4回
2025/10 訪問
パリ星獲得シェフによる五感で味わう和食フルコース
8月・9月・10月と、毎月伺っているお気に入りのお店。今月も素晴らしい時間を過ごしました!
こちらでは“懐石でも創作でもない、日本の食文化を素直に表現する”という言葉の通り、素材と技術が自然に結びつく一皿一皿に、毎回心を打たれます。。。
シェフの渡邊一貴さんは、中目黒「HIGASHI-YAMA Tokyo」やパリ「OGATA Paris」で料理長を務め、2021・2022年にはミシュラン星を獲得された方。
パリで料理長として星を得た経験を持つ方は日本でも希少で、その感性と表現力にいつも感動します。
お食事は
OMAKASE + Pairing ¥30,000
フルコースに合わせるペアリングがとにかく逸材!
高級ワインから日本酒まで、香り・温度・余韻のバランスが完璧で、一杯ごとに料理の魅力を引き出してくれます。
【本日のペアリング】
・ブロカール・ピエール トラディション ブリュット
繊細な泡と軽やかな酸。はじまりの一杯にふさわしい上品なブラン・ド・ノワール。前菜の優しい甘みを引き立てます。
・奥播磨 山廃純米
旨味が厚く、余韻にしっかりとした酸。鹿肉のようなコクのある料理にも負けない存在感。温度の変化で旨味が深まります。
・菊鹿シャルドネ 樽熟成 2022
日本ワインとは思えない厚みとミネラル感。白桃やバニラの香りが心地よく、魚料理との相性が抜群です。
・純米吟醸 亥与右衛門 秋桜
ふんわりとした吟醸香と繊細な甘み。すっぽんの旨味を柔らかく包み込み、余韻に優しい米の甘さが広がります。
・ヴィノーブル・ヴィンヤード ピノ・ノワール 2023
軽やかで透明感のある赤。果実味が豊かで、奉書焼きの旨味と重なりながら香りが立ち上がります。
・コンドリュー シェリー 2022 アンドレ・ペレ
ヴィオニエ特有の華やかさと厚み。熟したアプリコットや花の香りが印象的で、魚介のソースと驚くほど調和。
・ミシェル・ゴヌー ボーヌ 2019
深い果実味とエレガントな酸。讃岐牛の赤ワインソースと見事なペアリング。口中で一体感を生み出す至福の一杯。
・十四代 吟撰
上品な甘みと透明感のある旨味。炊き込みご飯やデザートの余韻をやさしく締めくくる、まさに“最後の贅沢”。
一杯ごとに料理との響き合いがあり、香りと温度で流れるように展開していくペアリングはまさに芸術的でした。
――――――
【本日のメニュー】
・柿のふろふき
オーブンで焼き上げた熱々の柿の器には小松菜・柿・甘エビ。豆乳と白味噌のまろやかな優しい味わいで、口の中でふんわりとろけます。
一皿目から秋をしっかり感じられる、季節を楽しむ一品です。
・鹿肉の治部煮
山形県の粘り強い里芋と共に。
ヴィチペリフェリペッパーの風味がアクセントになった、柔らかく旨味の濃いお肉。
・豆乳豆腐&サラダ
白大豆の豆乳で作ったお豆腐に、鎌倉レインボーズファームの新鮮野菜を味噌ドレッシングで。
どの野菜も驚くほど甘くて、素材の美味しさを存分に感じられます✨
添えられた生落花生の食感も楽しい一皿です。
・すっぽんの丸椀
じっくりと煮込まれたすっぽんに卵を合わせた、優雅な一椀
コクがありつつも優しい味わいで、最後の一口まで旨みを楽しめました。
・お造り3種
和歌山のヒラスズキは塩とわさびで爽やかに。
和歌山のサワラはしっとりとして旨味が濃い。
鳥取アオリイカはねっとり甘く、醤油でいただく。
・鰻と松茸の春巻き
アグニテのスペシャリテ、今月は鰻と松茸の贅沢な春巻き。
パリッと噛むと鰻の香ばしさと松茸の芳醇な香りが広がります。
山椒仕立てソースが良く合い、味のまとまりを引き立てる一皿です。
・スジアラの奉書焼き
和歌山産スジアラを奉書で包み、旨味をぎゅっと閉じ込めた一皿
エシャロットや生クリーム、はまぐり、ブルーチーズ、白ワイン、菊の花のソースが絶妙に絡み合う。
スプーンでソースまで全部いただきました。とっても贅沢な美味しさです。
・讃岐牛かめのこ
旨味たっぷりの赤身肉に、赤ワインとバルサミコ、みりんのソースが絶妙に絡みます。
添えられたごぼうとにんじんのきんぴらは柔らかいお肉と一緒に楽しむと、香ばしさと甘みが重なり、さらに深い味わいに。
・讃岐コーチンときのこの炊き込みご飯
鶏肉の旨味がご飯にしっかり染み込み、炊き上がった瞬間に広がる香りも贅沢
ねぎとなめこの味噌汁と合わせて、おかわりが止まらなくなるほどの美味しさです。
・グラニテ&デザート
青みかんと梨の爽やかなグラニテ、大学芋は発酵バターと合わせて甘さとコクのバランスが絶妙でした。
最後は香り高いお抹茶でゆったり。
ほろ苦さと旨味が口の中で広がり、コースの最後にぴったりのひととき✨
今回も、一皿一皿に込められたシェフの丁寧な仕事と素材へのこだわりを存分に堪能できました!
季節の移ろいを感じながら、香りや温度、余韻までも楽しめる贅沢な時間。
AGUNITEさんで過ごすひとときは、やはり特別で心に残る体験です。
2025/10/31 更新
2025/09 訪問
格式高き空間でいただく和食のおまかせと秋の味覚
先月初めてディナーで伺い、渡邊シェフの卓越した技術と表現力、そしてペアリングの面白さに深く感銘を受けまして、秋メニューに変わった今月も再訪いたしました!
ナフキンやコースター、お箸に至るまで特注品で統一され、器も職人の手によるものが多く、品格の高さとお料理との調和が感じられました。今日も変わらず、美しい世界に引き込まれます。
本日いただいたメニュー
■OMAKASE + