木蔦さんが投稿した竹久(京都/烏丸御池)の口コミ詳細

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木蔦の食事怗

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竹久丸太町(京都市営)、烏丸御池、二条城前/日本料理

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2025/02 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

実直

京都で美味しそうなお店を食べログで探していたところ、こちらのお店を発見。
3週間ほど前に予約し、京都旅の最後の夜に訪れました。

お店に入ると、新築のようにピカピカ。
聞くともう11年になるそうなのですが、にわかに信じられません。
基本的にキッチンが綺麗なお店は当たりのことが多く、期待が高まります。

飲み物は日本酒と自家製しそジュースを頂きました。
日本酒はお猪口を選べます。
すると、日本酒を2種類出して頂き、うちは試飲してから決めてもらっているんですと試飲用お猪口に少し注いでくださいました。
そのようなことは初めての経験だったので驚きです。
しかし、日本酒に詳しくない者からするとありがたいシステム。ご主人はきっと良い人なのだろうなと思います。

さて、一品目は百合根饅頭。百合根は北海道産、かかっているのは浜名湖産の新海苔です。
供される直前に海苔餡を作られており、理由は海苔の香りと味を最大限活かすためとのこと。
供された瞬間、海苔の香りがふわりと。
本当に香りが素晴らしいです。
百合根には塩だけで味付けしているとのことですが、優しい甘みがよく生きています。

八寸は目の前で殻付きのまま炒った銀杏、赤蕪の酢漬け、唐墨大根と、ササイカの煮付けです。
銀杏は殻付きで炒ることで中で蒸され、むっちりとした歯応え。
唐墨はあえて少し日本酒多め、塩分控えめ水分量多め。ねっとりとしつつも程よい塩加減です。
赤蕪の酢加減も抜群。
そして、このササイカの煮付けが最高に美味しかった。この日特に感激したお料理が3つあったのですが、一つ目ははこちらでした。
足を中に詰め、先端には卵も。
火入れの加減が素晴らしく、身がぷりっとしています。聞くと5分ほどサッと炊いているそう。
あまりの美味しさに味付けは…?と伺うと、酒・醤油・みりんだけとのこと。
そうとは信じられない美味しさ。
正直豪華な食材でもなんでもないのですが、なんでもないイカがここまで美味しいということに感動。

お刺身は長崎県産のヨコワに舞鶴産のアオリイカ。
ヨコワというのはクロマグロの若魚のことで、関西では「ヨコワ」、関東では「メジ」と呼ぶそうです。
成魚に比べて脂が少なくあっさりとしたお味。
イカも包丁が入れてあり、寝かせてあるのか甘みを強く感じました。
何より嬉しかったのは、ワサビをその場ですってくださったこと。
すりたての本ワサビは香りがよく、辛味も鮮烈でありながらスッと消えます。
ワサビも残さず完食。

椀物の前に、お椀に使うという野芹を見せてくださいました。生のまま味見。
ご主人が亀岡の奥様のご実家近くで取られたそうです。休日はよく山菜取りに出かけるとのこと。
露地栽培ものしか食べたことがなかったのですが、それとは違い筋ばった感じがありません。
こちらはとても細いのですが、シャッキリとした歯応えはちゃんとあります。
そして香りが強い!

椀物のメインは蛤真薯、そしてこの芹を生で。
生のまま吸い地を注いでおられるのですが、この出し方はうちだけでしょうと。
私も初体験です。
蛤真薯は貝殻に戻しているのが面白い。
蛤の旨みを凝縮しており、刻んだ身も少し入っています。ふわっと柔らかくとても美味しい。
そして芹。生なのでシャキシャキ感はそのままで、香りが広がります。根っこも、土臭くなくやや甘みも感じてとても美味しいです。
蛤真薯と言いながらむしろ芹も主役級。
こちらのお椀が、感激したお料理の2つ目です。

焼き物は鰆の幽庵焼き。
これも火入れの妙で身がふっくら。
皮ぎしは油が乗っていてジューシー。
聞くとやはり備長炭を使っておられました。
自家製の千枚漬けも口直しにちょうど良いです。
自家製というのがまた嬉しいですね。

お口直しに水菜と蟹のおひたし。
亀岡の柚子を絞ってあり、爽やかさを感じます。

炊きものはエイヒレ、九条ねぎ、丸大根の餡掛け。
エイヒレは軟骨が入っているのですが、長時間炊かれているので噛むとくにゃりとして丸ごと食べられます。
大根は口に入れるとほろりと崩れ、ジュワッと出汁が。ねぎも甘味があります。

ご飯は鯛ご飯。三つ葉を刻んで。
この鯛ご飯がこの日感激した3つ目のお料理。
本当に美味しかったです。
ご主人曰く、鯛を丸ごと入れるとどうしても生臭さが出てしまうそうで、あえて切り身にしているそう。
また、鯛の頭と骨でとった出汁で炊いているのですが、一度油分を全て取っているとのことで、あっさりとしていながらクリアな出汁の旨みだけを感じることができます。
生臭さは一切ありません。
今まで食べてきた鯛ご飯で一番美味しい!
お味噌汁はしじみの味噌汁。
一緒に供された白菜の切り漬け。
ご飯お代わり2杯目は切り漬けを挟みながら食べると美味しかったです。

最後は和菓子。
聞くとご主人が以前勤めていらっしゃったお店が和菓子屋さんと関係があり、そちらから仕入れているとのこと。
調べたところご主人は二條ふじ田さんご出身なのですが、その今のご主人藤田さんは二条若狭屋さんの御次男とのことでそちらのお菓子だと思われます。
私がいただいた紅梅の方はほんのり温まっており美味しかったです。

貸切状態だったので色々質問したりしたのですが、ご主人なりの考えがあっての調理法、素材、うつわを使われており、なるほどこだわりがあるのだなと思いました。

そして何より、これだけのコースが12,800円(確か税別)というのが驚きです。
飲み物を加えても二人で30,200円でした。
京都には1人2万3万、あるいはそれを超えるようなお店がごまんとある中で、この価格でこの内容を堪能出来るのは素晴らしいことだと思います。
聞けば普通のサラリーマンがハレの日に来られるように、とこの価格帯にされているとのことでした。

もちろんお高いお店にはその良さがあるとは思うのですが、高級食材目白押しでなくても心から満足できるお店もあるのです。
むしろ、高級食材でなくともここまで感動できる体験というのも良いとは思いませんか?
懐事情もあり、あまり高級なお店には行けないので、こういったお考えなのは嬉しい限りですし、そういったお店は大事にしていかなければならないと改めて感じました。

最後はお店の外までご挨拶してくださり、ふと振り向くとお辞儀をされている。
そんなご主人の実直な性格が、そのまま現れたようなお料理の数々でした。
本当に美味しかったです。

次はまた、季節を変えて伺いたいと思います。

  • 百合根饅頭 新海苔餡

  • 銀杏 赤かぶの甘酢漬け 自家製からすみ大根

  • ササイカの煮付け

  • ヨコワ、アオリイカ

  • 野芹

  • 蛤の真薯 天然野芹

  • 鰆の幽庵焼き 自家製千枚漬け

  • 亀岡の柚木

  • 水菜と蟹のおひたし

  • エイヒレ餡掛け 九条ネギ 丸大根

  • 白菜の切り漬け

  • しじみのお味噌汁

  • 鯛ご飯

  • おこげ

  • 自家製赤紫蘇ジュース

  • お猪口

  • 片口

  • 綺麗なオープンキッチン

  • 外観

2025/03/15 更新

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