2回
2025/07 訪問
香り、食感、余韻。名古屋『玄水』 で蕎麦と季節を味わう沢時間
中区錦の一角にひっそり佇む蕎麦懐石の名店『古式蕎麦 玄水』。今回は**大将おまかせコース(16,500円)**を堪能。
スタートは季節の柚子味噌和えと、手挽きで練り上げた祖谷在来種の蕎麦がき。きなことおろし醤油でいただく素朴ながらも滋味深い一皿に、期待感が一気に高まる。
続く口取りは品数豊富で、いきなり本気度MAX。
香ばしさがクセになる焼き味噌
脂がのった鴨の炙り
プチプチ食感の子持ち昆布
ほっとするいたわさ
旨みが凝縮した鰻のうま煮
とろける口当たりの湯葉豆腐
このあたりで、すでに感動が止まらない
お造りでは、夏らしく爽やかな鱧湯引き × 梅のシャーベット、熟成されたヒラメ、濃厚な甘エビの海老味噌漬けと、素材の個性を存分に活かした構成。
鱧の骨切りの音がとても心地よかった。
さらに圧巻だったのが毛蟹の甲羅盛りと、世界三大珍味の茶碗蒸し(フォアグラベース・トリュフ・キャビア)。一口で贅沢が押し寄せる逸品。
天ぷらは軽やかで素材の魅力が際立つ仕上がり。 (エビ、ナス、レンコン、ベビーコーン、帆立)すべてが主役級。
そして真打ちの蕎麦は、在来種食べ比べで蕎麦の世界にどっぷり浸かれる至福。
秋保在来種(宮城・並打ち)…香りとコシのバランスが絶妙
入野谷在来種(長野・中太打ち)…もちっとした粘りと風味
椎葉在来種(宮崎・太打ち・手挽き)…野趣あふれる力強さ
能登在来種(石川)…鬼おろし大根&鰹節&そばの芽のトッピングでキレ味抜群!
締めは蕎麦のアイスでほっと一息。蕎麦の香ばしさが余韻に残る、大人の甘味。
木の温もり溢れるカウンターで、蕎麦職人の所作を目の前にしながら味わう一皿一皿。全身で蕎麦を感じられる、唯一無二の体験でした。
2025/07/18 更新
名古屋・錦にある蕎麦懐石の名店『玄水』で、昼限定の「蕎麦三昧(8,800円)」をいただきました。
店内は白木のカウンターが美しく、落ち着いた和の空気が流れる特別な空間。ひとつひとつの料理から、蕎麦職人の探究心と美学が伝わってきます。
まず登場するのは、滋味深い蕎麦のスープ。黒胡麻豆腐は滑らかで香ばしく、続く祖谷在来種の蕎麦掻きは、きな粉とおろし醤油で香りと食感の違いを楽しめます。八寸には北海道産半熟イクラ、湯葉豆腐、子持ち昆布、焼き味噌、板わさが並び、どれも繊細で美しい一口。
帆立を使った変わり茶碗蒸しや沖縄産もずく、さらに三河産の車海老や加賀蓮根、北海道本ししゃもなど、季節の天ぷらも絶品。素材の持ち味が最大限に引き出されています。
締めの蕎麦は圧巻の食べ比べ。
比和(広島)・丸岡(福井)・椎葉(宮崎)の在来種がそれぞれ異なる太さで打たれ、香りや喉ごしの個性を存分に楽しめます。特に宮崎の椎葉在来種は太打ちで力強く、塩だけでも旨みが立つ逸品。
さらに能登在来種を使った日替わりのすだち蕎麦は、皮を除いて打つ江戸蕎麦仕立てで、すっきりとした香りが食後に心地よく残ります。
最後はそば湯と蕎麦アイスで余韻まで美味しい。
まさに唯一無二の蕎麦懐石でした。