3回
2025/08 訪問
若き天才が見せる世界観
先日の蕎麦会のお礼も兼ね、ふたたび石神井公園へと降り立ちました。
蕎麦と酒処 きくち@東京・石神井公園
●バターナッツかぼちゃの寄せ豆腐
普段、蕎麦以外はレビューしないのですが、これは感動もの。最近バターナッツかぼちゃを手に入れたはいいものの、どうしたものかと思って悩んでいましたが、まさかこんな料理に昇華できるとは。甘味があり、スイーツとしてもいただける逸品。できることならポケットに入れて持ち歩きたいです。
●酒肴五種盛り
●粗びきそばがき(ハーフサイズ)
佐賀県北山産。風味が濃ゆく、スピードが早い!口に入れた瞬間に広がりんぐです。
●産地食べ比べ
・1枚目 : 岩手県産にじゆたか
またまた出会いました、にじゆたか。栃木県在来種「葛生在来」と長野県在来種「戸隠在来」の掛け合わせだそうですが、生産地はまだ限られているようです。
相変わらず、蕎麦の温度が神がかっていて、それも相まって風味が出てくるスピードが早い!氷水でキンキンに〆ていてはこうはならない。技術とセンスに脱帽です。
・2枚目: 福井県産丸岡在来(令和6年秋)
さすがは福井在来。香りがかなり強く、王者の風格さえあります。甘みも深く、塩なしでも十分でした。
・おまけ:佐賀県北山産
少しだけなら残ってる、ということでご好意で出していただきました。丸岡と比べるとやや控えめな味わいですが、自然な風味があり、噛んでいくとあとから甘みが出てきました。コシと食感の良さがありました。
●かまあげ
夏真っ盛りですが食べずにはいられない逸品。蕎麦の風味も味わいながら、もっちもちの食感に心が弾みます。温かい辛汁との相性がバツグンで、満腹の隙間を縫ってスルスルと入っていきました。
相変わらず素晴らしい蕎麦を堪能させていただきました。店主の菊池さんはまだ若いのに、その技術とセンスには感服です。早熟の天才っぷりとその風貌から、徐々にシンガーソングライターの崎山蒼志氏に見えてきました。素晴らし蕎麦の世界観を今後も楽しみにしています。
味 : 4.0 / 4.0
値段CP : 0.5 / 0.5
雰囲気・接客 : 0.5 / 0.5
バターナッツかぼちゃの寄せ豆腐
酒肴五種盛り
粗びきそばがき(ハーフサイズ)
産地食べ比べ:岩手県産にじゆたか
産地食べ比べ:岩手県産にじゆたか
産地食べ比べ:福井県産丸岡在来(令和6年秋)
産地食べ比べ:福井県産丸岡在来(令和6年秋)
産地食べ比べ:福井県産丸岡在来(令和6年秋)
産地食べ比べ:佐賀県北山産
産地食べ比べ:佐賀県北山産
産地食べ比べ:佐賀県北山産
かまあげ
外観
2025/08/15 更新
2025/06 訪問
名店の跡地に現れた、次なる名店
街を歩いていると、やたらと店の入れ替わりが激しい場所に出くわすことがあります。立地のせいなのか、単にタイミングなのか、なかなか根づかない土地があります。
一方で、店が変われども人気が続く、不思議な“宿命”を持った場所もあります。そんな名店続きの場所にお店を構えるのがこちら。
蕎麦と酒処 きくち@東京・石神井公園
かつてこの場所には、いま巣鴨に店舗を構える「菊谷」があり、その後は現在原宿で竹ノ下蕎麦を構える「野饗」があったところだそう。このお店のご主人もかつて野饗で働かれていたということで、そのDNAやエッセンスは引き継がれているようです。
この日は休日の夜、19時に訪問。予約してお伺いしたため待ち時間などなくそのまま入れました。カウンターには常連さんらしき方が気持ち良さそうにお酒を嗜んでいました。
●おまかせ小鉢三種 ¥850
しらすの香味和え / かぶのつめたいひとくちスープ / モロッコいんげん
●焼きしいたけ香茸塩がけ ¥580
●漬けマグロ
●粗びきそばがき(ハーフサイズ) ¥750
