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町中華の完成系
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2025/06/28 更新
京都・北大路に、ぽつんと現れる町中華の名店「鳳飛」。その店名の響きからして只者ではないが、実際に暖簾をくぐれば、そこには長年愛され続けてきた味と誠実な仕事が息づいている。
この日は店内での食事ではなく、テイクアウト。出来立ての料理を詰めてもらい、家でそっと包みを開けると、ふわりと湯気と一緒に中華の芳香が立ちのぼる。
まず手に取ったチャーシューは、火入れの妙が光る。脂はしっかり落ちているのに、肉の旨みは一切逃げていない。口に入れると、ほどけるようにほぐれつつ、しっかりとした噛みごたえも残す絶妙な仕上がり。職人の技が滲む一品だ。
焼売も餃子も、端正でありながらどこか懐かしい味わい。海老天は衣が軽く、海老そのものの甘みが際立っている。そして酢豚——これがまた、甘さと酸味のバランスが絶妙で、肉のジューシーさがまるで果実のように舌に弾ける。
しかし、やはり「鳳飛」といえば、からし鶏。これはもう、唯一無二。鶏ガラベースの餡に唐辛子の辛味が溶け込み、熱々のとろみがからんだ鶏肉は、まるで炎を纏った彫刻のよう。辛さの中に旨みがあり、旨みの後にじんわりとくる辛さがある。食べ終わったあとも舌の記憶に残り、また食べたくなる、そんな“癖になる常習性”を持った逸品。
「鳳飛」は、流行を追いかけることなく、ただ黙々と、良い料理を作り続けてきた。その地道さこそが、この町中華を“名店”たらしめている理由なのだろう。テイクアウトでも、温もりまでしっかり持ち帰れる——そんな店、そうそうあるものではない。