9回
2025/02 訪問
茨城県の宝
見よ。この色合い。常陸牛を最大限に引き出した。
右は鯛×オボロ昆布。見てくれはアレですけどね。下品な表現ですが、幸せ特急券。まずは来て早々に理想世界に行って頂こうと。
凄い酒。店長に無理言って出してもらいました。入手困難。
アワビ チーズ クチコ ヘシコ これで酒を飲むのが一番 クチコが私のNo.1だが、鮑もおいしい…チーズも味変で良い
あとカラスミも。日本人しか知らないのではないか、この世界は。海外にもあるのでしょうね、その国の食通しか知らない酒の神髄が。
フグの白子を大葉で包んで天ぷらに。味は…!御想像にお任せします。
アイナメの潮汁。セリが入っていて、うますぎる。
二番手。これも良かった。
アイナメの煮付け。一度、食べてみてほしい。これでご飯食べたら最高でしょうね。最近流行りの言葉で言う『無限煮付け』無限に食べられる、という意味で最大級の賛辞。
二人分です。生しらす…泣かせるうまさ。
三番手。これも良かった。良かった、の意味は3条件を満たす、という事。①喉に当たらない、やろうと思えばごくごく飲める②飲み物としてうまい、魅力的③後味スッキリ、余韻が良い
鴨の炊き込みご飯。コレはうまい。初めて食べたけど、鴨のワイルドさ奥深さがギュッと詰まってます。食べるとチカラが湧いてくる。臭みは全くない。大将、もっと早く作ってよ〜笑
この色合い、艶。これだけの為に来る価値ある。
4番手。これも良かった。深酒はやめようと心掛けているのですが、今日は一人4合くらい呑んでしまいました。
水羊羹。ひんやりほのかな。 締まりました。
2025/03/09 更新
2024/09 訪問
最高の酒とは
この日は以前から楽しみにしていた納涼会で親しい知人と2人でやって来ました。
大将には、いつも通り『お酒を楽しみたい』とだけ伝えてあります。(考えてみれば、これは当たり前かも)大将も日本酒好きなので、酒飲みの心をくすぐる料理(考えてみれば当たり前か)を良く分かっています。
9月下旬でしたが、まだまだ酷暑が続いていました。それでもマツタケやクリなど、秋の食材で、しびれるような酒の世界に浸ることが出来ました。
結局これなんですよね。『世界に浸る』ことが出来るかどうか。
蛇足
緩和医療学の中に痛みの『BPSモデル』というものがあります。Bはbiological、Pはpsychological、Sは socialの略です。つまり『痛み』は単に生物学的条件だけでなく、その時の『精神的条件』や『社会的条件』によっても左右される、という考えです。
痛みを抑えるのはもちろん鎮痛剤、薬ですが、『痛い』を抑えるのはそれだけでは不足で、『死への恐怖』などの(精神的苦痛)や『家族への心配』などの(社会的苦痛)にも配慮しなくてはなりません。
振り返って『旨い』にもBPSモデルは当てはまると思います。料理、酒が美味しい、というのが大前提になりますが、お店の雰囲気、金額(だからコスパも大事)、その日の気分、時間的ゆとり、などどれが欠けても『旨い』に水を差すことになります。
だから『いい店』に来る時は、自分側の条件を最大限に上げてやって来たい。そしてお店側にも、うんと期待する。双方の条件が重なり高まり合って(まるで酒と料理のマリアージュのように)『最高の酒』は達成されるのでしょう。
湯葉と出汁
絶品ポテサラ
仲良し3人組
鳳凰美田
瓶に入れてから火入れしたので瓶の中に香りが閉じ込められている、と思う
このイカのゲソを炙ったのが、驚きのうまさ。お造りで食べるところを絶妙に炙った。 右端は私の大好物で私が『日本酒にとって最高のアテ』と考える『クチコ』
コノワタを絡めてイカのお造りを食べる。酒と出会うと…!
