2回
2024/02 訪問
「食という字は、人を良くする。人が良くなる。と読み書きする。@ 馳走啐啄一十(ちそうそったくいと)」
"水と出汁が奏でる二刀流の極み"
ようやく行けました。
私が去年行った「和牛labK」オーナーの父が営む和食の名店であります。
まずエントランスのショーケースに吊るされた昆布から強烈なオーラが発せられています。
良いですね-(^^)
JAZZが流れる店内は、カウンター9席と個室1から成ります。
【馳走啐啄一十*本日のお任せコース内容】
◉朝堀りの筍(鹿児島・阿久根)。
鰹(筋肉質な部分のみ)と羅臼昆布のみで味付けなし。竹原の湧き水(硬度20度)で蒸しただけ。
お皿に取り分ける段階で一気にカウンター全体に広がる風味で空気が一変しました。初っ端から衝撃的です。。。凄いなぁ。
◉天然のフグ(山口・上関(2.5kg))の白子。
良い意味で、上質なモッツァレラチーズと錯覚するかのような、フグらしくない食感から意外性を感じる、まさにピン物の味わい。優しい旨味が最高。
◉下関・本ミル貝。
土佐酢か地中海の塩、本山葵(静岡・伊豆)を好みで。まろやかな甘みをヒシヒシと感じる。塩は常時10種ほどを使うのが啐啄一十。
※瀬戸内の塩はまんげつとしんげつで全く違うとも。
◉お椀。
駿河湾のエボ鯛に利尻昆布(7年熟成)、マグロの削り節を合わせて。これまた究極的に澄んだ出汁が鮮烈すぎて悶絶級。
◉お作り。
江田島のおこぜ(2日寝かせ)と鯛(周防大島・5日寝かせ)に34年継ぎ足しのポン酢と醤油で。
ここで登場した魔性の切り札的、34年ポン酢の破壊力が強烈無比。これで水炊きを作ったら、どれだけ美味しいだろう?なんて福岡視点での他愛もない妄想まで働いてしまいましたwww
◉アオリイカ(3kgを8日寝かせ)。
カリスマなサスエ前田(静岡)の物。こちらも繊細な切り付けからは、粘性までを考慮されてるはずで、上品な甘味などが、一流の名店鮨屋のように素晴らしい。
◉宮島(大野)鰆。
ルアー釣り。大将お気に入りの岩国産に負けない質との事。僅かな醤油だけで充分すぎる旨味がダイレクトに感じられる。と言うより炸裂級な味わい。
◉長崎(出口さん)のブリ(7日寝かせ)。
脂の旨味から絶品。これも名店鮨屋を思わせるレベルですね。山葵たっぷりに塩か醤油を微かに合わせて。
◉おじや。
ここまでに出された出汁で作ったおじや。途中から34年継ぎ足しポン酢を合えると味変で、全く別物かのような劇的ビフォーアフター状態に。ポン酢の魔性っぷりに再び驚愕。
◉下関・黒むつ。
黒むつの下に敷いた物は、ノドグロの出汁で炒めたキャベツなんですが、黒むつから出る脂と合うと何とも言えない濃厚な味わいへと徐々に変貌。醤油のパウダーもアクセントにバッチリ。
◉高森和牛の出汁しゃぶ仕立て。
出汁は4種の削り節(いりこ・鰹 ・鯖・アゴ)を硬度8の安佐南の軟水(湧き水)で。70度くらいがベストな火入れとの事。結果、これまた何とも奥深き複雑無比ながら、それに負けない牛肉も実に力強い味わいが感じられ、今は以前使っていた榊山牛を使わない(変えた)理由も腑に落ちました。
◉出汁ごはん(牡蠣入り)。
玉子とじで、雲丹(北海道・根室)と合えても渾然一体かのようにバッチリ。AKAIで食べた同じ江田島産で、AKAIは生、啐啄一十は火入れです。
◉お茶。
1煎目、2煎目と煎茶で。
◉小豆と求肥のタルト。
最後の締めまで、非常に手の混んだ味わいが感じられます。ここまでの料理の余韻を消さない、あくまでエッセンス的な甘さ加減からが好印象。
全13品。約2時間。
いやはや恐れ入りました。。。
想像以上でした。
和食ボンヤリ層の私にでもわかる凄さが、啐啄一十にはあります。
簡単に言えば、全ての料理に湧水を採水地や硬度により使い分け、出汁を繊細かつ飛躍的に美味くし、一級素材を更に格上げし超一級にするようなイメージです。
余談ですが、、、
広島の食べログランキングで1位が馳走 啐啄一十(4.51)。2位がAKAI(4.36)なんですが、今回続け様に2店行って、料理や素材に対しても当然、思想や価値観の違う異質な2店オーナーによるお店自体や料理の醍醐味を知れました。
AKAIシェフは食材は地産地消を掲げ、都心部から離れたエリアで人を呼びたいと(目指してほしい)いうスタンス。
で、あまり自ら接客や会話をしない寡黙系な引きの距離感。BGMのない無音の店内で調理の音がかえって"THE 職人"というイメージを感じさせたりします。
馳走啐啄一十の平野店主は、水こそ地物にこだわりながらも、食材は地産地消だけにこだわらず、その時々で一級物を北海道から九州まで、厳選し徹底して集めるスタンス。
見た目は、いわゆる強固な"THE 職人"的なイメージですが、そんな壮絶な舞台裏を感じさせない表情で率先して話しかけてくださいますし、こちらからも話しやすい雰囲気の気さくさがあったりします。敷居の高さを感じさせず、JAZZが流れる店内も相成り、心底楽しめます。
