5回
2025/11 訪問
炭火の魔力と、磨き抜かれた一品一品
連休初日に訪問。色々嗜みました。
厳選してレビュー。他は写真をご参照ください。
☆☆短冊(すだち醤油)
短冊の鰻は、蒸しごく軽め(蒸してない?)。身の弾力とフレッシュ感を楽しめます。
この日はパリパリの皮に、身の脂とみずみずしさが加わり爽快な食べ応え。これまででも指折りの美味しさ。
☆☆☆肝焼き
小ぶりの肝の繊細なコク、すっきりした苦味、じっくり焼き上げた炭火の技と香りが絶妙にマッチ、若大将の腕の冴え。焼きたても冷めても全て美味しい!
☆☆白焼き
鰻のコンディションによって、蒸し・焼きの時間が変わります。この日はじっくり焼きの時間が少しだけ短めかな?
炭火の香りと焼き加減で、腹から尻尾までの部位ごとの微妙な味を楽しむ。醤油・下ろし本山葵が興を添えます。
◎日本酒 大山(本醸造 飛切、山形)
大山は良いお酒と思います。淡麗さが此方の繊細な鰻とよく合います。一方で、大山でも実に色々種類があるし、あるいは他の銘柄と合わせてみたいな、と思ったり。
◎お新香
胡瓜と大根のぬか漬け。カリッとした歯応えとぬかの香りが身上です。この日はやや浅漬け。
☆冷やしトマト
甘さはフルーツトマト並み、かつみずみずしい。
食べた後は大山も引っ張られて甘くなります(笑)
スーパーでもトマトはすごく高くなりましたが、変わらずに良い品を仕入れてくれています。
前回レビューで「復活」と書きましたが、今回さらに磨きがかかり、インバウンド活況以前の高いレベルに戻ったと感じます。
ブランド鰻を濃厚・パワフルに食べさせるお店が脚光を浴びるなか(当然お値段もパワフル)、此方は小ぶりな鰻を、誠実・丁寧に焼き上げ、繊細な美味しさで食べさせるのが身上。サイドの野菜メニューも秀逸です。
個人的には、タレで仕上げる蒲焼きより、炭火の魔力が引き立つ白焼きや串物(短冊・えり焼き・肝焼き)がより好み。
テクニカルな鰻を求める方に特にお勧めです。
手前から、お酒のつき出し・メカブ、お新香、日本酒(大山)
お新香はぬか漬け。風味・色良し ◎
短冊。蒸しを抑えてフレッシュな歯応え ☆☆
照り・コク抜群の肝焼き☆☆☆/塩味で複雑な味わいのえり焼き(頭)◎
冷やしトマト。フレッシュで甘い ☆
繊細な技のほどが楽しめる白焼き ☆☆
タレの軽さを生かした鰻丼(ご飯少なめ) ◎
鰻丼のセット。肝吸いは香り高い出汁が光る ◎
鰻重・蒲焼き等
うなぎ串焼き
おつまみメニュー
入口横のパネル。左はご存じ「美味しんぼ」、右は東京ガイドブック掲載の漫画
2025/11/06 更新
2025/08 訪問
復活の日
今年初めて、8カ月ぶりに訪問。
◎大山 本醸造
軽くて飲みやすい。こちらの料理に抜群に合う。
◯キャベツ紫蘇の実和え
キャベツが軽く爽やかな歯ごたえ。調味は少し人工感があるも、心強い酒の友。
◎肝焼き、◎えり焼き
この日、肝焼きはサラリ、えり焼きは塩強め。美味しくなることを期待して少し時間を置いたら、味がなじんで深まり、グッと向上。ああ、良かった。
☆短冊(にんにく醤油)
蒸さずにじっくり焼き。弾力とフレッシュさの中にも後引く旨み。にんにく醤油もちょっとつけて良し、キャベツにつけて良し、そのまま酒の肴でさらに良し(笑)。
☆冷やしトマト
大きく紅く、みずみずしくて甘い。たいへん良いトマト。
塩は相棒、マヨ要らず。
☆☆白焼き
小ぶりな鰻には、白焼きがよく似合う。冬場はきつく感じる脂も、この時季には快い。
…と言えるのも、焼きが良ければこそ。じっくり時間をかけた鰻は、まず香り抜群、何もつけずとも風味絶佳。時間が経てば違った味わい。ちょっと醤油をつけ、ちょっと下ろし生ワサビとともに、と幾重もの美味しさを反復できる幸せ。
大山は計3杯。ダメですね(笑)
此方は炭火焼きの魅力と奥深さを教えてもらった、私にとって思い入れの強いお店です。
コロナ禍が明け、お店は賑わいを取り戻しました。
