『令和5年霜月 陸奥弘前・津軽攻め』ベルベットルームさんの日記

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ベルベットルーム (40代後半・男性・秋田県)

日記詳細

「じい、兵たちの英気も養ったしの、そろそろ何処か攻めようか?」
「はっ、さすれば、陸奥弘前は如何でしょうか?
弘前はツガルタメノブが治める地。古代から津軽の象徴として崇められてきた岩木山を望む、文化の風豊かな城下町とか。春の弘前さくらまつりでは花筏なるものが見れるそうですぞ。」
「ほう、春の弘前もいいが、今攻め込み、敵の虚をつくのも一興か。」
「かしこまりました。すぐに戦支度をいたします。」
「はてさて、タメノブ、どんな反応をするか楽しみじゃ。」

こうして、チカスエ軍2万は矢立峠(国道7号)を越え弘前を目指した。
令和5年霜月の事である。

矢立峠を越えたチカスエ軍は国境の関所『道の駅 いかりがせき 津軽関の庄』を突破。
これを聞いたツガルは『真言宗最勝院』に陣を構える。
弘前に入ったチカスエ軍は『ドーミーイン弘前』に着陣。ツガル軍ににらみを利かせた。

「じい、弘前の街は広いのう?」
「はっ、予想外の発展ぶりにただただ、驚くばかりにございます。弘前では『サイクルネットHIROSAKI』なるものがありまして早馬(自転車)を500円で貸し出しております。そちらを手配いたしました。」

早馬(自転車)を得たチカスエ軍は『シャロン松原店』『鮨覚城東店』『ハマダ海産虹のマート店』『焼き鳥弁当こう乃とり』『パンケーキ工房クロワッサン カブセンター弘前店』を攻略した。

「秋田の田舎侍めが、調子に乗りおって!」
ツガル軍は弘前城に籠城し、徹底抗戦の構えを見せる。
「弘前には洋風建築もあれば、『禅林街』なる寺町ありと文化の香りがするまちだのう。夜の街も我が久保田城下の川反に匹敵する面構え。正直、驚くばかりじゃわい。」
「じい、どうした?先程から空ばかり見ているではないか?」
「はっ、殿、あの月は上弦の月、十日もすれば満月となりそのころにはこの弘前に雪が舞う季節が訪れましょう。」
「そうか。ふむ、雪に退路を断たれては、直に兵糧攻めにあうは火を見るよりも明らか。名残惜しいがここは弘前に別れを告げようか。」

チカスエ軍はすぐさま陣を畳み、帰路に着いた。初雪舞う弘前を後にしたチカスエ軍は国境の矢立峠に到着。初雪は本降りになり、みちのくに長い冬が訪れた。
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