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夜の点数：4.0
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￥3,000～￥3,999 / 1人
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料理・味 -
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［ 料理・味-
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香ばしさで優勝
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2025/12/14 更新
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ずっと気になっていたその店に、仕事終わりの夜、ひとりで足を運んだ。
暖簾をくぐると、運よく予約なしでもカウンター席に通してもらえた。目の前には、静かに火が揺れる炉端。そこで一つひとつ焼き上げられていく料理たちは、待つ時間さえもごちそうに変えてくれる。
最初に出てきたお通しは、お刺身の五点盛り。
思いがけない豪華さに、思わず気持ちが踊った。どれも臭みがなく、丁寧に扱われていることが伝わってくる味わいで、この店への期待が自然と膨らんでいく。
続いて運ばれてきたおばんざい三種は、目にもやさしく、どこか体が喜ぶような佇まいだった。
そして、いよいよ――。
「おひとりでしたら、ハーフサイズがちょうどいいですよ」
そう勧めていただき、注文したとろ鯖の炉端焼き。
けれど、目の前に置かれた瞬間、その言葉を忘れてしまうほどの存在感に息をのんだ。
普段目にする鯖とはまるで違う。大きく、厚く、身がぎゅっと詰まっている。脂の艶が、火の光を受けて静かにきらめいていた。
皮はぱりっと香ばしく、箸を入れると中はふっくら。
口に運ぶたび、旨みと脂がほどよく広がり、ビールが自然と進む。
何も考えず、ただ「おいしい」と思える時間が、そこにはあった。
本当は、もっといろいろ食べてみたかった。
けれど、その夜はとろ鯖だけで、心もお腹も十分に満たされてしまった。
次は友人を誘って、またこのお店に来よう。
他の料理も、ずらりと並ぶ日本酒も、まだ知らない楽しみがきっと待っている。
そう思いながら店を出た夜は、少しだけ、いつもよりやさしく感じられた。