ちょっと撮影モードを『vivid』に変えて。
秋刀魚 発狂しそうなほど美味かった
銀杏 この塩が泣かせる
へしこ カラスミ
マツタケ土瓶蒸し
素晴らしいお吸い物に対して『魂が抜かれるような』という賛辞が送られるが、これはその資格を有する。
やはり焼き物もないとね。絵になるわ〜。インスタ映え
お行儀悪して中を覗いたら!あの玄妙な味わいの立役者たちが。食べて見るとまだまだ旨みが充分残っていた。それは贅沢な味わいになる訳だわ。
ちょっと肉も食べたい、って思ってたらコレ。ほんの少量だけど、牛肉って主張するなぁと改めて実感。火の通し方も完璧。隠岐島で食べた贅沢丼のソースがあれば、と思った
栗ご飯 泣かせる。塩加減が絶妙で、これにはしびれた。これぞ、日本に生まれてよかった、というやつです。
シンプルに締める。
2024/10/06 更新
2024/08 訪問
最強のお弁当
研究会で出て来るお弁当。私が会の担当者に『それとなく』言及しているせいか、この『いしざきスペシャルお弁当』になることが多いです。
参加するメンバーも、やはり、いしざきのお弁当の時は明らかにテンションが高いです。すぐ分かる笑。
さて、今日のお弁当では『ジャコのおにぎり』が入っています。これが絶品なのです。(言えば作ってくれるかも知れません)
おかずも『手当たり次第にうまい』です。箸の赴くまま口に放り込むと、全てホームランみたいに。
もちろんお店で食べる方が美味しいに決まってますが、お弁当を食べるなら、是非『いしざきスペシャルお弁当』を。
2024/08/29 更新
2024/02 訪問
不覚にも
記憶をなくすほど飲んでしまった…。佐渡のりきすしさん以来、1年半ぶり。あれ以来、気をつけていたのに…
私が悪いんじゃない…うますぎる酒とうますぎる料理のせいだ…いや、私が悪い。欲望に主導権を渡してしまった私が。
一応、内容を説明しよう。
まず、突き出しの湯葉。お出汁が上品で、期待が高まってしまうじゃないか…
その次に間髪入れず、ポテサラ。何を混ぜたのか悶絶するほど旨い。わずかな酸味?わずかな甘み?ジャガイモのコクと喉を通過する充実感。
今日の主砲、飛露喜。酸味はごくわずか、心地の良い麹感、爽やかな甘み、水を飲んだ後のような後味。そりゃ飲んじゃうよ…
大将に事前に注文つけていたのは、これだけ。クチコ、カラスミ、フグコ。私は日本酒の最高のアテはクチコと思う。海の幸。
サチという言葉は、サとチに分解出来る。サとは私達が住む人間界と、海という豊穣の世界の「境」。チとは「霊力」という意味だそうだ。クチコを噛んでいると海からもたらされたエナジーが渾々と溢れ出て来る…酔ってるな…
湯葉
ポテサラ
飛露喜
カラスミはダイコンと一緒に食べると楽しい
牛蒡と里芋の素揚げ 酒盗チーズ ヘシコ
フグ アンキモ
金目鯛
鯖
これも凄かった。 一升瓶だが、昨日開封したとのこと。風味は十分残っていた。どっしり甘い重い。しかし後味はスッキリ。もの凄い充実感。
フキノトウ
この辺りから記憶が曖昧
これも記憶がない
牡蠣フライ 辛うじて記憶がある
この辺りから完全に記憶がない…写真がブレてるのに撮り直していない。でも撮影しようとしてる。何という食べログ魂w
この酒を選んだ理由がわからない、多分、オーダーした時はなんらかの判断をしていたと思う。最後だから淡麗辛口、とか。でも、味を全く思い出せない。飲んだことも覚えてない。
これを食べたという記憶がない。けど、絶対にうまいはず。この後、代行を頼んで帰ったのだけど、車に乗った記憶だけある。次に気がついたのは翌朝、自宅のベッドの上だった。
2024/02/26 更新
2023/12 訪問
スペシャル忘年会
毎年恒例の行事です。言葉少なくスペシャルなお酒を楽しむ究極の忘年会。ああ2023年も馬車馬のように働いてきたな、社会に貢献してきたな、無事だったな、…諸々の思いを、しかし言葉にはしないで確認する会です。すると料理は出来るだけ簡素に、だけどとびきり美味しく…あって欲しいわけです。
今年のスペシャルな1本は、鳳凰美田のblack phoenix口当たりが滑らか。品の良い甘さ、しかしするりと喉を通過する…(上手く伝えられたかな)
これの対戦相手はへしこ、ふぐこ、厚岸の牡蠣。
素晴らしい牡蠣だけど、やはり本源的な生臭さはある。そこへ酒。生臭さはオセロのように裏返ってワイルドさ、コクへと変貌します。そしてblackphoenixもまた目を覚まして飛翔します(もう酔ったのかw)
酒と料理、win winの関係のことをマリアージュというのだ…(上手いこと言うなw)
ワインが牡蠣を高めることも、牡蠣がワインを高めることもない(有機酸がぶつかるのではないか、と私の食のバイブル、美味しんぼで説明してました)
それ以外にもたくさん魅力的なお酒がありました。いろいろ試したいので、1合ずつ
秋田白神山地の『ど辛』山形の『裏雅山流』芳醇甘口の『ロ万』『橙海』『日高見だっちゃ』
ああ、今年もあと少しで終わり…年の瀬を感じる会でした。
湯葉 出汁が美味しい!
