Ua.さんが投稿した鮨ト酒肴 富かわ（東京/吉祥寺）の口コミ詳細

吉祥寺駅すぐ、大通りを一本入った路地にある落ち着いた雰囲気のお店です。
駅前とは打って変わって静かなところにあるので、知らないとなかなか入れないかも
という穴場感。

食べログの居酒屋（EAST)百名店2025年に選ばれたお店なだけあって、
月曜の夜にも関わらず店内は満席。
次々にお客さんがいらしていました。
予約をしてからの来店がおすすめです。

百名店でこだわりのお酒に鮨、天ぷらと
贅沢な時間が過ごせるお店にも関わらず、
どこか感じるアットホーム感。
ちょっと緊張しながら入店しましたが、明るい店内に響く声、笑顔のスタッフの方々が迎えてくださったためその緊張感は解れました。
高級鮨店には珍しくカウンター席と同じくらいテーブル席が充実。
グループでの食事には最適なだけあって、
客層も幅広く感じました。

今回いただいたのは全25品からなる
「おまかせ 鮨ト天ぷらコース」。
ラインナップはこちらです。
↓
⭐︎食前酒
永平寺 KEG DRAFT

⭐︎御挨拶
・六日間熟成マグロ 中トロ
・ネギトロと山牛蒡の中巻き

⭐︎前菜
・茶碗蒸し　茸餡　サーモン
・寒鰤藁焼き　薬味醤油
・鱈白子　自家製ポン酢

⭐︎天ぷら
・和牛サーロイン紫蘇巻き
・野辺地蕪　三十六ヵ月熟成国産ハム
・茨城県産　紅はるか　シナモン
・愛知県産　銀杏　パルミジャーノレッジャーノ
・二見椎茸　原木椎茸　海老真丈
・松笠赤甘鯛

⭐︎握り三種
・炙り鯖棒鮨し
・天然平目　昆布〆
・熟成マグロ　赤身
・若桃甘露煮　搾菜浅漬け

⭐︎逸品
マグロッシーニ

⭐︎御食事
・イクラの小丼/ 稲荷巻き
・熟成マグロ　中トロ
・鰆　瞬間燻製
・太刀魚　炙り
・天然真鯛　唐墨
・貝出汁椀　浅利　水菜

⭐︎甘味
・柚子とホワイトチョコのセミフレッド
・酒粕バスクチーズケーキ

拙いながらにそれぞれの感想を。

♢ 永平寺 KEG DRAFT
劣化しやすい日本酒を最後の一滴まで美味しいまま飲めるように工夫された
KEG DRAFT で「永平寺白龍」というお酒をいただきました。
鼻と口いっぱいにキリッとした香りが広がりかなりスッキリした印象。
後味がさっぱりしていたのでまさに食前酒にぴったりでした。なんとこちらの食前酒は数十種類の中から好きな切子グラスを選びそれに入れていただけます。
どれも美しい柄ですがそれぞれに個性があって迷ってしまいました笑
気に入った素敵なグラスでお酒がいただけるのは素敵なサービスだなと感じました。

♢ 六日間熟成マグロ 中トロ、ネギトロと山牛蒡の中巻き

ご挨拶はなんと木箱に入っての提供でした。六日間熟成マグロは熟成されていることでよりマグロの旨みと甘みが凝縮。筋感を全く感じさせない滑らかな舌触りでまさにとろけるマグロでした。そしてもはや噛まなくても勝手に香りと旨みが広がっておりスタートからかなりの満足感。
そしてネギトロ。山牛蒡が入っていることによりシャキシャキっとした食感とネギトロの柔らかくふわっとした食感のコントラストが面白い逸品。ネギトロは脂加減がちょうど良く、脂っぽさは全くないのにしっかり濃厚で滑らかなお味でした。
そして付け合わせのガリ。ガリが大好きな私にはたまらないスライスではなく大ぶりカットのガリでした。スライスのものより生姜の旨みを存分に味わえる上に食感がよくこれだけでシャリが進む美味しさでした､､､！

♢ 茶碗蒸し　茸餡　サーモン
　寒鰤藁焼き　薬味醤油
　鱈白子　自家製ポン酢

アツアツの茶碗蒸しはポルチーニ茸のとろみのある濃厚な餡がたっぷりかけられていました。そして茶碗蒸しの具材はサーモン。まず餡ですが、香り高いポルチーニの味わいがこれでもかと鼻と口に押し寄せる感じ。ただ卵の優しい味わいを邪魔することはなく、包み込む感じです。こんなに個性が強いのにここまで他の食材とマッチさせているのがさすがです。
サーモンは程よい脂乗りで卵にたっぷりその旨みが染み込んでいました。
ほろっとしたサーモンととろとろの卵それを包み込むポルチーニ餡の相性が抜群でした。
寒鰤の藁焼きは想像していたより藁の香りが寒鰤を包み込んでいました。
口に運ぶとその香りが広がり、その香りが淡白になりがちな寒鰤の味をグッと引き出
していました。そしてピリ辛に仕上げられた食感のいい薬味醤油が全体を引き締めており、クセになる味わいに。
鱈白子は当たり前に生臭さは一切なく、
プリッとした食感もなめらかな食感も両方味わえる新鮮なお味。自家製のポン酢が白子と相性抜群で、白子本来の味を邪魔することなく、まず初めにポン酢の爽やかな味と香りが口に広がった後、後味はしっかり白子と味わいが楽しめました。

