5回
2025/03 訪問
今宵は鹿さんのフルコース
大将より「鹿が入荷しました!」と連れに連絡が入り、今夜は鹿さんのフルコースです。
フレンチのメインで鹿のお肉を食べることはよくあるのですが、フルコースは初めてでしたので胸が高鳴ります。
脳内ではもののけ姫のBGMが再生され、「シシ神の元へ行こう!」という乙事主の名ゼリフが頭をよぎりました。
逸る気持ちを抑え、ROCOCOビールで乾杯です。
つい最近こちらの会社の偉い方がいらっしゃったとのこと。本まで置いてありました。
東京で何度か飲んだことがありますが、苦味のない滑らかなホワイトビールです。
個人的には薄味に感じてしまい、ビールが苦手な人向けかなぁという印象。
高級路線で比較すると、INEDITのほうが好きです。
いよいよコースがスタート。
薪も大将自ら用意されているとのこと。
◎鹿児島牛 シャトーブリアン 刺身
まずは牛さんでウォーミングアップ。
いつも出てくる文句なく超旨いやつ。
スライスしたニンニクと醤油で食べるのが好きです。
○新人参 昆布締め
細い人参を葉っぱごと。
シャキシャキして美味しい。
葉っぱは硬くてパサパサした春菊のようですが、ビタミンなど栄養素に富んでおり、全ていただきました。
ここで鹿のタン、ハツ、レバーを見せてくれます。
牛と比べるとだいぶ小ぶりで、ハツやレバーはヒトのそれと大差ないサイズ感です。
◎鹿肉 マクラ
ソトモモの内側にある部位。
低温調理のタタキでいただきます。
肉質は硬めで噛みごたえあり。
肉の旨みが凝縮された部位。
やはりジビエはマッチョだ。
筋肉が発達し、無駄な脂はない。
○Umberto Cesari Sangiovese Riserva
カシスの甘い香りにスミレや胡椒のニュアンス、しっかりとしたタンニンを感じ、鹿肉に良く合います。
サンジョベーゼ100%。
◎鹿肉 ウチヒラ
ローストヴェニスンと呼ぶのでしょうか。
柔らかく、上質なタンパク質の塊です。
お土産にも大量にいただきました。
○Oveja Negra Lost Barrel 2017
ブラックベリー、カシス、なめし革。タンニンしっかり。今夜はジビエでこういったワインが続く。
カベルネ・フラン、カリニャン、プティ・ヴェルド。
○牛骨、スジのジュレ
新玉ねぎムースにピューレ、うど、根室の生ウニ。
さっぱりといただきました。
混ぜて食べると幸せな気持ちになります。
鹿タン、鹿ハツ、鹿レバー盛り合わせ
◎鹿タン
今までのマッチョな赤身肉とは異なり、タンは非常に柔らかく脂肪に富んでいます。
甘みがあって美味しい。
◎鹿ハツ
ハツはコリコリとした歯応えかつ滑らかな舌触りで、噛み締めるたびに鹿さんの血を感じます。
◎鹿レバー
牛とは異なり、独特な野生の風味を帯びたレバー。
牛レバー以上に鉄分を濃く感じる。
中はレア〜ミディアムレアで、とろ〜っと柔らかく、形状をかろうじて保っています。
付け合わせの野菜は、わさびな、からしな、トレビス。辛味や苦味がジビエの内臓を食べた後のお口直しにピッタリです。
◎ Saldo Zinfandel
ブラックチェリーのような華やか香り。
ヴィンテージは確認せず。
以前もこちらで何度かいただきました。
○金柑のジュース
店オリジナルの金柑ジュース。
薄味に感じ、当店のソフトドリンクはオリジナルのクラフトコーラがオススメです。
○鹿 ミスジ
鹿の血を入れた醤油でいただきます。
噛みごたえと旨味があります。
紅菜茎(こうさいたい)と。
見た目菜の花ですがクセがなく食べやすい。
それにしても、鹿肉はどの部位も焼いてしまうと真っ黒な外見になりますね。
ここで白が飲みたいと無茶振り。
○Domaine du Salvard Delaille Cheverny WT 2021