ポテサラ なぜこれほど旨いのだろう
里芋と牛蒡を揚げたもの わずかな塩味、土の香り。ほのかな甘み。日本酒の深みへの案内役
鳳凰美田のblack phoenix ゴージャスなラベル
滑らか。口当たりも喉越しも。口の中で転がしてもずっと滑らか。でも飲み込むとスッキリ。
自家製イカ塩辛 へしこ ふぐこ
ふぐこ 石川県の郷土料理 猛毒のテトロドトキシンを含むフグの卵巣を塩漬けした後、2年以上粕漬けにしたもの。お味は…わからない!不味くはないけど…不思議な味…
甘さを探してもどこにもない 舌で転がしてみても取り付くしまもない、絶壁のようなお酒。
厚岸産の生牡蠣 レモンを文字通り一滴 自身の塩味だけで。一口で。一回だけ噛みました。うまい…
いろいろな対戦相手が列をなしてやってくる。大葉に包まれているのは白子(多分タラの) ほのかな『海』ほのかな『山』…日本酒のほのかな味わいが明瞭になる。
山形の雅山流 十四代と方向性は似ている(と思う) スッキリ、フルーティ、やや酸味、甘みが立つ。辛口が好きな人はくどいと感じるかも。
空きっ腹すぎと思ったのか、お米を出してくれました。シメサバ、本マグロ、オナガダイ、ローストビーフ
会津の花泉酒造 ロ万(ロマン) 私はこういうダジャレみたいな言葉使いは嫌いなのだけど、甘くてくどいのだけど、旨い。
即席で作ってもらったアテ。『ヒラメの皮のせんべい』ごくわずか、気が付かないくらいにカレー粉が。塩味もごくわずか。香ばしくパリパリしゃくしゃく、後味も良い。
橙海 99 飲んだことは覚えているけど、味が思い出せないw
ローストビーフをチーズの上に
超辛口 やはり味が思い出せない。 辛口だっだのは覚えている
反射して肝心なところが見えねー 飛露喜…もあります
2023/12/06 更新
2023/08 訪問
スペシャル納涼会
夏の終わりにおじさん3人で。今日のコンセプトは『うまい日本酒が飲みたい』です。大将にそう言って、全てをお任せしました。私もこの店と出会って10年たち、何回かお世話になっているので、私の好みは分かってくれてるようです。毎回、感動というか感心します。日本酒の奥深さに、和食の奥深さに。
ロケーションは国道6号と平行した県道272号から少し入ったところにあります。小野川が作るグリーンベルトに面していて、ここだけぽっかりと自然を感じる空間になっています。
店の奥に2つある個室…6人がゆったりと座れる落ち着いた空間。年初にはなかった壁掛けテレビがあります。
グラス生で乾杯。美味しい。いいタンクだな。最初は湯葉です。10年変わらぬ先頭バッター。これは『うちの出汁はこんなに美味しいんですよ』という触れ込みなのです。蕎麦屋さんの板わさと同じ。あれもカマボコを味わうのではなく、ウチはいいワサビ使ってますという触れ込みなのです。(個人の感想です) そして次がやはり変わらぬ『サラダ』ただ、コレは格段に美味くなってる。もともと美味しかったけど、唸るうまさになっている。
そしてここからが本番。へしこ、ばちこ、カラスミ…日本酒と何百年と渡り合ってたどり着いた究極のアテたち…和食を、そして日本酒を、心血注いで作り上げてきた先人たちに感謝です。なんて素晴らしいマリアージュなのだろう。日本人ってなんてステキな民族なんでしょ!
