6回
2025/04 訪問
シェフのセンスが光る既存の枠にとらわれないレストラン
半年ぶりのRestaurant Honjinへの再訪。The Tabelog Award 2025 Bronze受賞、ゴ・エ・ミヨ 2025 3トック掲載をされたようで、誠におめでとうございます。
Honjinさんの魅力は、シェフの独創的な発想と、既存の枠にとらわれない食材の組み合わせが生み出す、センスが光る料理の数々。風間水産の魚介、あいち鴨、地元の野菜など、地元の食材を積極的に活用し、その魅力を発信し続けている点も素晴らしいと思います。
この日はフレンチカウンターに4組、鉄板席に1組のお客さんがいらっしゃいました。初めて訪れた際、スタッフの方の人数の方が多くて少し緊張したことが、今となっては懐かしい思い出です。
この日のメニューで特に印象深かったのは、まず【ホワイトアスパラガス】の一皿。ホワイトアスパラガスの風味と食感、炭火で香ばしく焼き上げられたアオリイカ、そしてイカスミのソースが見事に調和していました。
続く【蛍烏賊】にも驚かされました。まるで繊細な和食の一品のよう。蛍烏賊と菜の花のお浸しを菜の花のエスプーマを和えていただくと、隠された筍の心地よい食感とともに、優しい味わいが口の中に広がりました。
1週間寝かされた【風間さんの神経締め石鯛】も前回までの記憶以上に得も言われぬしっとりとした身の味わい、皮目と鱗の食感の逸品でした。
Honjinさんの素晴らしい点は、料理の提供ペースへの細やかな配慮です。スタートが同時でも、各々の食べるペースに合わせて料理を出してくださいます。食べるペースはいつも遅めなのですが、隣のお客さんはさらにゆっくりとしたペースでした。そのおかげでしょうか、メニューにはないお口直しの一皿をご提供いただき、嬉しいサプライズでした。タコ、マンゴー、シャーベットにスッポン出汁という、もはやお口直しの範疇を超える、贅沢な一品でした。
【あいち鴨】も訪れるたびに、その洗練度が増しているように感じられます。
そして〆には、焼きおにぎり、きしめん、ガーリックライスの3品から希望を聞かれ、全てお願いすることも可能とのこと。3品全ていただきました。ガーリックライスは、いつも鉄板席から漂ってくる食欲をそそる匂いに、いつか食べてみたいと思っていたので、嬉しいサプライズでした。中でも、桜海老の出汁がきいたきしめんが、特に好みでした。
この日は、いつも以上に驚きと発見に満ちた時間でした。訪れるたびに新しい喜びがあり、食を通じて地域の魅力を改めて感じることができる、素晴らしいレストランだと思います。
2025/04/26 更新
2024/10 訪問
地域の魅力を発信するフレンチコース
飲んでいる関係か他のお客さんより食べるのが遅れがちでしたが、調理や仕上げを調整して食べるペースに合わせていただき感謝。
この日の料理で一番記憶に残ったのは南瓜。カボチャのスープは一口目に甘味を感じますが、口の中で変化を感じる味わい深いスープ。海苔巻きは炙った海苔の香りに焼き秋刀魚の身や内蔵、カボチャのソースなどが合わさり一体感が。
シオはカンパチの若魚でピクルスの食感良くマヨネーズがアクセントに。平目は皮目の焼きが見事でフレンチらしくバターと塩味、オクラの苦味ががバランスし、洗練された鴨はソース、出汁、味噌など自分の好みの合わせ方で。
店頭のひつじサミット尾州のポスターについて聞いてみると、尾州地方は世界三大ウール産地のひとつ。残念ながら翌日には終了とのことでしたが、羊サミットコース用に温度によって色が変化するお皿まで用意され、覚えていれば来年にでも食べてみたいです。
調味料のお話しや試飲もさせていただいたのですが愛櫻の6年熟成の味醂を飲んだら衝撃。味醂って調味料じゃなくて飲み物ですね。
