東大方程式すえちゃんさんが投稿したオルグイユ(東京/外苑前)の口コミ詳細

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連続百名店小説

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掲載保留オルグイユ外苑前、乃木坂、表参道/フレンチ

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  • 夜の点数:4.5

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.7
おすすめポイント

飲み物は全部シャンパーニュ地方のもの!少人数制だからこそ味わえる極上フレンチ

2021/11/15 更新

1回目

2021/11 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.7
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

シャンパーニュ・クルーズ【フレンチ百名店TOKYO 2/100】

今年のサロンデュショコラに出店していたところにお邪魔したのがこの店との出会い。
出される飲み物は全てシャンパーニュのものということでめちゃくちゃ気になっていましたが、(理不尽な)禁酒法によりなかなか行けていませんでした。

ランチとディナーで2組ずつ(4組/日)しか入れないものの、すごい予約困難というわけではありません。ただし「予約してやんぞ」という意識がないうちは絶対予約できません。

場所は外苑前駅から10分くらい歩いた路地にあります。まるでアパートの1室なので絶対に迷います。迷わないやつがいたら持ってこい笑
もう一組のゲストは、今年2回目の来店となるご夫婦(?)。常連さんみたいですね。

メニューは料理のコースが13500円、そして6種ペアリングが35mlずつだと6500円、70mlずつだと11000円。70ml×6だと420mlなのでボトル半分以上。
しかも僕がよく飲むことを知り、後半は追加で注いでくださったのでもっと飲んでいます。さまざまなシャンパーニュを味わえてこの値段はだいぶお得でしょう。あとはミネラルウォーターチャージ1000円のみで税込・サービス料なし。会計も明朗です。

加瀬シェフはこの口コミをUPした日にちょうど36歳となった若い料理人。とはいえフランスの名店やカンテサンスを渡り歩いてきたやり手のシェフです。駆け出しでお金がなかったときも、フレンチの名店を片っ端から食べ歩き研鑽を重ねてきたとのこと。

最初は3種の一口前菜。
イカを神経締めしたものにキャビアを乗せたものは、イカが程よくねっとり。カジキは炙りが香ばしく生臭さもない。バターナッツとチーズの乗ったガレットは、バターナッツからチーズへ味がシフト。
合わせるシャンパーニュは、比較的オーソドックスだけどコクがしっかりあるピエールミニョン。

続いてオマール海老。ポロ葱の上に半生(?)のオマール海老が乗っています。赤いやつはトマトと万願寺とうがらし。「考えるうちにエビチリに近づいてきた」とのことで、少し辛味もあります。一口でがぶりつくのがオススメ。
合わせるシャンパーニュは、セニエ(血抜き法)で作られたロゼで、赤ワインのような重厚感さえ感じます。オマール海老は強いので、これくらい派手にやらないとですね。

続いてリードヴォーを思い切りよく焼き、ジロール茸・菊芋のピューレと共に。まずいわけないし、リードヴォーも菊芋もずっと食べてみたいと思っていた食材なので嬉しかったです。
これも強めの料理なので、トーストの香と表現される、熟した甘さをもつ重厚なシャンパーニュが合わせられました。

4品目は太刀魚のフリットとザワークラウト。たったそれだけ。Japanese×German。フリットは高級天ぷらとも感じ取れる揚げの技術。太刀魚自身はこれも神経締めしたらしく、身が硬くならずとろける食感。臭みもない。
シャンパーニュは甘みを足さずドライに仕上げたブランドブラン。ここでようやく軽めのものが来ましたね。揚げ物にはレモンというイメージで、レモンのような後味のあるこちらが選ばれた模様。

メインは和牛のとうがらしという赤身の部位。霜降りと違い歯応えがありもたれないので、旨味を噛み締めるには適役。
付け合わせの越冬じゃがいもは、野菜では今までに感じたことのない甘さ。スイーツにもできそう、でもしないそうです。
ここで初めてスティルワイン(コトーシャンプノワ)が登場。樽感もありつつフレッシュさも感じる、ありそうでなかった赤ワインかなと思います。

最後に出てきたのはラタフィア。シャンパーニュ地方では自家用に作られることの多い甘口ワインで、先述のコトーと同様、海外にはあまり出回らない代物です。こういうのを飲めるのは非常に有り難い。
デザートは2品。まずはアールグレイのパンナコッタみたいなものの上に柿です。
昔は嫌になるくらい食べていたのに、祖母の家を売り払って以来全く食べていない柿。マンゴーに近づける調味をしたらしく、ラタフィアとめちゃくちゃ合います。

ちなみにシェフの奥さんはパティシエをやっており、昼間働いて夜は育児をするというスタイルらしい。

そしてもう1品はイチジクと栗のタルト。タルトはだいぶ温かめになっており、パティスリーで食べるものとは全く違う、コースの〆としてのデザートです。
イチジクと赤ワインのソルベがびっくりするほど美味しく、タルトもこの温度帯だとすごく軽やか。果実も個性がはっきりしており、完璧なデザートです。ここまで来ると少し酔いが回って集中力が切れ、タルトを一欠片落としてしまったのが悔やまれます…

食後の飲み物はその場の全員がハーブティーを選択。昔ソムリエがいたときに選んでくれたのをそのまま使っているらしい。生キャラメルと生チョコと共に供されましたが、この辺おしゃべりに夢中で覚えていません。

大箱フレンチではできない近めのサービス、忖度なく美味しいものを提供するスタイル、そしてシャンパーニュの豊富さ。訪れる理由がたくさんある名店だと思います。

2021/11/15 更新

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