1回
2024/07 訪問
✩言葉が輝く居酒屋さん
【和牛ユッケ】
【2種類盛り合わせ】
【5種盛り合わせ】
【カマスの一夜干し】
【おすすめのフライ】
【おすすめのフライ】の食材
【季節のすり流し(コールラビ)】
【海苔の天ぷらとホタテの漬け】
【コリンキーのビール漬け】
【イカの沖漬け】
【鮭の押し寿司】
【甘納豆マスカルポーネチーズ】
【早瀬浦 純米酒】
【貴 濃醇辛口純米】
【和牛ユッケ】
【白隠正宗 生酛純米】
【七田 純米七割五分磨き】
【とうもろこしの土鍋飯】
【とうもろこしの土鍋飯】
【鯛あら汁】
メニュー
ペアリングおまかせコース
外観
【野菜料理(ズッキーニのチーズがけ)】
2024/07/10 更新
「美味しかったです」と、どのお客さんもわざわざ声をかけて帰って行くのが印象的だった。今話題のスポット 麻布台ヒルズ に昨年の11月にオープンした『居酒屋 うちやま』だ。ミシェラン一つ星の常連店「天麩羅みやしろ」や「鮨 おにかい」などMUGENグループの系列とあって味は折り紙つき。さらにその代表で「なかめのてっぺん」をはじめ30年以上も居酒屋の世界で研鑽を積んだ内山氏が屋号を背負っているとあって、現段階の集大成ともいえるお店となっている。“おまかせコース”を中心に海鮮、野菜料理、肉料理、専用の焼き窯を使用した料理などお店の逸品をひととおり味わえる。
◆場所
神谷町駅から徒歩8分
◆営業時間
17:30 ~ 23:00(L.O. 22:00、ドリンクL.O. 22:30)
日曜営業
◆定休日
水曜日
◆混雑状況
平日の夜に足を運びました。
店内は常に満席だったため予約必須です。
予約して入りました。
◆本日は【ペアリングおまかせコース】(¥16500)を注文。
麻布台ヒルズというと内観が洗練されすぎて高級店に慣れていない人を連れて行くと緊張して終始黙ってしまう、なんてこともよくある。
しかしこのお店は違った!
入り口は“居酒屋”を想起させる靴箱やお手洗い用のサンダルがあったりして、どこかホッとしてしまう。他のお客さんに運ばれる料理を見て「あ、あれも食べたい」なんて言いたくなってしまうオープンキッチン。落ち着いた雰囲気ながらも他のお客さんの会話がBGMとなり、肩肘張らずに自ずと会話が弾む開放感溢れる内装。洗練された中に“居酒屋らしさ”が折衷されているところにこのお店の真髄があった。
まずは【季節のすり流し】。こちらは”コールラビ“を使用していて控えめながらもみずみずしい野菜の甘みが後の料理への期待を膨らませる。
「お持ちください」と紙を渡していただくとその上に【海苔の天ぷらとホタテの漬け】が。パリッとした海苔の天麩羅による塩っ気と舌触りがよくねっとりと身体に絡み合うホタテが渾然一体となり、あとを引く味わい。
流れるように【5種盛り合わせ】が運ばれた。旬の食材に合わせて料理が毎月変わる5種盛り合わせは、食べる前に想像を膨らませるのも楽しい。
イカ自体の味わいも十分感じられる【イカの沖漬け】、生食用のカボチャ“コリンキー”を使用することでさくさくとした食感が癖になる【コリンキーのビール漬け】などお酒が自然と進む料理も上質。しゃりしゃりとした食感が印象的だった桜エビの料理、梅に鶯と言わんばかりに米と鮭が重なる【鮭の押し寿司】とそれぞれの料理が個性を炸裂する。人気の【甘納豆マスカルポーネチーズ】はしっとりとしたクラッカーにマスカルポーネの上品な甘さが変化球をかけるので思わず「うまっ」と声が出てしまった。
“氷見まぐろ”と“勝浦のキンメダイ”のお造り【2種類盛り合わせ】は圧巻だ。スジが美しい“氷見まぐろ”は「口の中でとろける」という言葉で安易に形容したくないほどの やわらかさ で、口にすると同時に笑顔になる。“勝浦のキンメダイ”は弾力があって爽快な脂が絶妙。「岩塩だけで食べたい!」と思ってしまうが、青々とした山葵の甘さも捨てがたい。
お造りには【早瀬浦 純米酒】を。“氷見”のすぐ近く福井県の日本酒でお水のようにさらりとした飲み口ながらもキレを兼ね揃えている。辛口ながらもふくよかな甘みが増幅するのでお造りを食べた後に嬉しい一杯だった。
続いて【野菜料理】はズッキーニのチーズがけを。削り立てでふわっと香りが立つ鰹節がズッキーニの上でひらひらと踊る。外国人観光客も嬉しい和テイストだ。口にすると鰹節に加えて、粉チーズの味わいがズッキーニの甘さを引き立てる。さりげなく鏤められたブラックペッパーも一翼を担っているようだ。さらにクリアな辛口【貴 濃醇辛口純米】も野菜本来の味わいを助長してくれた。
きめ細かい白身魚の身が魅了する【カマスの一夜干し】を経て次の料理へ。
個人的なハイライトは【和牛ユッケ】。熟練の店員により数秒だけ炙られた山形のブランド牛を卵黄にからめて。まるで飲み物かのような舌触りはもちろん1枚1枚のサイズが大きいので波のように旨みが口いっぱいに広がる。こちらは【白隠正宗 生酛純米】で。生酛ならではのすっきりした飲み口とキレが飲みやすい一杯だ。
【おすすめのフライ】はまるで宝石箱のように光沢を放つ食材の中から選べる。今回は大エビとマグロをオーダー。フライなので大エビはエビフライへ姿を変えて再登場。口にするとまずサクッとした衣を感じ、すぐに密度の高い海老の身が衝撃を与える。身はぎっしりとしていて弾力があるのでフライながらも鮮度の高さを感じた。一方でマグロはとろりとしたやわらかい食感とマグロ自体の味を存分に感じられる。
最後に【とうもろこしの土鍋飯】と【鯛あら汁】を。
お客さんとの距離が近いお店とあって、料理が運ばれるたびに丁寧に説明していただけたり、合間、合間に自然とお客さんと会話を弾ませる気持ちの良い接客が好印象だった。また、お手洗いの間に新しいおしぼりが用意されていたり、きめ細かい気配りが行き届いていた。
帰り際、「美味しかったです」と思わず声をかけてお辞儀をしたくなってしまうお店でした。