2回
2025/03 訪問
並んでもなお足りない──“家系の極み”がここにある。
横浜に「寿々喜家 本店」あり。
その名を耳にしたことがある者は多いが、口にした者だけが知る真実がここにはある。
開店前から漂う“ただものじゃない湯気”。
店前の行列は、もはや儀式。雨だろうが風だろうが関係ない。むしろその先にある一杯の尊さを噛みしめる時間だ。
着丼。
まずはスープ。
これが……沁みる。鶏油の芳醇な香りと、豚骨の芯を突くような旨味が波のように舌を打ち、すぐに喉の奥へと流れ込む。
まさに家系の完成形。いや、“家系という料理”の概念を塗り替えるレベル。
中太ストレート麺はもっちりとコシがあり、スープとの絡みが完璧。
ほうれん草と海苔がこれまた名脇役。
そしてチャーシュー。口に入れた瞬間、ほろり。肉の繊維が静かにほどけ、スープの旨味と一体となって消えていく。
ご飯も忘れちゃいけない。
白米にスープを吸わせ、チャーシューを乗せ、ちょい梅とたくあんで口を整える…
“これが正しい家系セットの楽しみ方”だと語り継ぎたい。
⸻
このラーメンは、ただの一杯ではない。
「並んだ分だけ美味しくなる」──そう信じさせてくれる名店。
そして今日も、またあの赤いテントの下に、人が集う。
2025/07/29 更新
気づけば、またここにいた。
いや、気づいたんじゃない。“呼ばれた”んだ。寿々喜家に。
前回、並んで食べたあの一杯が、脳裏に焼き付きすぎて消えない。
あのスープの香り、口に含んだ瞬間の衝撃、ライスと海苔の無敵タッグ…。
あれからというもの、心も胃袋も、寿々喜家のことしか考えられなくなってしまった。
そして今回――
会社のラーメン好きな同僚の誕生日という“口実”を引っさげて、
「お前に、日本一を食わせてやる」とドヤ顔で連れてきた。
……が、実は一番食べたかったのは俺だ。
俺が!どうしても!もう一度食べたかったんだ!!!
店の前で並ぶ間、胸は高鳴る。
ラーメン屋でこんなに“再会”を喜べるって、どうかしてる。
けど、寿々喜家は再訪するほどに深く、強く、心を掴んで離さない。
着丼した瞬間、震える。
スープを一口飲んだだけで、全身の細胞が「これこれ!」と叫ぶ。
チャーシュー、スープ、麺、ライス、のり…どれもが記憶より美味い。
前回よりも美味く感じるのは、この再来が“運命”だったからに違いない。
食べ終えて、満腹で、幸せで、でも――
「また来たい」
もう心は、次の再来のことでいっぱいだ。
このお店は“通えば通うほど、心のホームになる”。
一度じゃわからない。二度目で恋に落ちる。三度目には離れられなくなる。
ありがとう寿々喜家。
また来る。何度でも来る。
俺のラーメン人生は、もうお前抜きじゃ語れない。