2回
2022/06 訪問
感激のイタリアン RISTORIA RADICE
丸太町駅から5分程度の場所に店を発見できる。古民家のような造りだ。どうでもいいことだが、筆者は今まで「まるたちょう」と読んでいたが、「まるたまち」であることを今回初めて知った。読み方の違いは地域によるものなのか、規則性があるのか実に難しい。
さて店内に入ると、清潔感のあるカウンター席が6席ばかり用意され、奥にテーブル席があった。個人的にシェフが料理をしているところを間近で見られるので、どこの店でもカウンター席が好みである。
注文したもの(コース8000円)
◯稚鮎のフリット
まず驚いたのが稚鮎の大きさである。ぷりぷりに太った鮎でこれほど見事な稚鮎は見たことがない。頭からかぶりついたが、まったく臭み、苦みともに感じることなく頂けた。魚の甘味が口の中に広がり食欲を刺激する。
◯パルマ産生ハム シューアイス
センスに脱帽である。フォワグラシューアイスだがコーヒー風味でこってりとしたフォワグラの重さをまったく感じさせない。
◯トウモロコシの冷製スープ
季節の野菜は美味しい。そう実感させてくれるだけのフレッシュで甘味たっぷりのとうもろこしが美味しく、その上の鴨肉がジューシーでスープとのハーモニーを奏でる。
◯夏野菜のブラッタチーズのタルト
野菜独特の苦みは人間が本質的に嫌うものであるが、その苦みをそのまま残しながら、チーズのとろりとした濃厚な味わいで調和したのは素晴らしい。
◯ホッキ貝とブロッコリーのペペロンチーノ
熱を加えたブロッコリーは甘味が出ていて、夏の貝に負けない強さがある。
◯柔らかなタコとセロリのピリ辛トマトソース
蛸が小さく刻まれていてトマトソースとよく合う。
◯姫帆立とホワイトアスパラのリゾット
ぷりぷりとした帆立とアスパラの風味が絡みあって旨い。
◯丹波高原豚骨付きロースのアリアタ
骨付きの豚肉は珍しいとのことだが、確かに初めて食した。焦げ目のカリッとした食感と風味が口いっぱいに広がって、とにかく旨い。
◯ティラミス
個人的に一番好きなデザートがティラミスである。ここのティラミスはクリーミーでいてさっぱりとした口どけだ。出来損ないのティラミスのようにべちゃべちゃになることはない。しっかりと量もあって満足感が高い。
どの料理も独創的で文句の付け所がない。何より店の雰囲気が柔らかで居心地がいい。オーナーシェフによくありがちな客の目の前でサービスマンを激詰めしているようなことは全くなく、互いに信頼し合って仕事をしているように見受けられた。東京都内のレストランで高頻度で見かけるのはどういうわけなのだろう(笑)
いずれにせよ、ゆったりとくつろぎながら最高の食事にありつける。そう何度も経験できることではない一時を過ごせたことに改めて感謝したい。ご馳走様でした。
2022/06/23 更新
丸太町駅から徒歩で7分ほどの通り沿いに店はある。この辺りは人気のレストランが数多く軒を連ね、飲食店の激戦区といえる。
店の扉を開けると、カウンター席と1つのテーブル席が用意される。
注文したもの(コース16500円)
・月光百合根 レモン
・生ハムシューアイス
・パンツェロティ
・クスクス鱒
・ピスタチオカッペリーニ
・蟹とちぢみホウレン草リゾット
・鰆アスパラガス
・黒毛和牛サツマイモ
・お口直し
・子持やりいかブッタネスカ
・ティラミス又は苺とメレンゲ
全体的に高水準の料理の数々であり、とりわけ肉料理が美味しかった。最近コースで牛肉が提供される機会が減ってきた気がするが、やはり牛肉は旨い、と改めて思わせてくれたことに感謝したい。一方パスタについては平準以上で美味しいが、贅沢を言わせてもらえれば、もう一工夫欲しいもので、印象に残るだけのアクセントが足りないような感じであった。パスタは東京のレストランの成長が目覚ましく、競争優位が成立してしまっているかもしれない。いずれにせよ満足感は高い店である。