小野川が作る緑の世界
湯葉。これは、出汁を味わう。これから出す料理のクオリティを客にそっと教えてくれるという意味がある。
おまかせなのだけど、選んでもいいよ、って。かぶらないようにコース変更してくれるって。金目鯛と本マグロとマツタケは食べたいと伝えたら下の写真のように。
新政 エクリュ 口に含んだ瞬間、シェリー酒の樽で寝かせたとわかる。初めは『えっ?』『新政ともあろうお方が』と思ったけど…呑んでいくと全く感じなくなる!さすが。
ポテトサラダ うまい… うまいよう…
枝豆 生ハム 酒盗チーズ 会話がまだ弾んでいる段階、まだ酔ってない段階。口に含んで、楽しい…
フォアグラ 明太子 カラスミ フォアグラとビスケットと日本酒だとぉ?うまいわ… この明太子がめちゃくちゃ美味しい。でもやっぱり右端のお方、カラスミ様は別格です
珍味スペシャル
タコワサ 梅水晶 ホタルイカ沖漬け
ホヤこのわた バチコ和え ふぐのこ へしこ フグのこは初めて。調べたら、フグの卵巣!!を3年塩漬けすると、何故かテトロドトキシンが分解されるのだとか。
厚岸の牡蠣 初めは何もつけないでひとかじり。次にすかさず特製ポン酢と一緒にごっくん。直接喉に持ってっちゃう 海だ…
本マグロ 期待に応える
寒菊 説明不要レベルでした。 理想の日本酒を思い浮かべて、その少し斜め上をいく。
焼きマツタケ これはまだ早いな。
突然フライが!突然の闖入者だけど、コレは良いアクセント
牛すじ煮込み。いしざきが作るとこうなる。とろける柔らかさ、完璧な醤油加減、シャープな、しかしまろやかな。
渡舟 スパークリング 茨城県に古くからある好適米、渡舟を、平成の世に復活させた奇跡の酒。素晴らしい味わい、そしてスパークリングにして気品を失わない。
ウニイクラ ご飯ものも少し出します、と言ったらコレ。
お新香 にくい
金目鯛 うまい
タコ うまい
味噌汁 しみじみ美味しい
スイカ 水羊羹
2023/09/02 更新
久しぶりの訪問。建国記念日、親しい友人と二人で、今日はとことん『うまい和食とうまい酒』を味わおう、
と訪問しました。
いつもこのお店では、『しびれるような酒体験をしたい』という無茶振りをします。そして毎回、その要望は高い水準で満たされる。今回も結論から言うと最高レベルに満たされました…。
まずはお酒。『異端新正株式会社』というお酒を飲みました。知る人ぞ知る凄いヤツ。作られたのは2021年。すでに3年以上経っていますが、付属の説明書には『飲み頃は4℃で2027年、0℃で2030年』とあります。(後から知りました。しまった。早すぎた。)でもしかし。
まず香りは普通の日本酒です。しかし口に含んだ瞬間は白ワイン(ドイツワインのシュペートレーゼを思い出しました)です。何とも美味しい!爽やかな酸味とわずかな甘み。しかししかし、飲み込むと『新政』の余韻です!(ワインの余韻より静か穏やか)笑ってしまう。何度繰り返してもこうなる。楽しい〜
これだけ凄い酒なので対戦相手(肴)は大変です。
そこを応えるのが名店、ということになります。こちらも素晴らしかった。
まずは『常陸牛のローストビーフのサラダ』いつもの『ひっくりかえるほどうまいポテサラ』に完璧に火の通りのギューが乗ってます。これでローストビーフ丼食べてぇ。
次に、お造り。鯛にオボロ昆布、アイナメに刻み昆布。
なぜ刺身に昆布なのか。最近、刺身醤油に味の素入れると味が『わかる』ようになる、と聞いたことがあります。これを人工的ではなく自然に行うと昆布ということなのか。実際…めちゃくちゃ幸せ…です。後からグワーンと。しかも後味も良い。
次に『珍味』。酒のアテとして、私の好物は『クチコ』『カラスミ』『ヘシコ』なのですが、全て出てきました。ほんの少しかじって、口の中で噛みしめると…海を感じます。そこへ日本酒、味が昇華され『完璧に』決まります、整います。多分脳波とったらアルファ波が出まくってます。これをマリアージュといわずして何と言うか。
白子の天ぷら。大葉で包んで揚げてあります。似たようなものを今まで食べて来ましたが、コレは絶品です。ごっくんした瞬間、『日本人に生まれて…』
アイナメの潮汁。水分が欲しいタイミングでこれ。体に沁みてゆく…37兆の細胞が喜んでいる…。酒にも合う〜…。
煮付け。今日は良いアイナメが入ったと。確かに私の理想とする味の斜め上を行きます。根魚のワイルドさ、しかし鯛やヒラメのような上品さ奥深さ。舌の奥で響くうまさを味わう。このタレでご飯が無限に食べられる。
お寿司。鮪と生しらす。このスプーンサイズが楽しい〜。酒と肴でずっと来たところに米の飯の味わい。なるほど、締めるとはこういうことなのか。幸せな締め方はお鮨なのだ。
締めの、鴨の炊き込みご飯。コレは絶品。
このお店には10年以上来てますが、初めて。いつも締めのご飯は楽しみですが、これが一番かも(鴨だけに)
ワイルドさと上品さ奥深さ…アレ?アイナメのところでも同じこと言っている。『まさに海の鴨や〜』(彦摩呂)失礼しました。やはり猪→豚、鴨→鶏といったように野生→家畜化は『効率は良いが大事なものが失われている』のでしょう。これが鳥飯だったら(それでも十分美味しいけど)この感動はもっと『よくある』レベルになっていたことでしょう。
このお店は茨城県の宝です。
蛇足
上の料金は『新政』を抜いた金額になっています。
その方がいつもの金額に近くなるので。