2回
2021/06 訪問
ラーメン@大須賀食堂
某休日、今回も能代方面へ出向いた。日程の都合上で行けなかったけど、能代でいちばん最初に行こうと思っていた〈大須賀食堂〉にした。国道7号線を北上し、能代駅やイオン能代店に向かうコースを走ると到着。前回すでに店を発見していたのでウェブ地図の案内なしで行けた。時刻は午前11時過ぎ、開店直後といった時間に入店することができた。
店内は昭和感たっぷりの大衆食堂といった感じで、カウンター席とコの字型のテーブル席、そして奥には座敷席がある。1人なのでカウンター席がいちばんいいのだがちょうど光が後ろから差すのでコの字テーブルに座らせてもらった。1番乗りだったようで他に客はいないから大丈夫かと。メニューは色々あるようだけどラーメン(税込550円)にした。
ちっ、またかよ、という声が聞こえてくるような気がしないでもないが、そんなにガッツリ食べる必要ないからいいんだよ。それになんとか定食とか頼んだら小鉢がたくさん付いてきて色々食べるの面倒くさい(おいおい)し。本当はね、経験上、秋田ではわりとすべてのおかずにしっかり味がついていることが多いの。ここだけの話ね。
秋田(東北)の惣菜って、いかにご飯をおいしく食べられるかってことに重点が置かれているわけで、ご飯に合わせてナンボなんですね。秋田では味噌漬が有名だけど酒のアテには怖くてできない。でもご飯と合わせるとめっちゃうまい。軒先で干した大根を自家製のタクアン(がっこ)にしたのなんて「えっ」と思うほどうまい。質実剛健な文化なわけですな。
だからそもそも、えーご飯とかあんま食べないし、とかぬかしているたわけ(田分け)者のためにある惣菜(定食)じゃないの。しっかり体動かして働く人たちの心の拠り所なんだね(まるで不労所得があるみたいな言い草だな)。観光客にしか見えない格好と言葉で、チャラチャラして食べ物の写真とか撮っているうつけ者のいるべき場所ではないのかもね。
さて料理が来ましたよ。どうぞ、と置かれた瞬間にほんのり漂ってくる鶏ガラスープの匂いにハッとさせられる。叉焼、メンマ、ネギ、ナルト、そして海苔が乗っていますね。スープの色は絶妙で、余計な脂は浮いていない。飲んでみると「えっ」と思うほどおいしい。塩分濃度は推定1.2%以下で甘みが抑えられているのが秋田では珍しく、嬉しくなってくる。
いや、実際のところ最初の味見だけで後は飲まないことが多いスープだけど、このスープは勝手にレンゲが動いてしまうね。塩加減と甘みは申し分なく、只々鶏ガラの旨みが後に尾を引く。麺は中太縮れ麺でゆで加減はバッチリ、これが中太ストレートだったらもう悶絶すること間違いなし。神戸三宮センタープラザ食堂街の〈天賓飯店〉を思い出した。
叉焼はモモ肉でいささか硬めだが味は良い。メンマの塩加減も申し分なく、このラーメンの全てにおいて文句の付けようがない。ラーメン専門店ではなく大衆食堂なのにこのレベルが出てくるなんてあり得ない、ていうか信じられない。しかも税込550円だからもう、ちょっと絶句してしまうほど。いつまでも飲んでいたくなるスープを止めるのが辛くなった。
【付記】
秋田市寺内の〈えのき〉と共に、関西の人に自信を持って勧められるラーメンだと思います。彼ら(自分も含めて)はおいしくても値段が高いと「微妙」と言います。値段が安くても味が今ひとつでも。
2022/02/04 更新
とある休日、能代市にある酒店を目指すのだが、浅内で国道7号線を離れ直進を続けると目的地に着く。その途中に〈大須賀食堂〉があるのでそこで昼食を済ませよう。以前ラーメンを食べてそのおいしさと安さに衝撃を受けたことがある。ということはタンメンもおいしいに決まっている。なぜもっと早くタンメンを味わおうとしなかったのか不思議なくらいだ。
さて料理が来ましたよ。豚肉、キャベツ、モヤシ、ニンジン、ピーマンが使われておりネギのトッピング。塩系のスープはみるからにうまそうで、飲んでみるとやはり間違いがない。カウンター席に座ったけど、地元情報誌からの切り抜きが集められており「自家製鶏ガラスープ」という文言があった。そうか、やはりそうだったんだ、とひとりうなづきながら何度もレンゲを重ねる。
野菜が煮野菜みたいにくったりしてないのがいいね。たっぷり野菜という感じはしないが分量的に不足はなく、むしろこれくらいの分量のほうが軽くサクッと済ませられるので良いくらいだ。どこにでもありそうな具材、これといった特徴がない中太麺だけど、なんかすんごくおいしいタンメンになっているのが不思議だ。スープの塩加減がいいんだね。塩系はこれだけかもしれないがラーメンも良いの。