牡蠣や風間水産さんの魚介、愛知県を中心にした野菜、あいち鴨などバランスの取れた地域の魅力を発信するフレンチコースでした。
この日のメニュー【ほうろくチュイル キャビア】【牡蠣】【シオ】【南瓜】【風間さんの神経締め平目】【あいち鴨】【〆】【ショコラバナーヌ】【小菓子2種】【食後の飲物】
2024/11/23 更新
2024/02 訪問
生産者との懸け橋
フレンチ・鉄板カウンターともお客さんがたくさん見えお忙しそう。それでもスタッフの皆さんの役割分担がしっかりされスムーズに料理提供されました。
メニューを拝見すると3ケ月弱前の訪問時とあまり変わりないように思いましたが、素材は同じでもいい意味で違った印象でした。【ほうろくチュイル】【鯨】【牡蠣】【鰆】【手羽先】【風間さんの神経締め平目】【あいち鴨】【〆】【林檎】【小菓子2種】【食後の飲物】
手羽先は骨を抜いて野菜が詰められれ本みりんの照り焼きでツヤツヤコク旨。平目は7kg超えのものとのことで熟成された美味しさ。あいち鴨の付け合わせの黒大根のフリットは豊かなお味。黒大根を見せてくださいましたが土の汚れかと思いましたが皮の色とのこと。白大根を見慣れた目には新鮮でした。きしめんも前回と違い猪の出汁。デザートはタルトタタン。
また詳しいスペックは非公開という丸石醸造作のHonjinオリジナルの生酒も非常に美味しかったです。
2024/06/23 更新
2023/11 訪問
満足度の高いコース料理
前回訪問時はフレンチカウンターに1組ということもあり緊張しましたが、今回は2回目の訪問でフレンチカウンターにももう一組お客さんもいて気分的に余裕があります。
鉄板カウンターにも2組のお客さんがいて、それぞれのカウンターの割合は日によって違うそうです。
メニューは【ほうろくチュイル・絹姫サーモン・キャビア】【牡蠣】【鰆】【風間さんの黒鯛】【あいち鴨】【〆】【林檎 バニラ】【小菓子2種】【食後の飲物】
ほうろくチュイルは前回と違います。リニューアルされたのかな?生地も厚くなりチーズをサンドしています。前回の失敗の同じ轍を踏まないよう慎重に一口に放り込みます。スペシャリテの牡蠣も前回同様の美味しさ。
隣の女性2人組を見ると同時スタートでしたが、会話が止んでいた気配はありませんでしたがいつのまにか先の料理まで進んでいます。会話と食事を同時にこなす達人なのか、ただ単にこちらのペースが遅いだけか分かりませんがそれぞれのペースに合わせて料理提供をして下くださいました。
鰆は名前から勝手に春のものだと思い込んでいましたが、とろけるような脂のりです。添えられたピンク色のフィンガーライムが体験したことがないアクセントになっています。
黒鯛は骨から取ったお出しや銀杏によく合い、鴨はセロリのソースの緑やシャキシャキの紫水菜が目にも鮮やかなグラデーション。お肉も添えられた素揚げされた野菜も並び立つ美味しさです。
〆はSTAUBで作られたきしめん。お出汁はスプーンですくうべきなのか?お行儀が悪いですがお皿を持ち上げて飲み干しました。
デザートは甘いバニラや爽やかな林檎の中にもパンチの効いた塩味が隠され美味しかったです。
シェフが色々食材の説明をしてくださり、生産者との繋がりを大切にされているように感じました。前回訪問時以上に前菜からデザートまで満足感の高いコース内容でした。
2024/01/16 更新
2023/09 訪問
極限の火入れ
尾張一宮にはあまり縁がなかったですがランチにて初訪問。鉄板とフレンチのコースがありフレンチコースを予約しました。
公共交通機関で出かけましたが特急列車に乗り換えれば、名古屋市内に出かけるのとそんなに時間的にも変わらず遠くて近いお店です。
