1回
2021/04 訪問
支那そば@支那そば 伊藤
今回は秋田市民市場の飲食街にある〈支那そば 伊藤〉に来ている。「昔懐かしい中華そば」の宣伝文句通り、何とも澄んだ色のスープに惹かれ、かねてから行ってみたいと思っていた。しかも秋田市民市場内には業務スーパーも併設されており、食料品など買い物をするにも便利である。業務スーパーは秋田市仁井田にもあるけど、少し遠いんですね。
〈支那そば 伊藤〉に着くまで市場を通らないといけないが、今回は市場に用はないので素通りした。たぶん良品が安く売っているわけではないと思う。ちゃんと見たわけではないのでいいかげんなことは言えないが、「秋田市民市場」とはいえ観光客相手も兼ねているわけで、たいしたことない物(ごめん)が、けっこうなお値段で売っていたりする。
店は市場内からでも外からでも入られる仕組みになっており、まず券売機でラーメン券を買う。支那そば(並)が750円、これは秋田のラーメン専門店の標準価格といえるが正直いささか高いと感じる。ラーメンには600円以上出したくない気持ちがあって、できれば500円台でお願いしたいところだが、いったいいつの時代の人間だって話になるよね。
店内は清潔でカウンター席は1人分席を空けて案内してくれ、感染症拡大防止にも努めているのがうれしい。少し暗めの照明にスポットライトが使われているのは首を傾げたくなるけど、お洒落な雰囲気のラーメン屋があっても悪くない。これはデートにも使えるってことで、ラーメン好きのお相手がいれば一緒に楽しむってのもいいでしょうね。
さて料理が来ましたよ。叉焼2枚にメンマ、ナルト、ネギ、海苔、そして丸いのは麩ですね。スープの透明度は驚くほど高く、余計な脂は浮いておらず色もちょうど良い感じ。飲んでみると魚介、おそらく煮干しの出汁がよく効いていておいしい。塩分濃度は比較的低めで推定1.5%くらいか。秋田にしては珍しく甘さも控えめになっているのが嬉しい。
麺は縮れ細麺で色は白っぽく、優しいスープによく合っているように思える。叉焼やメンマの味付けも控えめで、秋田にわりとある全てのパーツが甘くてしょっぱい「おかずラーメン」とはまるで反対のようだ。麺とスープ、どちらもよく出来ている店は非常に少ないが、この店は評判になるだけあってどちらもよく出来ていると思う。
魚介系ラーメンといえば魚粉をそのまま入れただけ、みたいなのもあるようだけど、そんなのとは次元が違う味わいで、煮干し出汁のスープが好きな人ならきっと好きになるでしょうね。これで600円未満だったらもう、確実に再訪になるんじゃないかな。セコいとか言わないでもらいたいね、私には私の基準ってもんがあるんだよ。
【付記】
秋田の醤油ラーメンに絶望、とか思っていましたが私の知らないだけで、いい店はやはりあるんだと思いました。
2022/02/06 更新
煮干しの効いた透明スープ、秋田の甘くないラーメン
2022/02/06 更新