2回
2023/03 訪問
イタリアンの名匠 笠井
春の足音が静かに近づいてきたような、冷たさに湿気を含んだ風が気持ちがいい。都立大学駅から徒歩で15分ほどのわりと不便な場所に店はあるが、常に満席のようでいかに当店の料理が客に評価されているかの証明と言える。
店内はカウンター席だけのシンプルな造り。ハイチェアなので居心地に関しては評価が分かれそうだ。
注文したもの(コース13000円)
・仏産生ハムとブリオッシュ
しっとりとしたパンと冷たいあっさりしたバター、そして生ハムがからみあって実に旨い。
・千葉カリフラワーのズッペッタ
苦味があるが独特の舌触りのスープで食欲をかきたてる。
・春野馬肉のタルタル 新玉葱添え
甘味のつまった馬肉で玉葱のしゃきっとした風味とよく合う。
・伊産トピナンブールのフリコ
菊芋とチーズで作られたシンプルなものだがねっとりとしていて美味しい。
・ホワイトアスパラガスの春巻き
イタリアンでは珍しいが、熱々の春巻きはサクサクとしていて美味しい。
・アオリイカと菜の花の冷製カッペリーニ
本日一の料理で見事としかいいようがない。熱々の春巻きからの冷製パスタで、献立内の温度差が楽しめる。
・日立白魚のアラビアータ タリオリーニ
辛みがありながら白魚のさっぱりした匂いが鼻をぬける。
・仏産仔鴨のロースト
鴨は難しい。旨味が薄くこれは食材の問題で調理法ではない。この料理だけは興味がそそられなかった。
・ミルクのソルベ
創造的なデザートでミルクのさっぱりした味がおいしく、その後にカカオ風味のシロップがかけられ、カフェのような味わいが素晴らしい。
★ビール
★ジンジャーエール
どの料理にもシェフの意志がつまっていて皿が移り変わる度に興味をかきたてられる。とりわけパスタが素晴らしかった。味付けも絶妙でこってりしすぎず、あっさりしすぎずメリハリが効いていて飽きさせない。久しぶりにヒットしたイタリアンを堪能できた。ご馳走様でした。
2023/03/17 更新
シェフの味つけが好みで再訪した。都立大学駅と駒沢大学駅の間付近という不便な場所に関わらず、相変わらずの人気ぶりでこの日も満席であった。ハイチェアタイプのカウンター席でオープンキッチキンのカジュアルな雰囲気もいい。
注文したもの(コース13000円)
・生ハムとブリオッシュ
柔らかいパンの香ばしい風味とバターの冷たく甘味を持った食感、最後に酸味のある生ハムが渾然一体となって溶ける至極の一品。
・玉葱のポタージュ
ドロッとしながらも温かく優しい味つけ。
・白いかのグリル
カラスミのソースがとにかく美味しく、イカの淡白な味を引き出す。
・ホワイトアスパラとベーコン節
かつお節ならぬベーコン節という創作力豊かな力作。
・茄子と白海老のカッペリーニ
ここの冷製パスタは絶品でくせになる。キャビアの食感と白海老の甘味がパスタを引き立てる。
・タリオリーニ
冷製パスタとの温度差、それに味つけがガラリと変わったせいかメリハリが効いていていい。
・甘鯛
じゃが芋のピューレが甘鯛の淡白な味を刺激し、バーニャカウダソースが味を整える。
・ダイヤモンドポーク
旨いには旨いが、今までのメニューが良すぎたせいか若干物足りない。
・デザート
全体的に満足感が高い。コース料理の中でメリハリが効いていて一品一品丁寧でありながらもシンプルにまとまっておらず、独創性がある。月毎にメニューがしっかり変わってるのが客を飽きさせない秘訣なのかもしれない。