「夢は天下布武、全国制覇です!」...
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「殿、そろそろ参りましょう。」
「うむ、では行くか。」
羽州羽後、肥沃な秋田平野を望む彼の地に「出羽の北斗七星」と呼ばれた男がいた。
安東チカスエ、のちに天下を統べるもの。
ここに長い布武の物語が幕開く。
「じい、はじめは何処に赴こうかのう。」
「はっ、まずは基本ではございますが近場を攻めるのが定石かと。陸奥弘前・陸中盛岡・羽前酒田辺りはどうでしょうか。」
「ふむ、どこもココロ踊る響きを感じる。すべて我が手中に収めてみたいものだ。」
「その中で陸中盛岡は南部家が治めております。今はハルマサなる者が家長を務めております。」
「『三日月の・丸くなるまで・南部領』。広大なみちのくの地を治める男、天下布武の第一歩を刻むには極上の獲物ぞ。一つ手合わせでもしてくるか!
じい、軍を興すぞ、陸中盛岡・南部攻めじゃ!!」
「ははー!」
こうして、安東軍1万5千は仙岩峠(国道46号)を越え盛岡を目指すのだった。
令和5年卯月の事である。
南部氏。本貫地は甲斐国巨摩郡南部郷で家祖は甲斐源氏の流れを汲む南部光行。建武新政下で北奥羽奉行に抜擢されたことで奥州に勢力を張るようになり、室町・戦国時代には、三戸南部氏が北奥羽全域に勢力を広げる。
ハルマサは南部氏24代当主である。
仙岩峠を越えたチカスエ軍は『道の駅雫石あねっこ』を攻める。
雫石を落としたチカスエ軍は道中、イオンモール盛岡の『もりおかん』を説き伏した。
チカスエ軍の侵攻はすぐさま南部の耳に入ることとなり、ハルマサは諸将に戦支度を支持、『盛岡城櫻山神社』に陣を構える。
盛岡に入ったチカスエ軍は『アートホテル盛岡』に着陣。
『長田パン本店』と『ちゃんこの太五郎』が正面から盛岡駅より『チーズケーキのチロル』が襲い掛かった。南部勢の挟撃にチカスエ軍は苦戦を強いられる。
「じい、ハルマサはなかなかの兵よのう。」
「まこと、精強な軍。このままではいくさは長引く事になりましょう。盛岡の城下に末廣ラーメン本舗の一族がおります。殿、この者を味方に引き入れるのはどうでしょう。」
「ふむ、その男に会ってみるか」、チカスエは『末廣ラーメン盛岡支店』を調略、盛岡城の搦め手より攻めさせた。形勢は逆転し、盛岡城は陥落、ハルマサはチカスエに屈服した。
「ハルマサ、盛岡は良いところじゃのう。」
「チカスエ殿、此度は我らの完敗にございます。」
「盛岡はそちに任せた。儂は出羽に戻るぞ。」
チカスエはハルマサに南部七郡(糠部・鹿角・岩手・閉伊・紫波・稗貫・和賀)の所領を安堵し、出羽に戻った。
「じい、此度の遠征は面白かったのう。」
「そうですな。また、来たいですな。」
「帰ったら、次のいくさに備えて英気を養うか!」
「ははー!」