ツバサバサさんが投稿した鮨 りかく(東京/麻布十番)の口コミ詳細

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バサバサグルメ

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ツバサバサ (男性・東京都) 認証済

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鮨 りかく麻布十番、赤羽橋、神谷町/寿司、ふぐ、日本料理

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.6
      • |CP 4.3
      • |酒・ドリンク -
1回目

2025/10 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.6
    • | CP4.3
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

おまかせコース【ペアリング付き】が圧倒的だった!

麻布十番駅6番出口から徒歩約4分のところに「鮨 りかく」さんはあった。

黒を基調とした外観は、通りを歩いていても気づかないほど控えめで、看板も掲げず、まるで知る人ぞ知る隠れ家のよう。初訪問の身としては入口に少し戸惑ったが、その静けさがむしろ期待を高める。扉を開けてもらうと、そこには凛とした空気が漂う明るいカウンターが。木の温もりと赤い椅子の対比が美しく、照明の柔らかさが空間全体を穏やかに包んでいる。正面の盆栽が目を引き、余白のある設えが鮨そのものを際立たせている。

今回いただいた料理は

♢おまかせコース【ペアリング付き】
・天然虎フグのお椀
・フグあん肝和え 煮凝り添え
・天然真鯛の天ぷら 銀杏添え
・鰯の丸干し
・石川芋 毛蟹餡かけ
・白甘鯛
・アラ
・金目鯛
・カマス
・白イカ
・小肌
・菊といくらの茶碗蒸し
・中トロ
・大トロ
・雲丹
・車海老
・穴子
・お椀
♢ザ・プレミアムモルツ香るエール
♢庭のうぐいす 特別純米
♢真澄 山廃純米吟醸 ひやおろし
♢七賢 絹の味 純米大吟醸
♢播州一献 純米吟醸

特に印象に残った料理は

・天然虎フグのお椀
澄み切った出汁に虎フグの清らかな旨味が静かに滲む。骨に残る身をしゃぶると、淡い甘みと上品な香りがふわりと広がる。大ぶりの皮はぷるりと弾力があり、深い味わいを返してくる。静謐な中に確かな力を感じる一椀で、序章にしてこの店の矜持を感じた。

・フグあん肝和え 煮凝り添え × 庭のうぐいす 特別純米
細切りのフグにあん肝をまとわせた一皿。張りのあるフグの食感に、あん肝のまろやかで芳醇な脂が絡み合い、余韻が静かに続く。添えられた煮凝りは、口に入れた瞬間にふっと溶け、旨味だけを残して消える。そこに合わせた「庭のうぐいす」は、米の甘みと柔らかな酸があん肝の脂を心地よく切り、味の輪郭を際立たせる。料理と酒が互いを高め合う、見事なペアリングだった。

・天然真鯛の天ぷら 銀杏添え
明石の天然真鯛を軽やかな衣で包んだ天ぷらは、ふっくらとした身に火が絶妙に入り、素材の旨味がふうわりと広がる。銀杏の香ばしさとほろ苦さがアクセントとなり、秋の情趣を添える一皿。

・鰯の丸干し × 真澄 山廃純米吟醸 ひやおろし
握りではなく、丸干しで供される鰯。表面は香ばしく焼き上げられ、身はふっくらと厚みがあり、噛むほどに旨味とほのかな苦味がにじむ。塩のあたりは穏やかで、酢橘の酸が清涼感を添える。「真澄 ひやおろし」は熟成由来の深みとキレのある酸が鰯の脂を包み込み、旨味を引き立てる。滋味深い一対だった。

・石川芋 毛蟹餡かけ × 七賢 絹の味 純米大吟醸
石川芋の自然な甘みとほくほくとした食感に、毛蟹の旨味をたっぷり含んだ餡が寄り添う。塩気は控えめで、素材の滋味をそのまま活かした構成。蟹の香りはあくまで上品に、主役の芋を引き立てる。合わせた「七賢」はその名の通り絹のようになめらかで、余韻を穏やかにまとめる。派手さはないが、完成度の高さが光る一品だった。