レモンのようなフレッシュでフルーティーな香り。
ソーヴィニヨン・ブラン84%、シャルドネ16%。
◎鹿リブ
林檎やジャボチカバを煮詰めたソースで味付けされており、甘みがあって非常に美味しい。
肋骨を手掴みしてむしゃぶりつきます。
肉や脂の旨味を存分に感じられる、本日最もワイルドな一品。
シャキシャキした京菜とともに。
◎Tボーン
手前フィレ、奥はサーロイン。
とても柔らかく上質な赤身肉です。
鹿のグレイビーソースが濃厚でよく絡む。
人参、甘いです。
○Phoenix Cabernet Sauvignon Penley Estate
プラムやカシスのような香りで、酸もしっかり。
◎和牛のトモサンカクと鹿肉のシンシン
インカの目覚め、黒キャベツの芽、蕪、トリュフ
大腿の付け根の筋肉がシンタマですが、トモサンカクおよびシンシンはシンタマを4部位に分けたうちの一つです。
トモサンカクはサシが入りやすく味にコクがあります。やはり、前回の鴨や今回の鹿から一周回って牛は美味しい。
シンシンはシンタマの中心に位置し、シンタマの中では一番きめ細かく柔らかい。鹿肉の旨味が詰まった味わい。トリュフとの相性も良い。
○鹿肉のパスタ
ボロネーゼのソースにパルミジャーノレッジャーノが掛けられた濃厚な一品。
鹿肉がゴロゴロ入っており食べ応えがあります。
○鹿のスープ
鹿の脂や旨味が滲み出たスープ。
最後の2品(パスタとスープ)は胃にもたれました。
連れがお誕生日をお祝いしてくれたため、お誕生日ケーキ、お店からのお花、I LOVE BEEF OKINAWAのお肉(ソトヒラ 約1600g)、お土産のローストヴェニスンをいただきました。
おうちでも鹿コースの続きができます。
ありがとうございました。
次回は初心に返り、最高級の牛を堪能したいと思います。
今回もご馳走様でした。
2025/04/03 更新
2025/01 訪問
今夜はジビエ
肉の変態集団のトップ、すなわち変態中の変態さんである疾風ホルモン頂では、リクエストに応じて様々な肉を提供してくれます。
今回はジビエということで、真鴨を調理してくださいました。
真鴨を一羽丸々捌いていただくのは、那覇ではサクモト以来です。
○七草粥
縁起物はありがたい。風邪を引いていましたが、1年の無病息災を祈りいただきました。
◎近江牛 ソトヒラ
◎石垣牛 タン
◎石垣牛 ハツの漬け 昆布と柚子
◎鴨のロース煮 タタキのようなもの
真鴨は雄。長崎で網を用いて捕獲されたもの。
青い羽根が美しい。
肉は鉄分の風味を物凄く強く感じ、血の味が極めて濃いと言った印象。風邪も治りそうです。
○千本筋 ソトモモ
筋っぽいが包丁が無数に入れられており、普通に食べられます。
◎ソトモモ 赤大根、蕪、柿 ごま油と甘口醤油
◎石垣牛 タン クレソン、チコリ バルサミコ酢のタレ
◎真鴨の抱き身 鹿児島の伊佐ねぎ
噛み応えがあり、野生味溢れる鴨串焼き。
○真鴨 ささみ、手羽元、砂肝、ハツ
珍味がずらり。
ささみはパサパサしており、口の中の水分を持っていかれます。
砂肝は今日いただいた真鴨の部位の中で最も匂いが強かった。風邪で鼻があまり効かなかったのにわかる強烈な匂いです。
◎真鴨 もも肉
非常に美味しい。プリプリと歯応えがしっかりしており、鴨の風味を感じとても美味。
脂も程よいが基本マッチョ。
◎石垣牛と真鴨のレバー食べ比べ
木のチップで炙り、搾りたてのごま油を掛けたもの。両者は全く異なる食べ物です。
例えるならチョコレートムースとカカオ豆と言った感じでしょうか。鴨さんはワイルドなのです。
○鴨鍋
熱々で美味しかったです。
鴨肉は火を通し過ぎたら硬くなってしまいました。
