6回
2025/12 訪問
夜のメニュー 深く切り込む《淡くち》と、ワイドで力強い《濃くち》
琥珀色のスープ「淡くち」
セメント色の旨さの沼「濃くち」
2025/12/16 更新
2025/08 訪問
更なる次元を邁進中、驚くべき高みの冷やし煮干ソバ【限定】
お店Ｘで凄く気になる限定冷やしソバ情報を得て訪問。
冷やしはほぼ昼のみの限定で、10食未満という高嶺の花。
昨年まではごくたまに提供のゲリラ限定でしたが、酷暑の今年は頻繁に登場。
平日11:30到着、並び9番手。この日は限定7食で不安でしたが、セーフ。冷やし初体験が叶いました。
☆☆☆【焼きアゴと特選伊吹いりこの冷やしソバ】1300円
焼きアゴ1kg、一番物伊吹いりこ500gを火入れなしで抽出したという琥珀色のスープは、香ばしさと深い旨みが口中に広がる。かなり多めの油は純粋な煮干油、素晴らしい風味。鮮やかで濃厚、それでいて後味は至ってすっきり。
三河屋製麺の特注麺は、冷水で締めるとコシが一段強く、ひと回り太くなったような錯覚が。麺をすするとスープが自己主張せず、天然水の絡んだ蕎麦を味わっているかのよう。
チャーシューはいつもの醤油ダレジューシーのものでなく、締まった叉焼タイプ。スープに滲み出さず、噛めば肉の旨みがあふれる。タマネギもよくさらして。スープを阻害しないよう、注意が払われています。まさに透徹の極み。
☆のり玉和え玉
岩海苔・卵が輝くと思いきや、この日の花形はなんとお酢。四万十・マルハン醤油謹製のお酢で、醸造酢の香りはそのままにすごく優しく柔らかい！ 麺もタレも包み込んで一段上の味わいに高める、恐るべきリーサルウェポン。
四国各メーカーの醤油・塩をはじめとする調味料を得て、ご店主の工夫は留まるところを知らない感じ。今回の冷やしソバは、数々の要素を研ぎ澄ませた凄みがありました。
更なる高い次元で、これからも探究は続いていくことでしょう。看板メニューの中華ソバも食べてみないとなあ。
【1日限定】焼きアゴと特選伊吹いりこの冷やしソバ
のり玉和え玉
味変の超兵器・マルハンの薄口醤油とお酢
2025/08/08 更新
2025/06 訪問
カエシの抜本的改良で、旨さ凄味を大幅に増した、ハードタイプ煮干ソバの雄
土曜日、昼飲みの後京成立石で2軒めを探すもピンと来ず、帰宅して仕切り直し、土曜夜に時折提供の限定「豊潤LEXs」目当てにこちらへ。
現在は土曜昼夜のみ記帳制、夜は17時記帳開始で18:15より営業。17:30到着、12番手。18:25集合の第2グループでした。
【豊潤LEXs】1300円
5月あたりから、創業以来あまり変えていなかったカエシの構成を大きく改良したそう。スープの色が濃くなり、琥珀色に。醤油もグレードアップ、煮豚の色もブラウン強め。
厳選された煮干しに高級昆布のスープとカエシが相まって、旨みが強いのに突出せず、まろやかな深さ。今までの淡麗系と大きく異なる美味しさです。
三河屋製麺特注ザクパツ麺との相性も抜群。これまではあまりにスープが美味しいと、麺なしやご飯と合わせたら、などと考えることもありましたが、初めてこのスープにこの麺が最適と思いました。麺単独ですすり、あるいはスープとともに味わい、3割スープを残して麺完食。
【のり玉和え玉】400円
和え玉に丹波のやまぶき卵、四万十川の岩海苔をプラス。
和え玉のタレも色濃くなりました。良い卵は生が圧倒的に良い。岩海苔は少量ですが、ほんの欠片でも口中に良い香りが広がります。和え玉は塩分等の関係で基本あまり食べませんが、こののり玉和え玉はあれば頼んでしまう恐ろしい品。
提供時に「底からよく混ぜて」と言われますが、混ぜずに麺のみ、タレとのみ、白身と、後半は黄身をつぶして、と色々変えて存分に違いを堪能。
残ったスープとともに綺麗に平らげてフィニッシュ。
ご店主は高知で大きな知見を得られたそうで、醤油をはじめ多くの食材に高知産が加入。
