3回
2025/05 訪問
美しい椀物
京都に訪れる機会があり、またこちらの竹久さんへ。
まだ1回しか訪れていないにもかかわらず、ご主人は覚えていてくださいました。
なお、以下訪問から日にちが経っていたためやや記憶が曖昧なところがあり……その点謝罪申し上げます。
今回のお料理も本当に楽しみでした。
一品目はアスパラの黄味酢添え。
このアスパラは佐賀のもの(だったかな?)で、太くてみずみずしくそれ単体でも大変美味しいのですが、添えられた黄味酢がまた素晴らしく。
酸味が角張っておらずまろやかで、黄味酢単体を最後に掬って食べてしまったほど。
構成要素としてはシンプルなのですが、このアスパラの素材の良さを考えると、あれこれ足すことは不要かと思います。
八寸は、時計回りに蕨、茗荷甘酢漬け、小鮎甘露煮、唐墨、じゃがいもの蕗味噌のせ。
中でも自家製蕗味噌は絶品。
じゃがいもを食べるというより、蕗味噌を食べるためにじゃがいもがあるようです。
もちろん今回もご主人が調達された蕗のとうで、市販のものより香りがずっと強いように感じました。
3品目はアイナメ(だったかな?)の甘酢餡。
身がふっくらしていて、甘酢餡とよく合います。
これはお酒を飲みたかった……。
4品目はマコガレイ(確か)と貝(失念)。
肝醤油が別に用意されており、付けて頂くと旨味の相乗効果。大変美味!
とにかく白身が大好きな私は歓喜でした。
そして……この日の白眉が椀もの。
ウスイエンドウの椀ものです。味付けは塩だけ。
でも出汁のような旨味が……と聞くと、茹でた時の茹で汁から出汁が出ているとか。
つまり超純粋なウスイエンドウの旨みだけで構成されているのですが、こんなにクリアで美味しいのかと感動。
椀種は湯葉のみ。
それも潔くて良いです。
この日の白眉でした。
鱒の木の芽焼きは写真だけ見ると何だ?となると思うのですが、木の芽を刻んだものが山ほど乗っています。
香りが鮮烈!
そしてこの山椒、柔らかいので決して邪魔になりません。
毎年この時期のスペシャリテだそう。
いやはやこれにも脱帽です。
ご飯は、ウスイエンドウご飯。しみじみ美味しい。
もちろん、ちりめんじゃこやきゃらぶきは自家製。
そしてここでご主人から、鯵の一夜干しを焼いたものが供されたのですが、身は厚く脂のノリも良く、少食の私ですらご飯をおかわり。
最後はいつもの和菓子を。
気に入ったお店は敢えて複数回行くようにしているのですが、今回は本当に素晴らしかったです。
また来ます!
2026/01/11 更新
2025/02 訪問
実直
京都で美味しそうなお店を食べログで探していたところ、こちらのお店を発見。
3週間ほど前に予約し、京都旅の最後の夜に訪れました。
お店に入ると、新築のようにピカピカ。
聞くともう11年になるそうなのですが、にわかに信じられません。
基本的にキッチンが綺麗なお店は当たりのことが多く、期待が高まります。
飲み物は日本酒と自家製しそジュースを頂きました。
日本酒はお猪口を選べます。
すると、日本酒を2種類出して頂き、うちは試飲してから決めてもらっているんですと試飲用お猪口に少し注いでくださいました。
そのようなことは初めての経験だったので驚きです。
しかし、日本酒に詳しくない者からするとありがたいシステム。ご主人はきっと良い人なのだろうなと思います。
さて、一品目は百合根饅頭。百合根は北海道産、かかっているのは浜名湖産の新海苔です。
供される直前に海苔餡を作られており、理由は海苔の香りと味を最大限活かすためとのこと。
供された瞬間、海苔の香りがふわりと。
本当に香りが素晴らしいです。
百合根には塩だけで味付けしているとのことですが、優しい甘みがよく生きています。
八寸は目の前で殻付きのまま炒った銀杏、赤蕪の酢漬け、唐墨大根と、ササイカの煮付けです。
銀杏は殻付きで炒ることで中で蒸され、むっちりとした歯応え。
唐墨はあえて少し日本酒多め、塩分控えめ水分量多め。ねっとりとしつつも程よい塩加減です。
赤蕪の酢加減も抜群。
そして、このササイカの煮付けが最高に美味しかった。この日特に感激したお料理が3つあったのですが、一つ目ははこちらでした。
足を中に詰め、先端には卵も。
