3回
2025/01 訪問
自家菜園付き郊外フレンチ
愛知県平野部で珍しく雪の降った翌日の週末、10ケ月弱振りにhapeさんに再訪しました。少し早めに到着したので近くを散策後入店すると薪ストーブに炎が揺らめき冷えた体が温まります。ブラインドから陽がこぼれ落ち周囲の静寂と合わさりまるで山小屋にでも居るかのような雰囲気。
税込4,000円のランチコースは野菜や食材などの値上がりが顕著ななか価格維持の努力が感じられ申し訳なく感じるほどで、料理の内容は前回訪問時の記憶以上に素晴らしかったです。
季節野菜のスペシャリテの一皿はもちろんですが、オリーブの葉を食べさせた鰤とビーツに付けた大根の辛みの組合せ。手間暇をかけて巻いた蕪に隠さた蟹の焼き身、もちもちパスタの食感に注がれる蟹の出汁の風味。ローストした経産牛のもも肉に添えられた酢漬けしたキャベツとミンチの熱々ロールキャベツの対比などなど。
一皿の中で複合的な味、温度の高低差、調理法の違いによる食感の違い、藁焼きの香りなどどれも記憶に残る料理で、魅力溢れる自家菜園付き郊外フレンチです。
2025/02/08 更新
2024/03 訪問
野菜の小宇宙
ランチにて税込4,000円のコースを予約して2人で初訪問。10分ほど前に到着したので少しお店の周りを散策してみると畑があり薪も積んであります。
店内に入ると一部が吹き抜けで薪ストーブの煙突が伸びており実際に寒い季節には使われている模様。ホームページを拝見すると実家の一軒家のカフェを改装し、自家菜園付きのレストランとして開業したようです。案内された席は靴を脱いであがる一段高くなったフローリング仕様で個室感もあり寛げます。お客さんは3組6名でした。
ハーブティーが最初からテーブルセッティングされており、コースの最後に飲むまでの間も飾りになり非常にいいアイデアと感心しました。
コース内容は【信州サーモン 新じゃがいも】【段戸山高原牛 春人参】【伊根湾本鮪 ビーツ】【季節野菜 野草 乳漿】【駿河湾桜えび 蕪】【経産牛 折菜】【春日井紅ほっぺ 練乳】【お茶菓子】【ハーブティー】
アミューズからハーブティーまでどれも美味しかったですが、特に印象に残ったのは季節野菜・野草の乳漿。一見普通のサラダですが、メニュー写真(ボケていますが)のように桃蕪からイタリアンパセリまで一皿に18種もの野菜が使われています。しかもフレッシュなものだけではなくフリットや焼いたり、茹でるなど。様々な食感、味にフレッシュチーズや乳漿が合わさり野菜の小宇宙です。
また料理の提供はシェフのワンオペでしたがスムーズです。使われている野菜のうち自家菜園の割合を聞いてみると訪問時の春先で半分ぐらいですが、冬はもう少し低いとのこと。これから夏野菜の季節にはその割合も高まるのかもしれません。
お料理は特別な食材を使われている訳ではありませんが、4,000円のお値段からコース内容を考えると驚異的なクオリティとコスパの高さを感じました。やはり実家兼店舗で自家菜園がありワンオペで頑張っているのが大きな要因でしょうか。
訪問前にホームページの予約状況を確認したのですが、年内は平日が数日空いていただけでした。お会計後に確認してみると週末ランチはやはり年明けしか空いていないとのこと。だいぶ先になりますが次回予約をしてきました。
食材の高騰などもありますのでそんな先でも4,000円で大丈夫なのか確認すると10年は現在の値段で頑張りたいと仰っていました。寡黙な感じのシェフでしたが内に秘めた料理愛が非常に感じられました。
2024/09/15 更新
春日井市郊外に佇む自家菜園付きフレンチレストランhapeに、3ヶ月ぶりに再訪いたしました。郊外にありながらも、そのコストパフォーマンスと満足度の高さから、1年以内の予約が埋まっているという人気店です。
早くも今年最後の訪問となりそうで、楽しみにしておりましたお料理を心ゆくまで堪能させていただきました。
この日のメニュー
◆石川西海紅ズワイガニ じゃがいも
じゃがいものコロッケ、メレンゲに乗った紅ズワイガニが桜をイメージさせます
◆知多葦海老 キャベツ
魚介出汁の冷製茶碗蒸しと、キャベツ、葦海老の食感が印象的な一皿。キャベツの花がそっと春の訪れを告げます
◆ふくいサーモン 玉ねぎ
鮮やかな紫のグラデーションを描くビオラの花びらと、サーモンのオレンジ色がコントラストを成し、一皿を華やかに彩ります。鼻をくすぐる柑橘の香りに誘われ一口食べると、スモークサーモンの豊かな風味が広がり、シャキシャキとした新玉ねぎの食感が心地よいアクセントに
◆季節野菜 野草 乳漿
hapeのスペシャリテ。盛りだくさんの季節野菜に自家製チーズと製造過程で生まれる上澄みの乳漿がかけられ、今回は春の野草のほのかな苦味が加わり複雑な味わいを醸し出していました
◆奥三河鶏 ブロッコリー
滋味深い出汁のスープ、炭火焼きの鶏肉、ブロッコリー、チーズ入りラビオリ、そしてパルメザンチーズ。それぞれの異なる風味が楽しめます
◆経産牛 折菜
ハラミのローストとスパイシーなミンチの包み焼き。異なる調理法で引き出された経産牛の魅力を、折菜が引き立てます
◆春日井よつぼし 蓬 コシヒカリ
苺の酸味にコシヒカリのお米の旨味が感じられるソースと甘さ控えめな蓬のクリームと和の要素も取り入れ、ザクザク食感のクランブルも加わり、幸福感に満ちたデザート
◆ハーブティーとお茶菓子
蜂蜜のクッキー、きび砂糖のフィナンシェ、レモンのマカロン。甘みとレモンの爽やかな余韻が
充実したフレンチコースでありながら、オープンから変わらず税込4,000円というランチコースの価格設定は、まるで時代が遡ったかのような驚きを覚えます。料理への愛情、より多くの人に気軽にフレンチを楽しんでほしいという想いが込められているように感じられました。
次回の予約は来年となりますが、hapeさんのさらなる進化に期待しながら、その日を心待ちにしたいと思います。