改良はじめに一度伺ったときにはカエシの強さが目立ちましたが、今回はずっとまろやかに。ハードな煮干し系で慣れも必要なところがありますが、全ての構成要素への追究は、とどまる所を知りません。
価格は計1700円とやや上がりましたが、原価率は優に5割を超えているはずです。
評点はラーメン最高となる4.9、あるいは5.0も？と思っていましたが、旨み丸みで抑えめだと思った、イヤ信じようとした塩分量はやはり相当なもので、夜中にかけてかなーり胃が重くなりました。自戒を込めて4.8に(涙)。
頻度には気をつけつつ、これからも進化のほどを楽しんでいこうと思います。
豊潤LEXs。琥珀色のスープが誘う
のり玉和え玉。素材全てが特級品
2025/06/10 更新
2024/06 訪問
【夜メニュー・豊潤】煮干し・麺・昆布、三位一体の絶妙バランス取り
レビュー３回目。今回は、春から始まった
夜の「淡麗」に代わる、「豊潤」を。
少し遅くなり、18:15の開店時に到着すると、
記入帳はすでに47人埋まり、さすがの人気。
19:35の回になりました。
この日は豊潤27、濃厚Ｇ11、濃厚ハードコア系入門編26の事前告知。狙いは豊潤１点で、
自分まで残っているか心配でしたが、
無事注文できました。
味玉とともにオーダー。
まずはスープを１口。少し苦みのある煮干しを軸に、確かな昆布の旨みも。煮干油が丸みを添えて、ゴージャスな味わい。
思わず４口飲んでしまい、あわてて麺へ。
麺は普段よりさらに少し硬めの印象。
パツプツの食感が、スープと絶妙にマッチ。
券売機に、豊潤は海苔なしとわざわざ注記が
ありましたが、確かになしのほうが純粋に
スープを楽しめそうです。
甘みのあるチャーシュー、
濃厚な味玉も、さすがの出来。
大満足で完食完飲しました。
豊潤を食べたのは、今回で３回目。
前２回は、すごく上質という昆布からの味が
煮干しと調和しきれておらず、
三河屋製麺の特注麺も孤立している印象。
メンバーは個々に強力なのに、チームとしては
まとまっていない感じを受けました。
それが今回は、煮干し・昆布・麺がよく調和して、このスープならこの麺、と感じる、
まさに三位一体のチーム力で驚きました。
淡麗に比べて、旨み、苦み、油、塩分すべてがアップした上でのバランスと思います。
１回目のレビューに「煮干しの求道者」と
書きましたが、店主の追求は最近煮干しのみならず、昆布、チャーシュー、玉子など、それこそ全てに及んでいる感があります。
これからさらにどうなっていくのか、楽しみです。
ごちそうさまでした。
豊潤＋味玉
2024/06/26 更新
2024/02 訪問
「アマテラス」の凄み
レビュー２回目。土曜日昼、こちらの
看板メニューである「中華ソバ」の
「煮干度 アマテラス」の報を聞き、
駆けつけました。
12:15到着、記帳は13:55の回になり、
周辺を散策して過ごしました。
歩き回るうちにお腹ペコペコになり、
中華ソバに加えて肉めし、味玉、海苔と
贅沢オーダー(笑)。
到着した中華ソバ。まずはスープを一口、
口中に旨さがあふれます。
大量の煮干は相応の塩辛さがネックですが、
この日は塩分をねじ伏せる鮮烈な旨味。
最近の味の告知で時に目にする、おそらく
現時点での最上級であろう「アマテラス」。
ようやく初体験し、そして圧倒されました。
チャーシュー、味玉、海苔も、変わらぬ
ハイレベル。
麺、スープ、タレのかかったご飯、味玉、
海苔の取り合わせを様々に楽しみ、
最後にスープを飲み干してフィニッシュ。
大満足です。
食後ほどなく、口中に香ばしい煮干を感じます。これは焼きアゴでしょうか。
良い出来の回は、食べた後しばらく残る余韻も楽しみの一環。
この日は私の集合時間にはすでに予定数
完売になっていました。
一杯にありつくまで少し時間はかかりますが、待った分募る期待をさらに上回る、
素晴らしい味でした。
中華ソバ＋味玉・海苔
肉めしアップ
2024/03/01 更新
2023/12 訪問
煮干しの求道者
年末最終営業日に訪問。