予約時間まで余裕がありましたので外観写真を撮りながらウロチョロしていると外までソムリエのマダムが迎えに来てくれました。
店内は以前は3卓あった鉄板のカウンターのひとつをフレンチ用に改装したそうで、とても広いです。フレンチのカウンターに私たち2名のみでした。
お店にはディナーの仕込みも兼ねてか結構な人数のスタッフがいますので緊張してしまいます。しかも若いイメケン軍団で指名料でもかかるのではとバカな心配をしていると、鉄板カウンターに常連さんらしきお客さんが2名来店され席から姿はみえませんが心強いです。
メニューは【ほうろくチュイル・イチローファームの茄子・鯨】【牡蠣】【アオリイカ】【風間さんの白甘鯛】【あいち鴨】【STAUB飯】【はちみつ】【小菓子】【食後の飲物】
シェフの好みでオリーブオイルではなく料理の邪魔をしないほうろく菜種油を使われているとのこと。
ほうろくチュイルは薄く、愛知県の形にラミネートで切り取られ盛り付けるのは手が震えそう。
手に取ると渥美半島が崩落(゚Д゚;)
フォカッチャは焼きたてでほうろく菜種油につけて食べると手が止まりません。
牡蠣は日間賀島の生のりなどを使用したジュレに酒粕のアイスを乗せるなど食べたことがない組み合わせの妙。
アオリイカはヨーグルトや自家製マヨネーズのソースやカシューナッツが添えられています。
風間水産の白甘鯛は神経締めされ熟成され、あいち鴨は皮目がパリパリで添えらた西家の柚子胡椒に合い、STAUB飯は焼きおにぎりは香ばしく天然舞茸はその食感に驚かされました。
その火入れは好みが分かれそうな程ぎりぎりまで攻めた感じがします。
途中からはパティシエさんも加わり、デザートははちみつの上品な甘さがアイス・マドレーヌ・マスカット・グレープフルーツ・レモンに広がり行きわたります。
スペシャリテの牡蠣は時期によって産地を選択するようですが、他は愛知県産の食材が多く使われ魅力を発信していきたい思いが伝わります。
着席時に感じていた緊張もお料理が進むにつれほぐれ、お会計時にはレシートまでいただき明瞭会計でした。
2023/11/10 更新
Restaurant Honjinの最大の特徴は、フレンチと鉄板焼きという異なるジャンルを一つの店で提供している点だと思います。今回もフレンチカウンターを予約して再訪しました。この日は他に鉄板カウンター1組のみで、初めて訪問した時を思い出させます。ただ6回目ということもあり、最初ほど緊張せずにすみました。
今回のコースメニュー
【ほうろくチュイル キャビア】
ワインの進むアミューズ
【風間さん神経締め虎河豚】
今回はいつもの牡蠣ではなく虎河豚でした。冬のイメージが強い河豚ですが、旨味が凝縮されており、昆布ジュレと人参の食感が絶妙にマッチしています
【車海老(風間水産)】
かぼちゃのエスプーマとトマトの甘み、そこに車海老の潮の香りが加わる組み合わせの妙
【鮎】
素揚げされたふっくらした鮎の持つ独特な香りや苦味を、下には鮎の内蔵、上にはきゅうりと西瓜のサッパリとしたソースを組み合わせ、フレンチならではの一皿に昇華させます
【風間さん神経締め平目】
魚の出汁と平目の上品な旨味を存分に堪能。付け合わせのオクラや舞茸、蓮根は、季節が夏から秋へと移り変わるのを感じさせます
【鹿】
いつもはあいち鴨ですがHonjinさんでは初めて鹿をいただきました。ロース、ハラミ、ハツの3つの部位をそれぞれ楽しむことができました
【〆】
欲張って秋刀魚のSTAUB飯、味噌煮込みきしめん、ガーリックライス3種すべてをいただきお腹がはち切れそうです
【カフェショコラ】&【小菓子2種】
愛知の旬の食材を巧みに使い、フレンチの技法に現代的な感性、そして鉄板焼きのエッセンスが加わったコース料理は、今回も期待を裏切らないおいしさで満足でした。