ツバサバサさんが投稿した赤坂 渡なべ(東京/赤坂)の口コミ詳細

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バサバサグルメ

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ツバサバサ (男性・東京都) 認証済

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赤坂 渡なべ赤坂、溜池山王、六本木一丁目/日本料理

1

  • 夜の点数:4.7

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.6
      • |CP 4.7
      • |酒・ドリンク -
1回目

2025/11 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.6
    • | CP4.7
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

【百名店訪問記】おまかせ会席が感動的だった!

溜池山王駅12番出口から徒歩約7分のところに「赤坂 渡なべ」さんはあった。

階段の足元を照らす行灯の光が、静かな通りにやわらかく滲む。階段をゆっくり上がり扉を開けてもらうと、ほのかに檜の香りが漂う落ち着いた空間が広がる。淡い木目のカウンターが伸び、ほどよい緊張感と温かみを感じる。席の間隔も程よく、個室も備え、静かに食事を楽しめる日本料理店だ。

今回いただいた料理は

♢おまかせ会席
・自家製酵素ジュース
・柿釜 毛蟹 ジュレ掛け
・真鱈の白子/赤貝の酢味噌和え/シルクスウィートの芋けんぴ/アオリイカ/春菊の白和え/鶉と粟麩のくわ焼き
・カラスミのドリア
・海老芋の胡麻和え
・ホタテ真丈の吸い物
・メジマグロとサワラのお造り
・トラフグお造り
・キンメの松笠焼き
・トラフグの唐揚げ
・白甘鯛のかぶら蒸し
・熊肉の白味噌し立て鍋
・鯛の茶漬け
・白いコーヒープリン/マスカットとクイーンルージュのゼリー/抹茶餅
♢みむろ杉 特別純米酒 辛口 露葉風
♢久保田 千寿 純米吟醸
♢純米酒 鍋島 白菊
♢特別純米 生酛仕込み 龍力

特に印象に残った料理は

・柿釜 毛蟹 ジュレ掛け
旬の柿を器に見立てた先付け。くり抜いた柿の柔らかな甘みが毛蟹の繊細な風味と響き合う。酢ジュレは酸味が穏やかで、蟹の旨味を壊さない。添えられた菊のお浸しのシャキッとした歯触りが全体に軽やかさを添えていた。季節の香りを閉じ込めた完成度の高い一皿。

・八寸×みむろ杉 特別純米酒 辛口 露葉風
味・香り・食感の調和が巧みに計算された一皿だった。真鱈の白子は雑味や臭みが一切なく、穏やかな酸味の酢ジュレが濃厚さをほどよく和らげている。アオリイカはねっとりとした甘みに酒盗ソースの塩味と熟成香が重なり、旨味の奥行きを感じさせた。春菊の白和えのほろ苦さ、赤貝の酢味噌和えの柔らかな酸味、鶉と粟麩のくわ焼きの甘辛さ、そしてシルクスウィートの芋けんぴの香ばしい甘み。それぞれが異なる方向性を持ちながら、全体として季節の表情をしっかりと感じさせてくれる。合わせた「みむろ杉 特別純米酒 辛口 露葉風」は、すっきりとした辛口のキレが口の中を心地よく整え、次の一品を新鮮に味わわせてくれる。料理と酒の呼吸がぴたりと合っていて印象的だった。

・カラスミのドリア
和の高級食材を洋の技法で仕立てた一皿。カラスミの旨味が熱で柔らかく広がり、クリーミーなドリアと調和している。塩気よりも旨味が前面に出ており、熟成とまろやかさのバランスが抜群。

・海老芋の胡麻和え
驚くほど滑らかで、芋の穏やかな甘さが舌の上で広がる。胡麻餡は香ばしく、芋の持ち味を引き立てている。派手さはないが、静かな完成度の高さに唸らされた。

・ホタテ真丈の吸い物
澄み切った出汁は、鰹節とメジ節を重ねて丁寧に引かれたものらしく、香り立ちは清らかで、口に含むと旨味が静かに広がり、雑味のない透明感が際立っていた。中心のホタテ真丈はふうわりとした口当たりで、ホタテの自然な甘みと海の香りが凝縮されている。出汁と真丈の一体感が非常に高く、飲み終えた後も余韻が長く続く。繊細さの中に芯があり、見事な椀だった。

・トラフグお造り
ポン酢ジュレの穏やかな酸味が全体を引き締め、淡白なトラフグの旨味をすっと浮かび上がらせる。下に忍ばせたフグ皮の煮凝りはプルンとした弾力があり、あん肝ペーストは一切の臭みがなく、濃厚なコクで全体に奥行きを与えている。異なる食感と風味が重なり合い、まさに「フグを味わい尽くす」構成に仕上がっていた。

・キンメの松笠焼き
鱗を立たせた皮はパリッと香ばしく、身は脂を抱えしっとり。柚子胡椒おろしと酢橘が爽やかさを添え、脂の濃厚さを軽やかに整える。香りと食感のコントラストが心地よい。

・熊肉の白味噌し立て鍋×特別純米 生酛仕込み 龍力
ツキノワグマの旨味を見事に引き出した鍋。白味噌と信州味噌の合わせ出汁が熊肉の脂の甘みを包み込む。天恵菇や下仁田ネギ、せりが加わり、香りと滋味が層を成す。合わせた「龍力」は、生酛ならではの骨太な酸と旨味があり、鍋の濃厚さをしっかり受け止めていた。力強い一体感を感じる組み合わせで、一番印象に残った。

・鯛の茶漬け
羽釜で炊かれた新潟県関川村産のコシヒカリは、一粒一粒が立ち、噛むほどに甘みと香りが広がる。大将が新潟出身ということもあり、この米には格別の思い入れがあると思われる。その想いが伝わるような炊き上がりで、米そのものが主役と感じられるほどの存在感だった。まずは胡麻ダレをまとわせた鯛の刺身とご飯を合わせると、胡麻の香ばしさと鯛の旨味が重なり、驚くほどの一体感。途中でお茶を注げば、濃厚な胡麻ダレがふっと和らぎ、香り高く上品な後味へと変化する。あまりの美味しさに、ご飯も鯛もおかわりをお願いしてしまった。最後の一口まで幸福感に包まれる締めの一品だった。

サービス面では、大将の渡邊さんの明るく朗らかな人柄が何より印象的だった。場を和ませる軽妙な会話の中にも、料理への情熱と探究心が感じられ、客を楽しませながらも細部にまで気を配っているのが伝わる。女将さんは落ち着いた笑顔で支え、飲み物のタイミングや器の向きにまで細やかな心配りを欠かさない。二人の息の合った接客には温かさと安心感があり、店全体が心地よい空気に包まれていた。

総括として「赤坂 渡なべ」さんは、季節の恵みを生かした料理と丁寧な手仕事が調和する、実直で完成度の高い日本料理店だ。どの皿にも過剰さがなく、素材と真摯に向き合う姿勢が伝わってくる。新潟の食材を軸に据えた食の芯と、都会的な洗練さがほどよく溶け合い、落ち着いた一貫性がある。心に残る一軒だった。

2025/11/20 更新

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