がたくさん残っているからうれしい。
もしあなたが昭和にひたりたいなら、ぜひ藤岡に来ることをお勧めする。
2023/10/12 更新
埼玉の相棒は「みやご食堂に行きたい」と言ったがタンメン・餃子がない事に断念、こちらに誘った。まあ不満は言わなかった。後客は年配の熟年女性3人連れ。みんな「五目ラーメン」だった。
五目ラーメンは不滅なり!すげぇ・・・