東大方程式すえちゃんさんが投稿した銀座 大石(東京/銀座)の口コミ詳細

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連続百名店小説

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銀座 大石銀座一丁目、東銀座、銀座/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.4

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.3
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.4
1回目

2024/08 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.3
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.4
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

連続百名店小説『バカみたいに真っ直ぐな』最終夜【フレンチ百名店TOKYO 8/100】

*食べログ口コミにおいては核心部分のみの掲載となります。全文を読みたい方は以下にあるブログへのリンクをコピペし検索してお読みください。
https://todaihoteisiki-sue.com/連続百名店小説『バカみたいに真っ直ぐな』最終/

銀座の一流フレンチ「大石」。小さな雑居ビルの2階にある店で、楽しみすぎて気が早くなっていた2人は、開店の10分前に着いてしまい踊場で待たされた。5分程して入店する。

稼ぎを得てはいたが貧乏性の抜けない2人。乾杯酒はグラスで3000円を超えるシャンパーニュを避け、1400円とお手頃なマドモワゼル、レモンスカッシュを注文した。

塩・バターの入ったミルクティーで胃を温め、カウンターに並べられた本日の食材を眺めながら料理を心待ちにする。

客が揃い、大石シェフのプレゼンテーションが始まる。まずは戻り鰹を挟んだグジェール(チーズを練り込んだシュー生地)にキャビアをたっぷり載せて。大石オリジナルのキャビアは初心者でも食べやすい味になっている模様。鰹のたたきは血生臭さも無く、ニンニクも効いていて抜群に美味い。
「どう考えても美味いやつだ。フレンチではあまり無いからねこういう料理」

カリフラワーのムースの上にウニのコンソメゼリー寄せ。コンソメがまず濃くて美味しい。そしてウニの味がよく生きている。紫蘇のアクセントがあるからか臭みも無い。カリフラワームースを混ぜると洋風テイストになりより濃厚になる。ウニの後味もちゃんと残っていて優秀な一皿である。

一方、次来た料理はメキシコ料理のトルティーヤであった。フレンチの枠に囚われない多国籍料理を1つ組み込むのがこの店のやり方であり、北島亭とは大きく違うところである。車海老が大ぶりでサルサソースもよくきいていて、一緒くたに食べるとただただ美味しく感じるものである。
「さっき言ったことをもう一度。どう考えても美味いね」

続いてもまたフレンチらしくない一皿。鼈のスープに島原素麺を合わせる。鼈の脂ぎった旨味に美しい素麺を合わせる。勝新太郎と中村玉緒のような良いコンビネーションである。

貧乏性の役から抜けていた2人は平気でワインを注文する。次の八寸(酒のつまみ盛り合わせ)に合わせるのは中央葡萄酒のグレイス甲州。清らかで爽やかだけど力強い。八寸の持つ和のエッセンスと甲州ワインの組み合わせは最強である。

八寸の内訳は、帆立と野菜のテリーヌ、鮎のカダイフ揚げ胡瓜ソース、縞鯵と夏野菜のクスクス、兎肉のゼリー寄せ。丁度盆の時期であったため精霊馬らしき物が載っていた。
「タテルさん、どれから食べます?」
「優先順位1位は揚げ物。しなりやすいから逸早く食べよう」
「ありがとうございます」
「その後は味の薄いものから順番に、かな。でも今回はあまり変わりないから好きに食べていいと思う。三角食べしてもいいんじゃない?」
ということでまずは鮎から。鮎の苦みに胡瓜の爽やかさ、そしてソースの濃さがどっしりとした背景となってくれて真っ直ぐに美味しい。
帆立のテリーヌは、野菜たっぷりの中でもしっかり帆立の味を出せるところが一流である。
鯵のクスクスは他の品に比べると印象薄めであるが、野菜の質が良いことはよくわかる。
「タテルさん、うさぎ肉ってどんな味なんですか?ちょっと怖いんですけど…」
「安心しなさい。俺も初めてだけどたぶん鶏肉だよ」
「そう言われたらそう見えますけど…」
タテルの言う通り兎肉は鶏肉のようであり、よく飛び跳ねていたからか引き締まった食感である。ゼリー寄せにすることにより異なる歯応えを同居させ、エンタメ性のある一品に仕上げている。

無花果とフォアグラの最中。口直しという位置付けで、果物の味わいの方が強く感じた。

次の料理に合わせるワインはブルゴーニュのシャルドネ。
「果実味がギュッとしていて貫禄があるね」
「さっきのワインと全然違います」
「日本ワインはあっさりしてることが多いから淡白な魚料理によく合う。濃いめの魚料理にはどっしりしたフランスワインなんだよね」

魚料理は太刀魚と胡瓜のパイ包み。夏だからバターの使用量を抑えて軽めのパイにする。太刀魚のほわほわとした食感とパイ生地の相性が良く、胡瓜は生のシャキッとした食感と青さを保っていてアクセントとなる。
そしてこの辺りから量の調節が行われる。タテルはこの後満腹になることを恐れて半量にしてもらっていたが、あまりにも美味しかったため結局おかわりを貰った。

赤ワインはブルゴーニュのピノ・ノワール。葡萄の果実味が強めであった。

中国は広州の仔鳩。中国産と聞くと身構えてしまうが、実はどこの国の物よりも高級でクセも少なめ。北京ダック風に油をかけて仕上げる。
「身がプリプリで綺麗ですね」
「だな。本当にクセも無い。ソースもあるけどつけなくていいね」
「頭の部分はほじくって食べる、って言ってましたよね」
「ちょっとグロそうだけど…ああ美味い美味い」
「鳩さんなんて初めて食べましたけど、こんなに美味しいんですね」
「フレンチらしくないけど、美味しいを追求してるからすごく良い」

西瓜のジュースで口直しをする。

肉料理2品目は蝦夷の夏鹿。ジビエのクセが苦手なシェフ曰く、青草しか食べていないので臭みが無いと云う。塩の振り加減が良く、筋肉質の赤身を素直に堪能できる。

まずは鮑リゾット。バターでソテーした鮑の身を、肝と共に炊き込んだご飯に載せ、最後に鮑の出汁をかける。これが最上級に美味い。鮑の素材の味は勿論のこと、バターで味に深みが出て、肝の臭みを打ち消してくれる。
「いいね。今度は大盛りで食べてやる」

さらにカレーライスまで供される。小麦粉を使わず素材の旨味に頼ったカレーで、優しい甘みの虜になる。

デザート1品目は巨峰とシャインマスカットにジュレとグラッパのジェラートを載せて。とかくジェラートが秀逸。アルコール感と葡萄の香りがクセになる。

食後の飲み物は、シロッコというブランドの紅茶・ハーブティーが多種取り揃えられていたため、その中からブラックバニラを選択した。美しく抽出された茶の中にバニラの香りがはっきりある。

メインのデザートはピーチメルバ。適度に水分を抜いているのか、桃の口当たりが軽くて良い。この季節のフレンチのデザートでは定番となっているピーチメルバであるが、ここの武器は「温度差」。温かいフランボワーズのソースが、桃の軽やかさをより引き立てる。

2024/10/26 更新

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