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東大卒芸人・グルメタレントのTATERU(25)は、以前も共に東北を旅した綱の手引き坂46・カゲ(21)に首ったけであった。そのカゲは先日、グループからの卒業を発表。卒業記念に2人は再び東北旅に出ることにした。盛岡・秋田の至極の名店を巡るグルメツーリズム。その中で、カゲのアイドルとして輝く最後の姿を堪能する。
純粋にレビューを楽しみたい方は【】で囲まれた部分を飛ばしてお読みください。
これまでのあゆみ
1.焼肉せがわ
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2.盛楼閣
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3.giueme
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4.鳥好
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5.ル・ヴェール
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6.レディ
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7.道の駅岩城(*百名店ではない)
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8.秋田てんぷらみかわ
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【算数オリンピックの問題で遊ぶ2人。
「あれ、答え違う…何で?発想合ってるよね」
「多分真ん中の面積足し忘れてるとか…」
「ホントだ!うわぁ自分の閃きに酔いすぎた。…ってカゲ、そこ㎤じゃなくて㎠!」
「ウソ?待て待て…ホントだ!何やってんだ私…ショック」
「まあ間違いは誰にでもあるさ。これ解けなくても死にはしない」
その後もみんはやなどをやり続け、気づけばあっという間に16時を過ぎていた。】
フォンテの裏、昨晩タテルがひとりで歩いた路地。途中右に入れば鳥好だが、真っ直ぐ行けばこの旅最後の目的地・永楽が構える。日本酒の聖地として予約でいっぱいの店である。タテルも1ヶ月前に予約を入れており、並んだのに予約なしで入れなかった人々を憐れみながら店に入る。中から現れたババート驢馬似の店主はタテルのことをテレビで見て知っていた。
「もしかしてタテルさんですか?嬉しいです!観てますよ東大イクエーション」
「僕のこと知ってくださっているんですか?」
「すごいですねタテルさん」
「ありがとうございます!今日は思う存分楽しませていただきます!」
壁一面に貼られた日本酒のメニューは100種類を優に超える。知識が数の暴力でカゲに襲いかかる。
「タテルさん、どれ選べばいいんでしょう?」
「とりあえず新政でいいんじゃね?それか十四代か」
「その中でも種類がいっぱい…」
「新政であまり飲んだことないのは紫八咫かな…よし、一緒に頼もう。俺は22,25,28。カゲは24,26,27で」
紫八咫はいわゆる「再仕込み貴醸酒」。貴醸酒でさらに醸したものであり、生産本数は非常に少ない。22とか24というのは生産年を表しており、つまり2人が頼んだのはレア物の垂直飲みという最高の贅沢であった。そんなこととは露知らないタテル。
「28は濃さが足りない。25は滑らか。22は長老感がある」
貴重な日本酒であるにも関わらずあまり深く味わえていなかったようだ。予習が甘いタテル。
突き出しには若布と生しらす。しらす?サイズからして白魚の可能性もある。生臭さとは無縁で、日本酒のおつまみとしても適任である。
おつまみの一部はおばんざいよろしくカウンター上に並ぶ。その中から2人はイワシポテトフライを注文。鰯の身にポテトサラダが詰め込まれた惣菜で、一見夕方のニュースで紹介される商店街の店に並ぶような料理だが、身がふっくらしていて段違いに美味しい。
まだ紫八咫を嗜むカゲをよそに、タテルは次の日本酒を注文した。店員達は忙しなく動くが、注文したい素ぶりを見せれば大抵気付いてくれる。引き続き未開拓の新政から、にるがめとコスモスを選択。ピンクラベルでお馴染みのコスモスにも種類があって、ここではトルコ・シリア復興支援の2019年物を注文した。とにかく美しい新政の中でも、コスモスは華のある透き通りである。
続けてタテルはいよいよ十四代を注文した。7種類あったため、安い方から順に注文する。まずは無濾過と山田錦。
「タテルさん、ペース早くないですか?」少し赤ら顔のカゲが心配する。
「何か今日は飲んじゃうね。カゲも次の酒頼みなさい。ここはいくらでも飲んでいい場所だ」
