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689酒吧新栄町、高岳、車道/四川料理、担々麺、バル
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夜の点数:4.1
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¥6,000~¥7,999 / 1人
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料理・味 4.1
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|サービス 4.2
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|雰囲気 4.1
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|CP 4.1
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|酒・ドリンク 4.0
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[ 料理・味4.1
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| サービス4.2
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| 雰囲気4.1
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| CP4.1
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| 酒・ドリンク4.0 ]
定番という名の入口
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2025/07/31 更新
「エビチリ、お願いします」
中華の暖簾をくぐるたびに、口をついて出るのは決まってこのひと言だ。本場・四川にその名はないと聞く。けれど、そんなことはもうどうでもいい。私にとって海老チリは、“中華”という言葉の象徴のようなものだ。
名古屋・新栄の「689酒吧」。その夜、迷わず頼んだ海老チリは、期待のその先を見せてくれた。衣は最小限、ふっくらと蒸されたような海老に、艶やかなソースが絡む。辛さは抑えめなのに、酸味とコクのバランスがやたらと整っている。ひと噛みすれば、ぷりっと跳ねるような弾力が返ってきた。
もう一皿は、酢豚。黒酢の香りが立ちのぼると、自然と背筋が伸びる。甘みよりも酸味を軸に置いた構成。外側はカリッ、中は驚くほどに柔らかい。そのコントラストが、香酢の重厚な香りとともに、口中に波紋を描く。
カウンターに置いたハイボールが、いつの間にか半分になっていた。基本をおろそかにせず、きちんと手をかける——そのうえで、自分の色をにじませる料理。それが「689酒吧」のやり方なのだろう。
奇抜さではない。派手さでもない。けれど、ひと皿ひと皿に込められた確かな意志が、記憶のどこかに、静かに火を灯していく。