◎シャトーブリアン カリフラワー、菜の花、紫大根、里芋
文句なしに旨いやつ。白米と一緒にいただきます。
○真鴨南蛮
真鴨の出汁がしっかり出た美味しいスープにうどんで〆。最後まで温まりました。
風邪で鼻があまり効かなかったため、今回はワインはほどほどにしてウィスキーをいただきました。
白州12年や宮城峡蒸溜所限定ウィスキーをロックで数杯。
今回も美味しかったです。
風邪の治りが早かったのは真鴨さんのお陰かもしれません。
ご馳走様でした。
2025/01/30 更新
2024/11 訪問
肉の刺身を極める
常に最高の肉料理を食べさせてくれる疾風ホルモン頂。
近江牛や石垣牛を軸に、日本全国から美味しい肉や野菜を集めて提供してくださいます。肉の変態集団を自称されていますが、野菜に関しても変態的な知識と拘りがあるようです。
今回は以下のメニューをいただきました。
◎近江牛 ウチヒラ刺
◎石垣牛 タン刺
○南京まんじゅう やんばるかぼちゃ
◎米沢 シャトーブリアンたたき
◎近江牛 ウチヒラとウニのドック 新生姜
◎石垣牛 トウガラシユッケ風と牡蠣の微塵切りの燻製 青海苔の新物を乗せて
◎石垣牛タン炭火焼き りんごのバルサミコ酢、ワイルドチコリ、コールラビ、ワサビ菜、かぶ、生カボチャ
○ワタリガニとフォンドボーのビスク
◎トウガラシの赤ワインソース掛け サトイモのマッシュポテト、赤大根、生胡椒
◎シャトーブリアン炭火焼き 玉ねぎすりおろしソースに燻製香を付けて ケールの花添え
○ライス(新之助)
○鶏ガラスープのラーメン
○ずんだアイス
肉刺系は文句のつけようがありません。
大きな肉塊から本当に美味しいところのみを切り出して刺身にしてくれます。
炭火焼きしたシャトーブリアンやトウガラシも中はレアで非常に柔らかく、肉の旨味を存分に味わうことができました。
沖縄の肉割烹では頭ひとつ抜けているお店です。
お値段も突き抜けてますが、満足度は高いでしょう。
ご馳走様でした。
2024/12/22 更新
2024/08 訪問
沖縄肉割烹の頂
疾風ホルモン系列の最高峰で、1日1組のみ。
料理人かつ経営者である後木俊介さんが自ら料理を振る舞ってくださいます。
沖縄で肉割烹と名乗れる店が昔一軒だけあったような気がする、と話を振ったところ、どうやら同じ物件を他の料理人に貸して営業されていたとのこと。
記憶を辿ると、確かに同じ部屋で食べたような気がしてきました。
一品目からしばらく刺身シリーズが続きます。巨大な肉塊を見せ、そこから少しずつ切り分けて皿に盛っていくというプレゼンテーションです。これが本当に旨い。ニンニク醤油やワサビといったシンプルな味付けにより、生肉の甘みがより一層引き立てられます。
タン刺やハツ刺も出てきますが、やはりデカい塊を見せていただけます。都内でもここまで刺身連発の店は珍しいのではなかろうか。生肉好きな私としてはこの時点で既に虜になりました。
続いて牛トロと雲丹の手巻きをいただきます。つい最近銀座でも似たようなメニューを食した気がしますが、こちらの圧勝です。両者ともに甘みが強く、それでいてしっかり調和しており、高級食材をただ合わせただけのものとは一線を画します。
備長炭で表面をサッと炙ったレアのタンやレバーもとても美味。口の中で蕩けるような柔らかさで、特にレバーは甘いとしか表現できません。
その後もシャトーブリアンの焼きなど完全に美味しいメニューが続きます。
ワインもペアリングでその時あるものから出していただけます。
付け合わせの野菜にもこだわっており、初めて食すものが沢山ありました。白いゴーヤーとか初めて見たなぁ。
最後の〆は4種類から選択するのですが、初回なので全部いただきました。美味しいものだけで腹パンになれるなんて幸せですね。