改めて料理って、一流になればなるほど、店主の哲学、思想、価値観が色濃く繊細に皿に描かれる物、すなわち"人の味"だとも痛切に感じました。
「啐啄一十」は、賞賛に値する体験と素晴らしさでした。
またぜひ伺わせていただきます。
ご馳走様でした-
◾️追記:
平野店主の脇を固める、女性唎酒師兼マネージャーの木村さんがこれまたホスピタリティ溢れる素晴らしい方です。またお会い出来る日を楽しみにしています(^^)
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2024/02/18 更新
"毎年恒例の馳走 啐啄一十詣"
今回の広島ステイ、ラストを飾るのはやはり….…「馳走啐啄一十」です。
近年、馳走から独立した子息さん「和牛labK」が食べログbronzメダル、そしてお弟子さんの「西健一」が食べログGOLDと目覚ましい活躍をみせており、"馳走・平野一門"を形成しつつあります。
たまたま、同じ週にお弟子さんである〜静岡の「馳走 西 健一」へ行ってきたばかりで、今回は尚更楽しみです(^^)
【お店の雰囲気など】
Lの字型カウンター10席の上質な和空間の店内は、平野大将との距離感も近く、ダイレクトにLIVE感を感じながら会話も楽しめる高めの温度感です(^^)
【馳走啐啄一十*今回の注文内容】
◉朝堀りの筍(熊本)。◎
のっけから出汁の風味が店内を包むかのように炸裂(^^)。今一番の出来色の筍だけに流石な自然の甘みまで。
◉フグの白子(山口・上関の3kg天然物)。◎
シンプルに蒸しただけに餡掛け。日本最古と言われる天然岩海苔を下に敷いてます。これもまた良い。
◉本ミル貝(下関)。○
本ミル貝はなかなか取れないながらも、質もさる事ながらサイズ感も良し。
◉本ミル貝の焼き肝。◎
◉白甘鯛。◎
水と昆布と削り節をここでも全て変えてきました。ガラッと印象が変わります。
◉平目(山口(周防大島))2日寝かし。◎
伝家の宝刀的〜"35年継ぎ足しポン酢"で。えんがわと。奥深しい旨味が炸裂。
◉金目鯛(サスエ前田)。5日寝かし。○
◉アオリイカ。1週間寝かし。◎
◉よこあマグロ。6日間寝かし。◎
◉大根(お口直し)。○
◉鰆(広島・江田島沖)。25度で火入れ。◎
◉おじや(平目の出汁でとった)。◎
最高❗️おかわりサービス有り。
◉焼き白子のレタス敷き(自家製カラスミで)。◎
◉沼本牛・32ヶ月のしゃぶしゃぶ。◎
◉鰆と若ゴボウとふきのとうのご飯。○
◉炭火焼きの胡麻豆腐(温製)。○
全16品。約2時間30分。
【料理の感想など】
まぁ、相変わらず素晴らしい。
根源根底となる〜水、出汁、昆布の奥深さ、奥ゆかしさがヒシヒシと伝わってきます。。。
全国津々浦々、目利きし仕入れるピン素材の数々。
このクオリティと内容をもってしても平野大将の押し付けがましさも皆無で、実に楽しく心地よく食事が出来ます(^^)
来店したゲストでも、平野大将の事を"平野先生"と呼ぶ方が多いのも納得できます。
本当、いつも思いますが、まさに広島の食遺産的、名店であります。
【サービスなど】
平野大将の右腕のような存在の、女性 利き酒師の木村さんもいつも弾けるような笑顔を絶やさず、文句なし(^^)。サービス業の鏡のような女性です。英語もペラで外国の方にも難なく対応できます。
【他】
やはり名店だけに、来ているゲストも当然あちこち食べ歩いてる方ばかりでして……隣りの方は、馳走啐啄 一十の後のディナーは、同じ広島で高い評価を得ている「永山」に行くと行っていましたし、別の方は明日に愛媛「くるまずし」に行くと言われていました。
特に最近は、くるまずしと馳走啐啄一十を、広島と愛媛でハシゴする方が非常に多いとの事です。
納得です(^^)
また年内に一度は伺いたいですねー
ご馳走様でした。
【(改訂)2025年からの私的評価ポイント】
(1)近年の食べログの傾向により?本音で書きづらくなっていますので、2025年度から料理や全体を"良し悪し"ではなく、料理別に"好み"で、やや曖昧にw、3段階評価で表記させていただきます。
◎ かなり好み
○ 好みor好みに近い
△ 価格相応or好みではない
(2)総合点に関しましては2025年から以下のように改訂させていただきます。
3.0ー3.4は、私の好みからは逸脱気味。
3.5ー3.9は、良店につきリピート可能性あり。
4.0ー4.4は、満足度高くてリピート確実。
4.5ー5.0は、年4回以上リピート訪問したい。
※評価ポイントらは今後変わる可能性があります。
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