インネパカレー男さんが投稿したルーフトップ ビアガーデン ヨコハマ(神奈川/平沼橋)の口コミ詳細

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インネパカレー男

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ルーフトップ ビアガーデン ヨコハマ平沼橋、横浜、戸部/ネパール料理、ビアガーデン、アジア・エスニック

1

  • 昼の点数:4.8

    • ~¥999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 3.5
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 3.5
1回目

2024/03 訪問

  • 昼の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ~¥999
    / 1人

横浜の純ネパール、青空の純ダルバート

 私は屋上のネパールの旗めがけて、年季の入ったビルの階段を一段一段上っていた。横浜駅徒歩圏内に”ルーフトップビアガーデン”という名のネパール料理屋があると知ったのだ。外からだと営業しているのか判然としなかったが、4階まで上がったところで”Come In WE’RE OPEN”という看板を見つけた。

 掃除をしていたネパール人のお兄さんに挨拶して、店の中に入った。おぉー、ディープな空間だ。よくあるインネパ料理店が色彩豊かなライトを施しているのとは異なり、どちらかというと地味なネパールの絵画や写真や置き物が飾られている。文化的なものを感じるとでもいえるだろうか。ほぅ、5階が屋上になっているのか。

 そして、メニューをめくればめくるほど、私はたまげた。グンドルックアチャール、パニプリ、セクワ、チョイラ、カザセット、モモ、トゥクパ、ディド…バラ、チャタマリのようなレアなネワール系料理まで。ナン・カレーのようなインド料理はない。三島由紀夫、夏目漱石、太宰治、森鴎外、安部公房…と名前が列挙されていたら「純文学だ」と指摘するのと同じように、どれだけメニューをめくっても尽きないネパール料理を見て、「純ネパールだ」と私は思った。

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★チキンライスセット 750円

 注文したのは”ダルバート”(ネパール定食)である。ワンプレートにご飯もカレーもおかずも乗っている、ネパール料理の代表たる料理である。

 ネパール人コックさんがプレートを運んできたタイミングで、私は「屋上、行ってもいいですか?」と、うずうずしていた気持ちを口にしてみた。コックさんは笑顔で快諾してくださり、私の後をついて料理を運んでくださった。屋上はブルーシートで囲われてはいたが、どこまでも広がる開放感を感じた。

 私はコックさんがテーブルに置いてくださったダルバートに目を向けた。これは私好みドストライクのダルバートだ。見た瞬間に期待通りだとわかり、嬉々としてスプーンを手にした。いや、ちょっと待て。せっかくなので、横浜の青空を背景に、ネパールの旗と料理を一枚の写真に収めよう。アポロの月面着陸の写真みたいになる。そうして「この店、純ネパールや」とメッセージを添えて、撮った写真を昨日横浜で別れた友人に送ってみた。

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 セット内容としてはシンプルである。ダル(豆のスープ)、チキンカレー、サーグ(小松菜炒め)、チャトニ(トマトベースのソース的漬物)、生野菜(大根と人参)。それらがライスを囲んでいる。そこまでインパクトがあるわけではない。でもこのシンプルさこそ、混じりけのない本物のダルバート、純ダルバートだと私は思う。

 ダルとチキンカレーは小さめの器に注がれている。"盛られている"のではなく"注がれている"と言えるように、どちらもさらっとしたスープ状である。黄緑茶色のダルはニンニクなどが効いている。赤いチキンカレーはトマトの酸味と辛味が効いており、鶏肉が骨付きなのにとろけるほど柔らかい。

 ネパール人がダルバートを食べるときのように、カレーやおかずを混ぜながら食べ進めていった。こういった本場スタイルのカレーは、日本米とバスマティライスのミックス米にばっちりマッチする。炊き加減も水の加減も丁度良くパラパラしている。

 何もしなくてもスプーンが自然に動き、あっという間に完食した。スパイスが入っていても全体として非常にあっさりしている。油っこさがないから胃の苦しさもない。さらっと食べられてしまう。値段も何の抵抗もなく支払える。平日のお昼に毎日食べたいと思えるダルバートである。

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 私は入店時に手にしたチラシを取り出して、しげしげと眺めてみた。こう書いてある。”ここルーフトップでは、ネワリ料理とタカリ料理を組み合わせて、エキゾチックな料理の完成形としてお皿に盛り付けています。カトマンズの通りにある地元のレストランの雰囲気を感じていただけることでしょう”。なるほど、その通りだと思った。

 おしぼりが飛んでいきそうになるくらい風が吹いてきて、ネパールの旗もパタパタ揺れた。屋上には依然私しかいなかった(他のお客さんたちは4階の室内で食事をとっていたようである)。私はガーデンチェアに背中からもたれかかり上空に向けて両手を広げてみた。このお店もこの青空もネパールも、何もかも独り占めしているような気分になった。同時に、この果てしない青空を通して日本もネパールもつながっているのだと思いを馳せると、感嘆せずにはいられなかった。

 私はきれいになったプレートとグラスを4階まで持って降り、店員さんに渡した。「めちゃめちゃ美味しいですね」と伝えると、店員さんは少しニヤッと表情を緩められた。ビルを出た後スマホを見ると、友人からこう返事が来ていた。「純ネパールって何やねん笑」

 ダンネバード。ごちそうさまでした。

  • 青空とネパールとダルバート

  • チキンライスセット(チキンダルバート) 750円

  • チキンライスセット(チキンダルバート)750円

  • ダル

  • チキンカレー

  • 生野菜、チャトニ、サーグ

  • ライス(日本米とバスマティライスのミックス)

  • 混ぜながら食べる

  • 内観

  • 内観

  • 階段

  • 入口

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2024/03/19 更新

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