♢天ぷら
こちらは一品一品丁寧に揚げられ、アツアツの1番美味しい状態でゆっくりといただけました。

和牛サーロイン紫蘇巻き
厚切りにカットされたサーロインが紫蘇で巻かれたこちらはサーロインのとろけるような甘みと旨みを紫蘇が包み込んでいて仕上がりはさっぱり。噛めば噛むほどサーロインの旨みが広がりどんどん紫蘇と馴染んでくる感じでした。

野辺地蕪　三十六ヵ月熟成国産ハム
蕪の天ぷらは初めてで、さらにこんなに長期間熟成されたハムも初めてでした。
蕪は食感が楽しめる一口サイズ（それでも大ぶりカット）で、揚げられているので
よりシャキシャキとした食感でした。
シンプルな味付けなのにちゃんと甘みが感じられました。
そして熟成ハムですが、想像していたよりそこまで塩味は強くなく、スライスですが、少し歯応えのある食感。口に入れた瞬間はそこまで感じませんでしたが、噛めば噛むほどどんどん味が濃くなり、鼻に抜ける香り高さがありました。
そして蕪との相性抜群。
蕪の味付けがシンプルなだけにハムの旨みが際立ち、ハムが濃厚だからこそ蕪のシンプルな甘みが引き立つというまさに相乗効果。

茨城県産　紅はるか　シナモン
天ぷらの中で1番好きと言っても過言ではないさつまいもの天ぷら。
これまでスライスのものは何度か食べてきましたが、ごろっとした一口サイズ上の天ぷらは初めて。
天ぷらにすることでよりさつまいも本来の甘みが際立ち、この時期さつまいもは新芋で硬さや繊維感があるはずなのにそちらも一切感じられない柔らかさでした。
そして２つあるうちひとつはシナモンがかけられ、１つは塩でいただくという2種類の食べ方でいただきました。
シナモンはまるでスイートポテトのようなスイーツ感覚に、塩はよりさつまいもの甘さを感じられる濃厚に味わいになっていました。

愛知県産　銀杏　パルミジャーノレッジャーノ
銀杏とパルミジャーノレッジャーノといういわばクセ強コンビ。
あまり相性の良さと味の想像がついていませんでしたが、食べて納得。
そこまで銀杏特有の香りがガツンとというわけではなく、ふわっと香る程度に感じられ、それよりも噛んだ時に広がる銀杏の奥深い味が強く、まろやかさが強いように思いました。そしてパルジャーノレッジャーノは鼻を抜ける香りに口の中で溶けていきつつも、しっかりとその味わいが広がっていき、銀杏を包み込んでいました。
銀杏が苦手という方でも挑戦しやすい逸品でした。

二見椎茸　原木椎茸　海老真丈
分厚くカットされ、香りも味も濃厚な原木椎茸はかなり食べ応えがありました。
肉厚なのでかなり密度の濃い椎茸の味わいとまるでお肉のようなプリっとした食感。
海老真丈はすり身なのにほぼ海老そのままというくらいに海老。ふわふわっとした食感と椎茸のプリッとした食感が相性よく、そのコントラストがたまりませんでした､､､！

松笠赤甘鯛
ウロコがついたまま揚げられているのでもはや天ぷらとは思えないサクサク食感！
外側のサクサク食感に反して身は柔らかくホロホロ食感。淡白なお味を想像していましたがしっかりと鯛本来の旨みが詰まって油に逃げていませんでした。
味のコントラストはさることながら、塩で食べるかてんつゆで食べるかによってまたその味わいが変化してより深く味わうことができました。

♢炙り鯖棒鮨し
　天然平目　昆布〆
　熟成マグロ　赤身
　若桃甘露煮　搾菜浅漬け→つけあわせ

天ぷらのお次は三種の握り鮨。
炙り鯖は全く臭みを感じず、光り物があまり得意ではない私も苦手意識なくいただくことができました。そして口に運ぶだけで食欲が増す炙りのいい香り！中に大葉が敷かれているのでさっぱりといただけました。平目は昆布〆されているので淡白なお味になることなく、さっぱりとした味わいに。平目本来の旨みを消すことなく、昆布の旨みがちょうどよく合わさっており、かなりうまみの印象が強い逸品でした。
熟成マグロはとにかく味が濃い。
味というのも味付けではなくマグロ本来の旨み。色の濃さからも伝わるようにかなり旨みが凝縮されており、先述の通り味は濃いのに後味はくどくなく、シャリとも相まって思わずもう一貫！となる逸品でした。