千葉県成田産。かなり柔らかめで、もっちりしています。香りはとても強く、風味もなかなかのもの。薬味は追加しないと醤油のみですが、醤油自体の味わいが深く、それだけで十分でした。
●産地別食べくらべ(小) ¥1,480
一枚目:長崎五島在来
「五島在来です」という一言にテンションが爆上がり。口に運んだ瞬間「これを待ってたんだよ!」とこぼしてしまうほど、口福感にうっとり。
かなりの細打ちですがとても技術が高く、香り・風味・食感のトライアングルが完璧すぎる…!上品さと野趣さを兼ね備えている、とても素晴らしいお蕎麦です。
二枚目:佐賀北山在来
こちらは初めていただく玄蕎麦でした。同じ北九州ということもあり、香りはやや五島と似ている印象を受けました。風味は五島よりもさらに濃く、やや癖のある感じ。こちらも非常にクオリティの高いお蕎麦でした。
●定番のおまかせ ¥1,660
一枚目:長崎五島在来
こちらは同じくのため割愛
二枚目:かまあげ・佐賀北山在来
食べくらべの二枚目をかまあげに仕上げた一品。かまあげにすることで食感はもっちもちに。このかまあげは「野饗」からの伝統でしょうか。香りも芳醇で素晴らしい!
若くして暖簾を掲げた店主は、確かな腕とまっすぐな志をもって、蕎麦と向き合っているように感じました。また一つ、通いたくなるお店が増えました。
味 : 4.0 / 4.0
値段CP : 0.5 / 0.5
雰囲気・接客 : 0.5/ 0.5
2025/06/30 更新
若き天才きくちさんが蕎麦会をやるとのことで、すぐさま予約。
蕎麦と酒処 きくち@石神井公園
この日は酒肴盛りとそばがきに加えて、なんと6種類の産地別のお蕎麦が出るとのこと。手挽き&蕎麦打ちを考えるとめちゃ大変そうですが、蕎麦マニアとしてこんなにありがたいことはありません。
● 酒肴盛り
●そばがき 佐賀唐津在来
粗さもありつつ、ねっとりとした食感がGood!穀物感もあり、しっかりとした深い味わい。醤油もいいけどなくても十分!
●1枚目 : 岩手 にじゆたか
唯一の改良種で、香り・風味ともにやわらかい味わい。開幕を告げる一皿で、期待に胸を膨らませてくれます。
●2枚目 : 福島 喜多方在来
個人的にはあまり出会わない在来。一口目からグッと甘みが来るスピードスター。そういえばこの時間は世界陸上が開催されていました。関係ないですが。
●3枚目 : 富山 八尾在来
一口目はフレッシュがあり、しかし噛んでいると甘みが出る。味の変化を感じる一枚です。
●4枚目 : 京都 筒川在来
緑が強くなり、フレッシュがさらにアップ!香り・風味ともに強く、甘みが心地よい。個人的にはこれがイチバン好みでした。
ちなみに玄蕎麦の入手元は1〜3枚目と、4〜6枚目で違うそう。たしかにここから少しキャラクターが変わった感じがありました。
●5枚目 : 長崎 五島列島
香りは強いですが、風味は自然な甘さ。上品さと野趣を兼ね備えた印象。間違えて甘皮を入れてしまった、とのことですが食感も好みです。
●6枚目 : 福井 大野在来
さすがの大野在来。「私が大野在来です!!」と言わんばかりの主張の強さ。分かりやすい濃い味わいで、まさに大トリを務めるに相応しいお蕎麦でした。
●かまあげ(大野在来)
〆であり、ダメ押しの一品。かまあげらしい、もっちり感が舌とお腹をやさしく包み込んでくれます。
気づけば、岩手→福島→富山→京都→長崎と日本列島を南下し、最後にはど真ん中の福井へ。まさに日本列島・蕎麦の旅を堪能させていただきました。店主・きくちさんの話も相変わらず楽しく、蕎麦マニアとしてもいい勉強に。またまた素晴らしい世界観を味わわせていただきました。
味 : 4.0 / 4.0
値段CP : 0.5 / 0.5
雰囲気・接客 : 0.5 / 0.5