勝手に沖縄の肉割烹の最高峰に認定いたします。
また伺います。
ご馳走様でした。
2024/12/22 更新
大好きな肉の変態さん「頂」。
通い始めた当初は純粋な高級肉割烹と思っていましたが、旬の食材を用いた変幻自在の変化球を投げてきます。
本日は毛蟹さん。
INEDITで乾杯し、まずは肉刺からスタートです。
自家製ジンジャーエールも必須。
◎ 近江牛 ウチヒラ刺 肉の旨みを噛み締めます。
◎本部牛 タン刺 コリコリ。脂が甘い。
◎本部牛 ハツ刺 ツルツルした食感。鉄分と甘みを感じます。
ニンニク醤油が最高に味を引き立てる。
ここでワイン。
◎Gérard Bertrand La Forge 2013
ラズベリー、カシス、プルーンのジャムのようなエレガントな香り。上品な酸と力強いタンニン。スパイシーな余韻。これは旨い。
カリニャン、シラー。
グラスに並々と注いでいただき、2杯飲みました。
◎宮崎牛 シャトーブリアン
美しいシャトーブリアンのステーキ。
表面に食用炭を押しあてただけで提供。
香ばしい香りを纏いつつも完全にレアです。
これだけ分厚い肉を生で行けるのはシャトーブリアンだけでしょう。
◎洋梨 大吟醸のコンポート
こちらも後木大将の手作り。
日本酒で作ったコンポート初めていただきました。甘さ控えめでとても美味しい。
◎ハバキの昆布締め
ハバキは外モモの一部。
昆布の旨味が口いっぱいに広がります。
◎千本筋
ハバキの下部内側に位置し、筋が沢山ある部位。包丁を細かく入れることで美味しくいただけます。私の好きな部位の一つ。
◎雲丹ドック
恒例の一品。本日は「魁!!男塾」の宮下あきら氏と小川カンパニーのコラボ商品、「漢の雲丹」を使用。
牛ネギトロとともに、甘みたっぷりの雲丹をこれでもか!と盛り付けます。
素材勝負ですが、めちゃめちゃ旨いです。
◎Chateau d'Issan 2020
先ほどのLa Forgeと比べるとだいぶシャープ、キレッキレ。やはり華やかなベリー系の香りで、酸は強めです。メドック格付第3級であり、マルゴー屈指のシャトー。
カベルネ・ソーヴィニヨン55%、メルロー39%、カベルネ・フラン3%、プティ・ヴェルド2%、マルベック1%。
◎毛蟹とユッケ
意外な組み合わせ。これが合うんです。
底には蟹味噌がたっぷり。途中で一口大のライスボール投入です。
別皿で毛蟹の身単品でもいただきました。
三杯酢と合わせた、オーソドックスな間違いないやつ。
◎本部牛 熟成タン
柔らかい厚切りの牛タン。
付け合わせはわさび菜、コリンキー、白ゴーヤー、オートー。オートーは沖縄の柑橘類で、シークワーサーより大きく、カーブチーより小さい。
紺色の皿に削ったヒマラヤ岩塩が美しく、まるで星空のよう。
牛タンは脂が乗っており、コリコリとした食感と旨味が溢れ、付け合わせの白ゴーヤーの苦味を受け止めます。
◎近江牛 イチボ 焼きすき
甘塩っぱいタレといただく大きなスライス。
脂身は除いてカット。結構食べ応えがあり、やはり白米との相性は抜群です。
○蟹の甲羅で出汁をとったアーサ汁
蟹の濃厚な風味を感じる優しいお味です。
◎〆のシャトーブリアンカツ丼!
今夜の〆は厚切りシャトーブリアンで作ったカツ丼です。勿体無い気もしますが、一口でそんな思いは吹き飛びました。付け合わせは甘長唐辛子。
ちょっと塩味が強かった。
◎パッションフルーツアイス
かぼちゃフレーク添え。かぼちゃは後木社長が北部で育てたもの。これがめちゃくちゃ美味しい。
お土産にいただいた「やんばる南瓜パイ」も絶品でした。
今夜も非常に美味しかったです。
やはり沖縄の肉料理店では頭ひとつ抜けている。
次回も楽しみにしています。
ご馳走様でした。