「じい、盛岡・南部攻めは面白かったのう。次は何処に赴こうか?」
「はっ、さすれば、羽前荘内地方は如何でしょうか?
庄内藩は徳川四天王筆頭の酒井忠次を祖とする酒井家の治める土地。藩校の致道館では日々文武に励んでいるとか。又、北前船の寄港地となっている酒田は大変賑わっているそうですぞ。」
「ふむ、我が城下の土崎港も賑わっておるが、酒田の街も見てみたいのう。
じい、羽前庄内・酒井攻めじゃ!!」
「ははー!」
こうして、チカスエ軍1万5千は三崎峠(国道7号)を越え庄内を目指した。
令和5年文月の事である。
三崎峠を越えたチカスエ軍は酒田の港「みなとオアシス酒田」に到着。
『小松まぐろ専門店』『こがねちゃん弁当』『清水製パン』と一戦を交える。
これを聞いたサカイは『鶴ヶ岡城荘内神社』に陣を構える。
酒田見物を終え、鶴岡に入ったチカスエ軍は『ホテルアルファーワン鶴岡』に着陣。
サカイ軍ににらみを利かせつつ『致道博物館』見物に動いた。
「じい、致道館には入れないのか?」
「はっ、申し訳ございませぬ。どうやら致道館は水曜定休日みたいでして、門前払いをくらいました。代わりに近くの致道博物館を見に行きましょう。」
致道博物館とは鶴ヶ岡城三の丸にあり、酒井家伝来の文化財・建物などがある。
致道の名称は荘内藩校致道館に由来し、論語の一説、
『君子学んで以って其の道を致す』をその出典とする。
「建物・調度品を観ればサカイの質実剛健ぶりがうかがえるのう。」
「はっ、頭が下がりまする。サカイが治める庄内は良い土地ですな。」
「サカイ、此度は楽しかったぞ!」
「チカスエ殿、又、いつでもお相手いたしましょう。」
チカスエは庄内地方を見物、サカイと一戦を交えるも勝負はつかず、しかし満足した様子で帰路に着いた。