パートさんを雇い、英語つきのメニュー帳も用意。
一方でちょっと価格は上がり、焼きは短くなってしまいました。待たされれば不満に思うお客も出るもので、やむなし、とも思いますが、焼きの魅力はいっとき薄れていました。
1年前の夏のあたりで兆候が表れ、年末にはっきり。
寡黙な若大将にも元気がなく感じられたものです。
その間はレビューも見送っていました。
今回は年末以来の、祈る気持ちでの訪問でしたが、
鰻もアテも質良く、炭火の良さも復活。
楽しめた、というより、すごくうれしかったのです。
近々伺い、今度は純粋に楽しみたいと思います。
2025/08/10 更新
2024/06 訪問
夏の鰻は、技を食す
2回目レビューです。休日昼訪問。
開店10分少し前に到着も、かなり先客が。
ぎりぎり、入口すぐのカウンター席に座れました。
焼きの様子がよく見えるので、ラッキーです。
「大山」をちびちび飲りつつ、色々注文。
特に印象深かったメニューを記します。
◎肝焼き
肝は少し苦め&良いコク。管部分はシコシコ。
熱いときも冷めても美味しい。
◎短冊(すだち醤油)
じっくり蒸して、焼きは意外に短め。
軽やか軟らか、かつ適度な歯応え。
香りも良く、すだち醤油をつけずとも美味。
醤油が余ってしまいました(泣)
☆☆白焼き
このお店のキングと思っています。
これもじっくり蒸した後、高温で焼き上げる。
脂は冬季ほど強くないのが、かえって身の
しっとり/ふわふわ感、皮目のパリパリ感、
そして炭火焼きの圧倒的な香りを引き立てます。
尾に近い所は何もつけないのが風味絶佳、
お腹の近くは本ワサビ、あるいは出汁醤油を
ほんの少しつけて。
楽しみ(&お酒)が止まりません。
☆鰻丼
かなりお腹が落ち着いて、
これでやめとけと良心の声。
苦悩の末に、やっぱり食べたくて注文(笑)。
小ぶりな鰻は軟らかく軽やかに甘い。
ご飯も上々。お吸い物も素晴らしい出汁。
夢中にかきこみ、満腹に。嗚呼!
夏場の鰻は脂の強さが少し引っ込み、
代わりにほかの様々な要素が見えてきます。
いつもながらの蒸し、焼きの見事さ。
さっぱりしたアテ(お新香、冷しトマト等)や
淡麗な「大山」も、鰻を一層引き立てる。
技を楽しむ時節の到来です。
大いに満足しました。
ごちそうさまでした。
キャベツ紫蘇の実あえ、(付きだし)めかぶ酢、お酒(大山)
肝焼き、えり焼き。今回は肝焼きが見事
短冊。そのまま食べても美味しい
白焼き。見事な蒸し・焼きで香り高い。皮を取った下ろしワサビもよく合います
鰻丼。素敵な見た目通りの素晴らしさ
2024/06/23 更新
2023/12 訪問
焼きの妙技を堪能できます
とっておきのお店のひとつ。
フリーになった日のお昼に訪問することが多いです。何ともぜいたくな昼飲み時間です。
今回は年の瀬お昼に訪問。開店ちょうどに到着も、
満席になり、少し待ちました。
◎日本酒 冬季は「天龍」にごりが加わります。
にごり好きにとっては待望のマストアイテム。
今回は2杯めに安定の名酒「大山」を選びました。単独の味は「天龍」が好みですが、
焼き物との相性は「大山」が実に玄妙な相乗効果をもたらします。
◎突きだし(めかぶ)、きゃべつとしその実和え
突きだしは基本的にめかぶ。実にお酒と合います(笑)
きゃべつはしその実漬けがアクセント。
つまみに箸休めに、長く活躍してくれます。
◎短冊(うなぎ2串)
すだち醤油とにんにく醤油が選べます。
この日はすだち醤油を選びましたが、
ともに甲乙つけ難い。鰻の加減によって、
より合うほうが変わるのが困りものです(笑)
◎えり焼き、肝焼き
若大将が丁寧に仕上げる焼き物は、
毎回安定の美味しさですが、
日によって貌を変える面白さがあります。
ひと口めで「うわ美味しい!」となったときも、
思いきって少し時間を置いてみます。
そうすると旨みがなじみ、より美味しくなることが
あるのです!
