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昼の点数:4.5
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¥5,000~¥5,999 / 1人
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料理・味 5.0
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|サービス 4.5
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|雰囲気 4.5
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|CP 4.5
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|酒・ドリンク 4.0
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[ 料理・味5.0
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| サービス4.5
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| 雰囲気4.5
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| CP4.5
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| 酒・ドリンク4.0 ]
日本人なら知っておくべき店
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2024/12/27 更新
※個室だと全巻まとめて来ちゃうのでカウンターが良いです。
おまかせ握り5,500円也。
茶碗蒸し(ランチのみ)
ハタ
味噌汁
赤貝
赤身
中トロ
大トロ
わさびに漬けたきゅうり
こはだ
えび
うに
玉
穴子
清潔な店内。客は我々以外は外国人。
カウンターに座ると檜の香り。
丁寧な仕込みと包丁捌きに目を奪われる。
格式張った店と思いきや店内にはジャズが流れ、
湯呑みを置く皿はタイムふろしき。
箸置きはスモールライト。
大将の気さくな人柄の通り、遊び心が随所に溢れている。
最初の茶碗蒸しでもうため息。期待が高まる。
続いて握りのトップバッターはハタ。
しっかりした身なのに、口の中でスッと消える。なにこれ!?
ここで次の握りは出さずに味噌汁登場。
逸る気持ちを弄ぶかのような可愛い器。
味噌汁を飲んだことなどないであろう隣の外国人が頷いている。ミソスープが国境を超えた瞬間に立ち会えるなんて幸せ。
ようやく握り再開で赤貝。「んー」という声にならない声が出てしまう。まだ二貫目だぜ。
大将の軽妙なトークを聴いていると赤身。歯がない年寄りでも食べられる柔らかさ。もう声は出ない。連れと顔を見合わせるのが精一杯。
続いて中トロ。美味しすぎて下を向いてしまう。当然言葉は出ない。
隣の外国人観光客は逆に悶絶。足をバタバタさせて「オイシイ」連呼。
そして畳み掛けるように大トロ。私と連れはとうの昔に言語を忘れ、今度は天を仰いでしまった。
マグロの赤い三連星が現れては一瞬で消える。
「見せてもらおうか。客の舌の性能とやらを」と嘲笑うかのような美味。
なすすべもなく敗れた我々に、しばし停戦を呼びかけるキュウリ。ところが鼻を突き抜けるワサビに目を覚ます。そうだ、まだ戦いは終わっていない。五貫目で折り返し地点なのだ。
六貫目コハダが登場。大将が英語・韓国語で客に説明している。マグロ三連星ほどではないが、それでも今まで食べたどのコハダより美味い。
七貫目海老。仕込みを目の前で見ていたので、丁寧な仕上がりに納得。仕込みに使う器類も美しい。
八貫目ウニ。いよいよ真打ちが高座に上がった。場が引き締まる。口の中にふわっと広がる風味。噺家が羽織を脱いだ瞬間だ。主張せずともその存在を十二分に知らしめるシャリがウニの濃厚さを引き立てる。拍手と共に「よっ!寿司孝!」と叫びたくなるが、美味しさに言葉が出ない。もうずっと無言の我ら。
九貫目は玉。ここで大将が初めて「お好みで醤油を少しだけつけてください」と説明。我々は当然付けずにそのままの味を楽しむ。外国人観光客のうち何人かは付けていたが、大将の「ソイソース、ア・リトル」に外国人「オーケー、オーケー」と返して食べた後、親指で「グッド」。
外人さん、残念なお知らせがあります。次がラストです。
十貫目穴子。洒落た小皿に乗って眼前へ。あくまで役者は穴子だが、タレが繊細。口の中の穴子をゆっくり包み込む感じ。包み込んだと思ったら穴子は姿を消し、余韻だけが残る。
「美味しかったなあ」とお茶を飲んでいると、自然と今日いただいたものを振り返っていた。
客の脳裏に勝手にエンドロールを流す寿司孝。
深川の隠れた名店と言いたいところだが、外国人観光客にはとっくにバレている。
隣の外国人はこの後上野に行くらしいが、明日もこの店に来たいようで、何時なら空いているのか聞いている。嬉しいけど困る大将。
だったらタイムマシンで1時間前に戻れば、もう一回食べられるんじゃね?
お後がよろしいようで。
※許可撮らずに写真撮りました。大将ごめんなさい