看板メニューの「中華ソバ」1000円に、
「味玉」100円、「肉めし」150円。
長蛇の列が風物詩だったこのお店も、
記帳制が導入され、きっちりした
時間管理で利用しやすくなりました。
待ち時間は、近くの総合スーパーなどで
しのげます。
とにかく数種類の煮干しを大量に使うこのお店、
巧みに塩味を抑える技巧を駆使しているよう
ですが、どうしても塩辛くなってしまいます。
しかし、出来のいい（と私の思う）ときは、
塩味を塗り潰す旨みがあふれ、
強烈な満足感をもたらします。
熱心なファンが多い所以でしょう。
さてこの日。塩味と旨みが拮抗して、
好みの「美味しいっ！」までにはなりません
でしたが、ごはんにスープを合わせなどしつつ、
楽しみました。
一番の焦点はスープでしょうが、
こちらのポイントはそれ以外の具材にもあります。
玉ねぎ、海苔の品質の高さ、
分厚くちょっと甘い煮豚、
その切り落としがたっぷり乗った肉めし、
味と固さが絶妙の味玉。
材料や光熱費、とりわけ煮干しの価格が高騰した
昨今、この水準をこの値段で実現しているのは、
敬意しかありません。
店主は寡黙な求道者のたたずまい、
お店には緊張感がありますし、
私は食べるのが早くないので、
後の人たちを考えて味わう余裕がないのが残念ですが、
行くたびに違う貌を見せてくれるこのお店、
とても好きです。
2023/12/30 更新
ランキングと口コミで探せるグルメサイト
グルメキュレーションサイト
毎日の外食が楽しくなるグルメ情報
土曜日夕方、板橋駅近くのお店が大繁盛でアウト、うろうろしながらお店を探し、流れ流れて何と此方まで。並び6名。
たっぷり歩いてすっかり腹ペコ、さて…
【オリーブいりこの淡くち】1100円 味4.2
琥珀色のスープ。オリーブいりこは体験4回目、まろやかな特徴はこれまでで一番。カエシも強い。煮豚はタレを沁ませず、スープを邪魔しない構成。
旨みは鋭く切り込む感じ。深いぶん慣れると感じなくなるので、時折水で口をリセットしながら味わいました。
麺は食べ始めが一番合う印象。スープの旨さがピーキーなため、麺がスープを含みヤワくなるとかなり味わいが変わるのが悩ましいところ。
完食完飲、まだ余裕がある。外待ちも1人でチャンス到来と、連食することにしました。
【濃くち】1200円＋海苔増し100円 味4.6
淡口と対照的なセメント色スープは、酸味もあるショッパー煮干。しかし動物も加わり旨みも圧倒的で、酸味塩味をすぐに塗り潰してしまいます。
煮豚もタレにつけ温め、甘く柔らかくジューシー。タマネギも淡くちに比べて主張強め、爽やかで◎。麺もワイルドなぶん、時間経過も気になりません。
中盤、スープにニンニクとハーブのような香りが現れてきました。これが最近加わったという青森産ニンニク・高知産葉ニンニクか!? スープは凄く強いのにワイドな旨さがマイルドでもある。終盤はスパイシー感も加わって、他店でも類型のない旨さぎゅうぎゅう詰めの沼を、夢中で完飲。
ああ、やっちゃったなあ。でも美味しかった。でもしばらく胃はいたわろう(笑)
「伊吹」では初めての連食でしたが、煮干の特徴を繊細に引き出す「淡くち」と、旨みも個性も強い具材の面々を生かし切る「濃くち」両方を食べ比べ、違いを感じることができた気がします。
「技の淡くち、力の濃くち」などではなく、双方とも技術の粋を尽くした品。スープ同士は甲乙つけがたい。スープだけでなく麺・チャーシュー・タマネギとのトータルバランスでは「濃くち」が好みでした。
お店は夜になるとほぼ人通りがなくなるエリア。でも退店時に外待ちは7名と増えており、この店のためだけに人を呼び寄せる力は凄いと思います。
でも原価も物凄く、数を売らないといけないため、客足が不安定な平日には、ご店主が公式Ｘでしばしばため息も。
淡くち、濃くちとも、他にない個性爆発。煮干大好きな方ならば、エースメニュー・昼の「中華ソバ」だけでなく、夜に足を運ばれる価値があると思います。