・白イカ
透き通るような白イカは、丁寧に皮を重ねて剥かれており、ねっとりとした舌触りの中にほのかな弾力がある。上品な甘みが立ち上がり、柔らかさと張りの対比が絶妙。繊細な包丁仕事の積み重ねが一貫に凝縮されている。

・アラ × 播州一献 純米吟醸
ほどよい張りをもつアラの身からは自然な甘みと旨味が広がる。酢飯の酸味が柔らかく、魚の持つ旨みを引き立てる。「播州一献」は清らかでキレのある後味が全体を引き締め、印象を鮮やかに残す。潔く美しい握りだった。

・カマス
軽く炙られたカマスは、脂の甘みと香ばしさを兼ね備え、有明産の海苔が全体を包み込む。海苔の香りと塩味が酢飯と溶け合い、香りの層が重なる。食感、温度、香りの三拍子が揃った一貫。

・中トロ
脂ののりと赤身の旨味が均衡した中トロは、ねっとりとした舌触りにわずかな酸味が走る。その酸が全体を引き締め、脂の余韻をすっきりと残す。力強さと繊細さを併せ持つ一貫で、調和の完成度が高い。

・大トロ
厚みのある大トロは、見た目からして艶やかで圧倒的な存在感。舌に乗せると脂が体温で溶け、酢飯と一体となってほどけていく。酸と塩のバランスが脂の甘みを支え、赤身のコクが奥行きを生む。握りの温度、圧、解けるタイミング、すべてが計算されたかのような至高の一貫。

・雲丹
旬の移ろいに合わせて供された養殖の馬糞雲丹は、驚くほどなめらかで雑味が一切ない。舌に触れた瞬間からとろけ、濃厚でありながらも軽やかに消えていく。まるで上質なチョコレートのような口溶けで、コクと甘みがあり、余韻には海の香りがほのかに残る。口溶けの速さと味の持続、その対比が実に見事で、淡雪のように儚くも印象に残る一貫。

・車海老
締めたばかりの車海老は、身がしっとりとして力強い甘みを湛える。蒸し加減が見事で、プリッとした弾力の中に繊細な香りが立つ。

・穴子
大ぶりの穴子は迫力がありながらも、口にすれば驚くほどふっくらと柔らかい。香ばしいツメの香りとともに、熱々の状態で供されることで、その魅力が一層際立つ。通常なら冷ました状態で出されることの多い穴子を、最良の温度に仕上げてから握る大将のひと手間が光る。酢飯までほのかに温まり、口の中で優しく一体となる。最後の一貫に込められた「一番おいしい瞬間を届けたい」という心遣いが伝わる、余韻深い一皿。

スタッフさんの接客は終始丁寧で、女性スタッフさんの所作や配膳のタイミングはまさに絶妙。飲み物を伺う間合いにも品があり、細やかな心配りが感じられた。男性スタッフさんのペアリング説明も明快で、酒の背景や香味の方向性を語る姿に引き込まれる。料理の味だけでなく、「なぜ今この一杯なのか」という物語を添えてくれるのが嬉しい。大将は柔らかな人柄で、所作も美しく、鮨の説明の一言一言に誠実さがにじむ。程よい距離感と温かさが両立した、居心地の良い時間だった。

総括として「鮨 りかく」さんは、江戸前の伝統に現代的な感性を重ね、食材・器・酒のすべてを一体として構築する、圧倒的な完成度を誇る鮨店だ。食材へのこだわりはもちろん、器に至るまで徹底的に選び抜かれた美意識に貫かれている。白身を主軸としながらも、赤身や酒のペアリングに至るまで一切の隙がない。感動的な体験を味合わせていただいた。

2025/10/10 更新

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