火入れの加減が素晴らしく、身がぷりっとしています。聞くと5分ほどサッと炊いているそう。
あまりの美味しさに味付けは…?と伺うと、酒・醤油・みりんだけとのこと。
そうとは信じられない美味しさ。
正直豪華な食材でもなんでもないのですが、なんでもないイカがここまで美味しいということに感動。
お刺身は長崎県産のヨコワに舞鶴産のアオリイカ。
ヨコワというのはクロマグロの若魚のことで、関西では「ヨコワ」、関東では「メジ」と呼ぶそうです。
成魚に比べて脂が少なくあっさりとしたお味。
イカも包丁が入れてあり、寝かせてあるのか甘みを強く感じました。
何より嬉しかったのは、ワサビをその場ですってくださったこと。
すりたての本ワサビは香りがよく、辛味も鮮烈でありながらスッと消えます。
ワサビも残さず完食。
椀物の前に、お椀に使うという野芹を見せてくださいました。生のまま味見。
ご主人が亀岡の奥様のご実家近くで取られたそうです。休日はよく山菜取りに出かけるとのこと。
露地栽培ものしか食べたことがなかったのですが、それとは違い筋ばった感じがありません。
こちらはとても細いのですが、シャッキリとした歯応えはちゃんとあります。
そして香りが強い!
椀物のメインは蛤真薯、そしてこの芹を生で。
生のまま吸い地を注いでおられるのですが、この出し方はうちだけでしょうと。
私も初体験です。
蛤真薯は貝殻に戻しているのが面白い。
蛤の旨みを凝縮しており、刻んだ身も少し入っています。ふわっと柔らかくとても美味しい。
そして芹。生なのでシャキシャキ感はそのままで、香りが広がります。根っこも、土臭くなくやや甘みも感じてとても美味しいです。
蛤真薯と言いながらむしろ芹も主役級。
こちらのお椀が、感激したお料理の2つ目です。
焼き物は鰆の幽庵焼き。
これも火入れの妙で身がふっくら。
皮ぎしは油が乗っていてジューシー。
聞くとやはり備長炭を使っておられました。
自家製の千枚漬けも口直しにちょうど良いです。
自家製というのがまた嬉しいですね。
お口直しに水菜と蟹のおひたし。
亀岡の柚子を絞ってあり、爽やかさを感じます。
炊きものはエイヒレ、九条ねぎ、丸大根の餡掛け。
エイヒレは軟骨が入っているのですが、長時間炊かれているので噛むとくにゃりとして丸ごと食べられます。
大根は口に入れるとほろりと崩れ、ジュワッと出汁が。ねぎも甘味があります。
ご飯は鯛ご飯。三つ葉を刻んで。
この鯛ご飯がこの日感激した3つ目のお料理。
本当に美味しかったです。
ご主人曰く、鯛を丸ごと入れるとどうしても生臭さが出てしまうそうで、あえて切り身にしているそう。
また、鯛の頭と骨でとった出汁で炊いているのですが、一度油分を全て取っているとのことで、あっさりとしていながらクリアな出汁の旨みだけを感じることができます。
生臭さは一切ありません。
今まで食べてきた鯛ご飯で一番美味しい!
お味噌汁はしじみの味噌汁。
一緒に供された白菜の切り漬け。
ご飯お代わり2杯目は切り漬けを挟みながら食べると美味しかったです。
最後は和菓子。
聞くとご主人が以前勤めていらっしゃったお店が和菓子屋さんと関係があり、そちらから仕入れているとのこと。
調べたところご主人は二條ふじ田さんご出身なのですが、その今のご主人藤田さんは二条若狭屋さんの御次男とのことでそちらのお菓子だと思われます。
私がいただいた紅梅の方はほんのり温まっており美味しかったです。
貸切状態だったので色々質問したりしたのですが、ご主人なりの考えがあっての調理法、素材、うつわを使われており、なるほどこだわりがあるのだなと思いました。
そして何より、これだけのコースが12,800円(確か税別)というのが驚きです。
飲み物を加えても二人で30,200円でした。
京都には1人2万3万、あるいはそれを超えるようなお店がごまんとある中で、この価格でこの内容を堪能出来るのは素晴らしいことだと思います。
聞けば普通のサラリーマンがハレの日に来られるように、とこの価格帯にされているとのことでした。
もちろんお高いお店にはその良さがあるとは思うのですが、高級食材目白押しでなくても心から満足できるお店もあるのです。
むしろ、高級食材でなくともここまで感動できる体験というのも良いとは思いませんか?