つけあわせの２つは初めていただきましたが、どちらもお鮨の美味しさを邪魔することなくちょうどいい感じに口の中をさっぱりとさせてくれました。

♢ マグロッシーニ
メニューをみて思わず？となってしまったこちらはなんと贅沢なネギトロ巻き。
ふわふわ食感のもはやネギトロとは思えないくらいとろけるネギトロの上にはトリュフと金箔。そしてなんとシャリにはフォアグラが混ぜ込まれていました。
ネギトロは筋感が全くなく、脂身と赤身のバランスがちょうどいい味わい。そして食べないとわからないふわふわ感､､､！そしてシャリはかなりフォアグラの味がしっかりと伝わり、全体的にかなーり濃厚な逸品でした。これひとつに高級食材とこだわりが詰まった贅沢な逸品です。

♢ イクラの小丼/ 稲荷巻き
　熟成マグロ　中トロ
　鰆　瞬間燻製
　太刀魚　炙り
　天然真鯛　唐墨
　貝出汁椀　浅利　水菜

食事メニュー最後を飾るのはこんなにも贅沢な五種セット。
写真左から順にイクラ丼はとにかくイクラが濃い。プチっとを超えてもはやブチっとした弾けるようなイクラは食べ応え抜群。その濃厚さは食べても減っている気がしないくらいに濃厚です。
味付けもイクラの旨みを壊さない絶妙な味付け。
そして綺麗なオレンジ色をしたイクラは目でも楽しめました。
稲荷巻きはほんのり甘い稲荷がシャリとの相性が抜群。ただ甘いだけではなくその先を超えた出汁の旨みが感じられ、小さめなのに大満足でした。
熟成マグロ、今度は中トロを。脂の乗り具合がちょうど良く、滑らかな食感に。筋も全く気にならないほどです。そして噛むほどに旨みが感じられるのはもちろん、香りもどんどん広がっていき、最後までマグロを堪能しました。
鰆の瞬間燻製は瞬間？となりましたが、
とにかく燻製の香りが強く鰆を包み込んでいました。しかしただ燻製の香りで鰆の味を誤魔化すのではなく、あくまで鰆の引き立て役。口に運ぶ時ですら燻製の香り高さが伝わりますが、口に入れた瞬間の広がり方はなかなか表現できません、、、
太刀魚の炙りは太刀魚のホロホロっとした身の食感を炙りによって引き締め、香りがプラスされている印象。まだほんのりと温かさが残った太刀魚はより一層旨みが凝縮されており、炙られた部分と身の中心部で食感と香りが変わっているのがおもしろかったです。
真鯛は丁寧に味付け、風味付けされており、あっさりとしたお味の鯛がかなり濃厚なお味へと変化していたように感じました。
お椀は貝出汁。シンプルだからこそ素材の旨みとそれぞれのバランスがとても重要になってきますが、こちらは出汁の濃さが本当にちょうどよく、これまで食べてきたお鮨や天ぷらの味わいを消すことなく、しっかりと全て包み込んでくれる感じ。
温かいお椀はホッと身体を温めてくれました。

♢ 柚子とホワイトチョコのセミフレッド
　酒粕バスクチーズケーキ
食後のデザートはこちらの2種類。セミフレッドはアイスクリームとケーキの中間のようなお味でひんやりしていました。
冷たさでさっぱり感じられますが、中でも柚子の香りと味わいがかなり強く感じられ、よりさっぱりとしたお味に。もちろんしっかりとホワイトチョコの味も感じられますが、それよりも柚子の香りに引き寄せられました。そしてアイスとケーキのいいとこどりなので食感もなめらか。甘さの加減もちょうどよかったです。
バスクチーズケーキは酒粕仕立て。
酒粕は風味付け程度かと想像していましたが、想像よりはるかに香りも味もしっかりしていました。もちろんチーズの味わいを邪魔することなく、なめらかな食感と香りを楽しみました。また大粒の塩が添えられており、つけて食べることによって味がより引き締まり、甘さが際立つ美味しさに。
味変をしながらいただくことでさまざまな角度から楽しむことができました。


こちら豪華なナインナップの大満足コースは一品ずつスタッフの方が説明をしてくださるのでより美味しく味わうことができました。そしてどれも甲乙つけ難いほどに美味しくクオリティが高いものばかりでした。こだわりの食材を使ったお鮨と天ぷらに鮮度のいい美味しいお酒。
ちょっと贅沢をしたい日にも大事な日にもおすすめの素敵なお店です。