この言うなれば「旨みの熟成」、
このお店に教えてもらいました。
そのおかげで焼き物好きになった気がします(笑)
この日は特に肝焼きが絶品でした。
◎白焼き
メインです。
まずは来た瞬間、ふわんと香りが広がります。
小ぶりの鰻の繊細さが、
じっくり蒸し、焼くことで全開になります。
カミ、シモそれぞれの味の違いも鮮明です。
皮目の美味しさも特筆。パリッとしたところ、
ねっとりしたところ。皮の価値を知りました。
本ワサビ(下ろしてくれます)、たまり醤油も
実に効果的なアクセントをもたらします。
もっとも、少し付けるだけで美味しいので、
余ってしまうのが心苦しいのですが…。
◎鰻丼
お酒を楽しみながらだと、ここまで辿り着けない
ことも多いのですが、完走できました。
小さめの丼に、硬めに炊いた御飯、照り照りの鰻。
甘みを抑え、キリッとしたタレが仲介となり、
渾然一体となった味わいを形成します。
一心不乱、一気呵成にかきこみましょう(笑)
私のようなたらふく食べ飲みさんも、
鰻重をサッと食べるお客さんも、
満喫させてくれるお店。
家族経営、お昼は「川二郎」の女将さんも
助勢に来てくれます。
目配りも行き届き、ゆったりしたひとときを
過ごすことができるお店です。
2023/12/30 更新
年末を迎えた土曜日昼に訪問。この時季の鰻は脂の乗りが良く、一方でそれが過剰に感じられることもあって、ワクワク8割ドキドキ2割といった心持ち。
今回はご飯物なしで、鰻と日本酒に専心しました。
◎【天龍(長野)本醸造にごり】
甘酒要素のあるような甘さと濃いにごり。トロリとしてとても美味ですが、他の料理の味わいを奪い取るような面もあり悩ましい。
【鰻串】◎肝焼き ☆えり焼き ◎短冊(にんにく醤油)
脂の強さに対して、肝はタレ、えりは強い塩と焼き目、短冊はフレッシュ感で対抗。特にえりが秀逸。
☆【大山(山形)】×2
此方は天龍と対照的に、すっきり淡麗で他の料理の味を引き立てる。特に天龍の後に飲むとその効果が顕著で、ここから料理たちにうなる事態に。
☆☆☆☆【白焼き】
味治の真髄は白焼きに在り。小ぶりな鰻をじっくり蒸し、焼くこと30分余り。狐色の焼き目の醸す炭火の香りと、口に含めば秘められた鰻の魅力が爆発する。盛りの脂に、天龍→大山で高められた味覚、丁寧な仕事全ての歯車が噛み合い、この品を食すること三十余回で最も美味に。添えられた生山葵・良い醤油さえもが余分に感じた、忘我の十数分。
土曜日の昼下がり、他のお客も総じて静かな方々で、鰻重にお酒に取り組む。超ベテランの大将は、昼間は奥でひたすら仕込み。焼きを務める若大将、他の調理・提供は大将の娘さんたち。夜の賑わいよりも昼営業のこの雰囲気が好きで、ずっと通っています。
今回は完全に脱帽、降参です。謹んで満点を捧げます。