2回
2022/01 訪問
一軒家フレンチ ルカンケ
白金台駅からプラチナ通りに入ると、両脇には多くの飲食店が立ち並ぶ。その道から一本奥に入った細い路地沿いに店はある。雑多な集合住宅のような二階建ての小さな建物だが、店内は意外に広い。一階に数席用意され、二階にもテーブル席が用意される。一階は隙間風が入ってくるので、冬は断然二階がお勧めである。選べるかどうかは知らないけど(笑)
久しぶりの訪問となってしまったがいい意味で変化はない。個人的に好きな内装で、とても落ち着く。ここら辺のフレンチは銀座、六本木界隈と異なり、いわゆるラウンジ嬢などを連れた男女の金にまみれた愛のプロレスを見なくていいので気が楽だ。
注文したもの(コース9130円)
〇小石と葉
どれが本物か当ててみて、というクイズ形式で始まるアミューズ。
〇フォアグラのブリュレ
フォアグラがしつこくて若干苦手意識があった中で、これは旨い。
〇スモーク
スモークを焚いた視覚的美しさ、香り、そしてクレープで包み込む旨さたるや、脱帽。
〇白子
あっさりとしていて、和食でも使えそうなくらい。
〇牡蠣オゴノリ
食感も斬新で、シェフの独創性が感じられる一品。
〇鮮魚 小松菜
スープが実によくできている。魚の味がとてもまろやかである。
〇白樺和牛 ビーツ
これは少し残念。スプーンで食べられるくらい柔らかいというコンセプトで提供しているのだろうが、肉はやっぱり肉として食べるからこその醍醐味があると思う。ポテトが混ぜ合わさっていて、メインとしての迫力がない。もう少しストレートに勝負してほしかった。
〇苺 ミルク
しゃりしゃりとした食感によってこの前のメインで咀嚼が必要なかったメリハリをつけたかったのかもしれない。味は見事だが、デザートはもう少し柔らかく食事休みでもいいかもしれない。
〇メインデザート
〇食後の飲み物
〇お茶菓子
客層に目を向けると若いカップルも数名いて、幅広い年齢層から支持されている気がする。それもそのはずだろう。視覚を刺激し、独創的な味を作り出しているのだから。昔はフレンチの敷居が高かった気がするが、最近はソムリエ、シェフの年齢もグッと下がってきているので、訪れやすいこともあるかもしれない。5000年前のエジプトの遺跡から見つかった粘土板の書簡に「近頃の若者は…」と書かれていたというのは有名な逸話だが、いつの時代も若者の行動は注目を浴びてしまうもので、年長者には面白くないわけだ。それが引いては若者にフレンチを使いづらくさせていた理由にもなるのかもしれないが、いずれにせよ当店は、どの年代の人でも気軽に使えそうだ。
話がそれてしまったが、素晴らしい料理の数々を堪能できた。一日の心をリッチにさせてくれるルカンケ。フレンチ料理の新しい楽しさを教えてくれた気がする。
ご馳走様でした。
2022/01/26 更新
空に微かに雲がかかっていたが、月が美しく輝いていた。白金の街並みは落ち着いていて、とりわけプラチナ通りは人通りが少なかった。ここら辺もコロナの影響で道沿いの店はガラッと変わった印象はあるものの、街の雰囲気はそのままだ。
ルカンケも長くやっていてすっかり街に溶け込んでいる。前回の料理が良かったので、2ヶ月開けずに来てしまった。ただ店の前の看板に4月から値上げの文字が…。最近どこも値上げラッシュでルカンケもかと思ってしまう。
注文したもの
◯小石と葉
見た目にも楽しいスタイル
◯フォアグラのマカロン
これには驚いた。こういう発想素晴らしい。
◯スモーク
個人的には一番のお気に入りで、ガレットの使い方が見事。
◯ビスク
芽キャベツとラビオリの組み合わせが面白い。
◯白子山ウド菜の花
見た目も美しく、何より美味しい。
◯鰆 白菜 金柑
さっぱりした鰆を特徴的なソースが包む。
◯仔鴨 カスレ
噛むとジューシーな鴨の味をふんだんに味わえる。
◯焼き芋
ひんやりとしたアイスとの相性が抜群に旨い。
◯紅玉 キャラメル
もう少し食べたくなるくらいあっさりといける。
◯食後の飲み物
◯お茶菓子
この日の料理もとても良かった。とりわけ前回残念だった肉料理が段違いに旨い。独創的な皿の数々でソースが実に奥行きがある。一皿一皿の流れと組み合わせが淀みなく、ワインとゆっくり楽しめた。また機会があれば伺いたい。