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夜の点数:3.8
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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料理・味 3.8
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|サービス 3.5
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|雰囲気 3.8
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|CP 3.5
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|酒・ドリンク 3.8
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[ 料理・味3.8
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| サービス3.5
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| 雰囲気3.8
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| CP3.5
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| 酒・ドリンク3.8 ]
色々なことが錯綜するこの場所で
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2024/08/28 更新
すっかり生活しづらくなったこの社会で、
気休め程度の一服を求めて辿り着くのが、
ここ池袋、炭火焼珈琲蔵である。
店内は、みんな大好き薄暗がりの空間。
イオン水で12時間以上かけて淹れる珈琲のサイフォンが所々に聳え立ち、何処かラボラトリーチックな雰囲気を醸し出す。
この蔵には、分煙なんて小賢しい真似はせずに、全席でスパスパ言わせる客しか居ない。
そのため、店内はタバコの靄がかかっている。
ここならその靄で自分の身も隠しておけるし、危険でいっぱいの社会から安寧の喫茶に身をおける、そんな気がする。
初めてだったから、ブレンドとレアチーズケーキを注文した。
二名席に通されて、隣席の人達に気を使いながら静かに着席をした、その時またいつもながら隣の会話が聞こえてきたのである。
「もっと早く気づけばよかった」
「私...騙されてたんだ」
「言いたくないけどあの人たちグルだったのかも」
交わされる会話は、若干の胸糞感のあるドラマや映画のような内容だった。
可哀想に思っていたら、当の本人が耐えきれなくなってしくしく泣き出していた。
余っ程の事だったのだろう。
その本人が今後、いずれの道に進むのか少し思いを馳せる。
大体は片方の道に進めるが、もう片方の道に進んでしまう話も聞かない訳では無い。
どちらだろう。
どうやらその本人は、自分への加害者に腹癒せとなるような行動をとることも望んでいるらしい。
何をしたいのかと会話を聞いていると、
ひ弱で囁くような消失間近の声で、
「シカトしてやるシカトしてやるシカトしてやる」
その程度でお前の気は済むのか、思わずそう突っ込みたくもなったが心の内に留めておいた。
あまり見ず知らずの他人をとやかく言うのは如何かなとは思うが、恋仲になる人を選んだ理由は顔が良かったから、というセリフなどを聞いていると、
やることなすこと大変浅はかに感じる他なかった。
結局のところクズ人間を見分けられなかった自分、もしやとは思ったが、その時絶頂に至り幸福に満ちたいと願うまま乱され満たされた自分の不徳の致ったところなのではないか。
この手の思考内容は誰しもが想定でき、小説や歌詞などでの既視感があるように思う。
これまで書いてきた隣話は、自分はその主人公にはならないだろうと他人事に捉える人が多いかもしれない。
私もその1人だが、あまり他人事のように接してはならない話なのかもしれない。
いい人を日々演じているかもしれないその人、それでいて密接になりたいと乞うその人、最近仲良いその人、最近身近に居るその人は、果たして今回の話の主人公を不幸に陥れた者なのか。
日々、選球眼ならぬ選人眼を養生していきたい、こう感じた、あの晩の蔵であった。