懐事情もあり、あまり高級なお店には行けないので、こういったお考えなのは嬉しい限りですし、そういったお店は大事にしていかなければならないと改めて感じました。
最後はお店の外までご挨拶してくださり、ふと振り向くとお辞儀をされている。
そんなご主人の実直な性格が、そのまま現れたようなお料理の数々でした。
本当に美味しかったです。
次はまた、季節を変えて伺いたいと思います。
百合根饅頭 新海苔餡
銀杏 赤かぶの甘酢漬け 自家製からすみ大根
ササイカの煮付け
ヨコワ、アオリイカ
野芹
蛤の真薯 天然野芹
鰆の幽庵焼き 自家製千枚漬け
亀岡の柚木
水菜と蟹のおひたし
エイヒレ餡掛け 九条ネギ 丸大根
白菜の切り漬け
しじみのお味噌汁
鯛ご飯
おこげ
自家製赤紫蘇ジュース
お猪口
片口
綺麗なオープンキッチン
外観
2025/03/15 更新
これで3度目の訪問の竹久さんです。
夏ということで暖簾が白に変わっていました。
今回、お料理は14,000円で、ノンアル1杯とと日本酒1合を頂いて32,000円ほどでした。
〜〜〜〜
まずはこの時期に頂ける青梅ソーダを。
泡にもしっかり味がついていまして、ビールのように飲むのが美味しいのです。
さて、一品目はいちじくを春巻きの皮で巻いて揚げたもの。
いちじくから水分が出るので、目の前で手早く包まれ、揚げたてが供されます。
胡麻と組み合わせるのはよく見ますし、天ぷらも時々ありますが、この春巻き皮のパリパリとほちゃっとしたいちじくの食感の対比が面白いです。
また、揚げることで甘みも増していて、これからのお料理が楽しみになりました。
お次は八寸。
中でも、秋刀魚を煮たもの(何とか煮と仰っていたのですが失念……)は脂が乗っていて、煮加減も身が程よく崩れる絶妙さ!絶品!
自家製の青梅煮も爽やかで実に美味しいです。
なぜ日本酒が飲めないのか後悔しました。
お刺身は鯵にアオリイカだったかと思いますが、鯵は身が大きく脂が乗っていてこれまた美味。
山葵も直前にすりおろして頂けるのが最高ですね。
椀物は、今年初の松茸!
まさか松茸が出るとは思っていなかったので仰天(このお値段で……)。
鱧はかなり大きい物だそうで、ふっくらとしています。
秋を感じる味わいです。
そして、いよいよ楽しみにしていた鮎がやってきました。
子持ち鮎でこの大きさがあることに驚きです(結構小ぶり)。
頭の方は自らの脂でカリッとしていて、これはかなり好みの火入れ加減。
お腹は卵がパンパンに詰まっており、みちっとした卵の旨さを存分に感じられました。
実は時期的に子持ち鮎は甘露煮で頂くことが多かったのですが、塩焼きも実に美味しいです!
来て良かった!と思うお品でした。
箸休めに長芋素麺が来て、その後にニシンと茄子を炊いたものが出ます。
奥の茄子の色味の美しいこと……。一緒に炊き上げていないのがポイントで、別で火を入れているそうなんです。
また、茄子自体が新鮮で良い物なのもこの鮮やかな緑を出すポイントだそう。
ご飯は松茸ご飯!
こちらに来ると少食の私がおかわりするという不思議。漬物とちりめんじゃこも美味しいからついつい食べてしまいます。
今回ももちろんおかわりしました。
最後はいつも通り和菓子で〆。
〜〜〜〜
何度も来ると飽きてきたりするものですが、こちらは毎回素晴らしいお料理の数々。
しかも今回は私の大好きな鮎と松茸が出てきたので、非常に満足度の高い回となりました。
またきます!