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そばがき
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そばがき
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粗挽き蕎麦
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粗挽き蕎麦
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玄挽き蕎麦
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玄挽き蕎麦
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焙煎蕎麦
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焙煎蕎麦
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蕎麦湯
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葛飾柴又といえば、寅さん。彼の生き方を表す“フーテン”という言葉は、社会の枠から外れた人を指すそうです。しかし、決してまっとうとは言えないものの、人間くさくて筋の通ったその姿に、多くの人が惹かれてきたのではないでしょうか。
そんな名作が根付くこの町で、蕎麦の常識からはみ出した一皿を楽しませてくれるお店があります。
そば㐂り 日曜庵＠柴又
こちらのお店が掲げているのは「長期熟成十割蕎麦」。
一般的に、蕎麦は新そばこそが最も美味しいとされており、時間が経つほどに香りや風味が落ちるというのが定説です。
ところがこのお店では、新そばを真空パックで保存し、3年の時を経てから提供しています。眠りから覚めた「熟成蕎麦」は、その常識を軽やかに裏切ってきます。
この日は祝日。開店前の10:30に到着しました。11:00オープンですが、雨が降っていたこともあり、先に店内へ案内していただきました。こうした細やかな心配りは、とても嬉しいものです。
一番乗りでしたが、噂の「なごり雪」は昨日で完売。無念…代わりに蕎麦三昧すべく、お蕎麦をたくさん注文しました。
●そばがき ¥1,480
ぷかりと浮かぶ、ひょうたん島スタイルで登場。瞬間最大風速が強めで、一口目から蕎麦の香り・風味が口の中をびゅーっと吹き荒らしていきます。めちゃ最高！醤油&えごま油も良く、特に醤油が素晴らしい。「はさめず醤油」という自然発酵、熟成させた手造り醤油だそうで、店内で購入することができます。これはマストバイです。
●粗挽き蕎麦 ¥1,450
とっても可愛らしい木箱で登場。香り・風味ともに抜群で、一口目から強い！噛んでいくとさらに甘みが出てきます。食感もよく、コシもあるので、喉越しよりも噛んで食べるキャラクター。水蕎麦は香りが抑えられる一方で、つるりと口の中に入ってくるのが良い。まさに最初にいただくのがベストです。
●玄挽き蕎麦 ¥1,300
粗挽きと打って変わって、かなりの細打ち。食感も柔らかい。風味の初速は遅いが、噛むと味わいが広がっていきます。辛味大根と汁の相性が抜群によく、食欲をそそります。お見事。唯一、短いのが難点でしょうか。
●焙煎蕎麦 ¥1,350
こちらも可愛らしいお弁当箱スタイルで登場。
味わいはかなり特徴的で「な、なんじゃこりゃ〜！！」と驚き。丸抜きを焙煎しているそうで、ほうじ茶のような焙煎の苦味が心地よい風味。かなりの細打ちで、若干水切りが気になりますが、それにしてもこのオリジナリティは素晴らしい。「他店では決して味わえないお蕎麦」とメニューに記載するように、これまで食べたことのない味わいでした。
創業者の西村宏さんはもともとカメラマンだったそうで、奥様が「蕎麦屋をやりたい」といったことからこのお店を作り上げたそうです。お店作りにはそのセンスが活きているようで、内装や食器など、至る所にこだわりと美学が詰め込まれていました。
残念ながら奥様は数年前に他界されたそうで、その時に店を畳もうと思ったらしいのですが、現在は長男が継いでいるそう。西村さん自身も現役でお店に立たれているので、お蕎麦からお店作りまで、その哲学の一部をお伺いすることができました。
西村さんも「うちの蕎麦は邪道」とおっしゃるように、新そば至上主義の業界の中で、熟成蕎麦はかなり異端だと思います。一方で、だからこそオリジナリティがあり、ここでしか食べられない蕎麦ということでわざわざ足を運ぶ価値のあるお店になっているのだと思います。みなさんの人柄も温かく、とても良い時間を過ごさせていただきました。寅さんのように、これからも末長く愛されていって欲しいものです。
味 : 3.9 / 4.0
値段CP : 0.5 / 0.5
雰囲気・接客 : 0.5 / 0.5