2回
2025/03 訪問
イタリアンを堪能しました
白金の「三和」にて、季節のコース料理を味わってきました。料理はどれも素材の持ち味を引き出す絶妙なバランスで、静かに感動の波が押し寄せるようなコースでした。
●グリーンピースのスープ
鮮やかな緑が美しい、春らしさ全開の一皿。甘みが強く、豆の青さを感じさせない滑らかな味わい。温度も絶妙で、やさしさに包まれる一杯でした。
●生ハムとニョッコフリット
生ハムは口の中でふんわり溶け、揚げたてのニョッコフリットは軽やかで香ばしい。シンプルながら完成度が高く、しっかりと食欲を刺激してくれました。
●小柱とカリフラワーのフラン
繊細な甘さの小柱と、やわらかく火入れされたカリフラワーのフランは優しい口当たり。舌に寄り添うような、ほっとする温かみのある一皿です。
●メジマグロのカルパッチョ仕立て
しっとりとした赤身の旨味に、ほんのり効いた酸味と塩気が心地よく、まるで和と洋の間を行き来するような一品。薬味のバランスも絶妙でした。
●ホワイトアスパラガス、スクランブルエッグ、黒トリュフ
素材の力を最大限に生かした構成。甘いホワイトアスパラに、ふわとろの卵とトリュフの芳醇な香りが絡み合い、贅沢さの極み。香りだけでもワインが欲しくなる美味しさ。
●のどぐろの炭火焼きとサフランのリゾット
脂が乗ったのどぐろは皮目パリパリ、身はふっくら。リゾットはサフランが上品に香り、魚の旨味と調和。主役級がふたつ並ぶ贅沢な一皿でした。
●お口直しのサラダ
コース後半のリセットにぴったりな、瑞々しく清々しい野菜のサラダ。酸味がきりっと効いて、次の料理へ自然に橋渡ししてくれました。
●季節の焼き野菜の盛り合わせ
素材ごとの焼き加減が見事。シンプルな塩だけで、野菜そのものの甘みや香ばしさが引き立っていました。派手さはないけれど、記憶に残る存在感。
【追加メニュー】
●ニュージーランド骨付き仔羊(+500円)
香ばしく焼かれた表面と、しっとりと柔らかい肉質。クセはまったくなく、肉の甘みがしっかり感じられました。
●山形尾花沢牛ランプ(+3,000円)
一口目から肉の旨味が圧倒的。サシは控えめでも、赤身の力強さと脂の甘みが見事に共存。これは追加する価値のある逸品です。
●フレッシュトマトのピチ(無料)
トマトの甘みと酸味が生地に絡んだ、夏を思わせる爽快な味。太麺のピチのもちもち感と相性抜群。
●長谷川さんのマッシュルームのスパゲッティ(+1,430円)
マッシュルームの香りがとにかく濃厚で、まるで森の中にいるような錯覚すら覚える一皿。シンプルながら驚くほど深い味わいでした。
全体を通して、「素材に正直、火入れは的確、味は一貫して洗練」という言葉がぴったりのコース。派手な演出よりも、技術と素材力で勝負する静かで強いイタリアンでした。特別な食事として記憶に残る名店です。渡邉シェフに注文量を心配されましたが、全て食べ切りました!ご馳走様でした!
2025/06/01 更新
白金台の閑静な通り沿いに佇む「三和」。
店内はカウンター中心で、炭の香りと静かな会話が心地よく響く。
一皿ごとに“旬”が見事に昇華され、派手さではなく素材と技の呼吸を感じさせる。
1. バターナッツかぼちゃのスープと白トリュフ
口当たりの滑らかさにまず驚く。
甘みのあるバターナッツをベースに、白トリュフの香りが立ちのぼる瞬間が至福。
香りだけでワインが一杯進むほど、香味のバランスが完璧。
2. 生ハムとニョッコフリット、生サラミ、自家製ブレザオラ 黒いちじくのリコッタチーズ
しっとりとしたブレザオラと黒いちじくのリコッタの相性が抜群。
生ハムとニョッコフリットの塩気と香ばしさがワインの導火線となり、
前菜から一気に食欲を掻き立てる構成。
3. 北海道バフンウニと毛蟹の冷製パスタ
シグネチャー的存在。
繊細な冷製パスタに、ウニと毛蟹の旨みが層を成して広がる。
塩味は極めて控えめで、素材の甘みと海の余韻をそのまま味わえる完成度。
4. サンマのフリット 春巻き仕立て
外はパリッと軽く、中はふっくら。
サンマの脂と香味野菜の香りが絶妙で、秋の訪れを感じさせる一皿。
5. 広島なかやま牧場和牛の茹でタン
箸を入れるとほろりとほどける柔らかさ。
脂のキレがよく、塩加減も控えめで“和のブイヨン”のような深み。
火入れの妙を感じる逸品。
6. フランス茸のリゾット
香り高く、しっかりアルデンテ。
バターのコクよりもキノコの土っぽい香りが主役。
秋の夜長にぴったりの温もり。
7. お口直しのグラニテ
軽やかな酸味で、コースの流れを一度リセット。
甘さ控えめなのが心地よい。
8. 季節の野菜の炭火焼き
それぞれの野菜が持つ水分と甘みを最大限に引き出す火入れ。
炭の香ばしさと塩だけの潔い味付けに、料理人の矜持を感じる。
9. 北海道エムクロス豚肩ロース
脂の質感が驚くほど上品。
しっとりと焼かれた肉の繊維に、旨味がじんわり広がる。
添え野菜との一体感も素晴らしい。
10. フレッシュトマトのピチ
手打ちのもっちりした食感が魅力。
酸味のあるトマトソースが口を軽く締め、食後の余韻を整えるよう。
11. 舞茸のペペロンチーノ
単品で追加したが正解。
香ばしい舞茸が主役の“香り系ペペロンチーノ”。
ガーリックは控えめで、秋の香りを前面に出した繊細な仕上がり。
大幅に遅れての到着にもかかわらず、全ての料理を丁寧にご提供いただき本当にありがとうございました。
一皿一皿に心がこもっていて、温かいお心遣いに感激いたしました。ご馳走様です!