2回
2024/01 訪問
ゴージャスな旨みの饗宴
平日午後、通し営業がありがたい時間帯。
待ちなく入れました。
チャーシュー必須の前提で、小考して
チャーシューエビワンタンメン(チャエビ)を
オーダー。一番の贅沢メニューです。
届いた1杯は、整った麺線、澄んだスープ、
綺麗に具材が並んだ「たんたん亭系」の美学。
数年前の初訪以来、その美味しさに打たれ、
年に数回訪問しつつ、他の「たんたん亭系」
へも意識的に行っていますが、
ワンタンはどのお店も総じて高レベルの中、
ほんのり甘く仕上げられた叉焼(チャーシュー麺には2種類入ります)と、
豚、鶏、節、煮干に加え昆布、干し椎茸
(スープが冷めてくるとよく分かります)
など、豊富な材料を調和させたスープは、
系統他店の追随を許さぬ美味しさと思います。
今回素晴らしかったのは叉焼。噛みしめるほどに出る旨さは過去トップ級でした。
スープはカエシがやや少なめ、麺がやや軟らかめだったため、優しい味に。
毎回微妙な変化がありながら、とてもハイレベルな、各種旨みの饗宴です。
鶏、醤油、煮干しなど、材料を絞り、
厳選・吟味して研ぎ澄ませたラーメンも好きですが、
私は多くの材料から旨みを抽出、重層させた
ラーメンにより惹かれます。
このお店は、私の一番好きなラーメン店。
はす向かいにある個人経営書店の名店
「サンブックス浜田山」とともに、
年数回、存分に楽しんでおります。
2024/01/30 更新
雨の降る平日夕方前。夜にお酒の予定を入れたもののどうにも空腹で、半年ぶりに立ち寄りました。
ボリュームのあるメニューは避けようと、初めての「ワンタンスープ」(肉・エビワンタン各5個)にしようかなと思いましたが、肉ワンタン5個は重くない?ということで、こちらに。
【エビワンタンメン(エビワンタン6個入り)】1500円
スープ温度が高いこともあり、最初はフラットめの味わい。トゥルントゥルンの一歩手前でわずかに腰を残した、ロングスカートのワンタン皮は、いつもながら見事。エビのプリプリ食感も素敵です。
麺はハードな茹で加減ながら、加水率が低いため伸びは早い。でも節約せずに食べれば、伸びきる前に食べきれるはず。
蜂蜜を塗って焼き上げる叉焼は、ウデ2切れ。1切れは端っこで、香ばしさが抜群。チャーシューメンにすると入らないトコロなのでラッキー(笑)。
麺がなくなりワンタンスープになった後半は、温度低下とともに、徐々に魚介・野菜・乾物といった、スープの構成員たちが姿を現します。チャーシューや肉ワンタン入りのメニューよりも、きっとカエシの量は控えめ。それだけに出汁の魅力がよく分かります。
表面の油は多いのに、クリアで軽い。
考え抜かれた一品。
名残惜しく完食。最後のひと口が一番美味しい、理想的なフィニッシュになりました。
客席と同じ高さで、調理のほどを存分に観察されるキッチン部。
バッチリ湯切りでき、スープに悪影響を与えないが、高い技術が求められる平ザル麺上げ(しかも麺線を整える必要あり)。
多種の材料を使い、滋味深いが手間暇原価のかかるスープ。
じっくり焼き上げる叉焼に、プリプリ海老ワンタンもやはりコストが重い。
全ては美味しさにつながりますが、気づかれにくく、真似をするにはハードルの高いものばかり。
ここを巣立った数多の子どもたち、孫たちのお店は、インパクトやヒキの名のもとにこれらの多くを省いています。美味しい店・有名店も多いけれど、重厚な奥深さで、この総本山を継承しているお店はないのではと思うのです。
硬めで旨みの深い叉焼が大好きで、ほぼ毎回チャーシューメン系を頼んでいたため、訪問20数回めにしてエビワンタンメンは初めてでしたが、スープの美味しさを純粋に味わうことができて感慨も新たに。
でも叉焼の魅力も捨てがたく、次回以降さらに悩むことになりそうです(笑)