汚れのない十四代を堪能するタテルは自らの推し活を回顧した。【生まれた時には既にSMAPが当たり前のように身近にいて、アイドル好きのアイデンティティを確立したのは13年前にカツヂワカレ・アツコを好きだと中学の給食中に宣言した時であった。でも大半の推しはちょっと好きになったくらいで、真剣に推しているのは3人だけだ。そのうちの1人が、カゲである。
「東大に行くとか人気タレントになるとか、俺は自分の大きな夢を追うことだけが仕事だった。でもアイドルに出逢って、推しの朗報悲報に一喜一憂しながらアイドルの幸せを願うようになった。カゲは俺の中で、そんなアイドルのNo.3になってくれた。俺の人生に無くてはならない存在なんだ…」】
酒がどんどん進むタテル。新政と十四代だけ飲んでいてはただのミーハーだと考え、次に目をつけたのは3種×60ml飲み比べ900円。単価1200円までのものであればどの銘柄を選んでもよい。おらえ(県内物)からギリ1200円のものを3種、山本アイスブルー・ゆきの美人活性にごり・やまとしずく純米大吟醸。興味ない人からすればみんな同じ液体のようだが、飲んでみれば全然違う個性がある。と言いつつ肝心のその個性は酔いに任せて忘れてしまった。
合わせて蓮根海老しんじょう揚を追加。こちらも蓮根ががっしりしていて満足度が高い。日本酒の聖地はツマミにも抜かりがない。
【「アイドル人生で一番楽しかったことは?」タテルはカゲに問う。
「出逢い、ですかね」
高いポテンシャルと優しくあたたかい心を持ったメンバーと一緒にいるだけで笑顔になれた。そしてサポカゲ(ファンの総称)がいつも私に声援を送ってくれて、それが私の生きがいになっていた。
「逆に、大変だったことは?」
その生きがいを失う原因となった耳の不調。アイドルとして一番の花舞台に立てないことによる自己嫌悪を取っ払うために、いちばん好きな綱の手引き坂を去らないといけないこと。
愛を知れば涙がはこばれる。応援してくれる人に笑顔を届け笑顔を返してもらう最高の舞台に、万全の状態で立てなくなってしまった。それでも自分を発信できる場を失いかけていた最中のワールドカップ、グループのためになったかと言われれば不完全だったのかもしれないが、新たな生きがいを見つけることができた。】
タテルの酒は止まらない。続いてかつて所属していた研究室の教授に教えてもらった「作」を注文。何mlと書いていないものは全て180mlで来る。一発で酒量が増えるが、タテルはお構いなしだ。間もなく飲みきると、牛スジコチュジャン煮と共に新政アース180mlを注文した。口の中を縦横無尽に回る大地の甘み。
【東大イクエーションファンの店主と会話するタテル。収録の裏話をしたり、タテルの持ちギャグ「スラスラス〜ラ!」をサービスしたりした。
「俺にもこうやって応援してくれる人がいる。初めて東大イクエーションに出た時の栄華はもう5年くらい前の話だけど、それでも俺は完全には忘れ去られていない。自分にできること、もっともっと見つけたい」
酔いが多少回りつつも自分の人生を考えるタテル。卑屈になりそうな時も、テレビで笑いを巻き起こす有名人に救われてきた。今度は自分がそういう立場になりたい。そのためにやれることは何だろう。
「YouTubeで勉強動画やってますよね。お笑いと勉強を融合させたら面白いんじゃないですか?」
「いいねそれ。ネタは…そうだ!コレ面白いかも!」】
その後タテルは十四代ローラーに突入した。愛山に七垂二十貫、雄町。さらに新政から亜麻猫直汲をつけると、タテルの現金の持ち合わせが無くなったため打ち止めとなった。この店に心を許しあまりにも飲みまくったため、タテルの会計は15000円近くまで膨れ上がっていたのだ。
【「いやぁ素晴らしい!東大イクエーション仲間の津くんも絶対喜ぶと思うので今度連れて来ます!」
「まさか東大イクエーションの人に会えるなんて、楽しかったです!もっと広い場所への移転も考えているので、また来てください!」
最後に女将から七垂二十貫のカムバックレッドカーペットをサービスしてもらった。みかわでもらった天かすをお土産に、2人は東京に向かう最終の秋田新幹線に乗り込んだ。タテルは間もなく爆睡した。それもそのはず、タテルはこの日だけで1升近く日本酒を飲んでいたのだ。
「今日からカゲはただの女、俺はただの男…」寝言を述べるタテル。
「もうタテルさん、飲み過ぎですって…だいぶストレス溜まっていたのかな」
カゲは車窓を眺めながら、間もなく眠りについた。
その後カゲは自身が参加する最後のシングルでセンター脇のポジションを獲得した。その一方で周年ライヴには参加できないと発表しバッシングを食らったが、それでもサプライズで2曲だけ参加し、ファンからの愛をたしかめた。
タテルは英単語を覚えるためのスキットを上げ始めた。すると再生回数は少しだが伸び出してきた。まもなく久しぶりのテレビ出演も決まり、スター街道を突き進むチャンスを掴んだ。
もちろん嫌になる時もある。でもカゲはバーでタテルと撮った記念写真を、タテルは道の駅で送ってもらったカゲからのメールを見て、今日も明日も自分の思う道を生きていく。
—完—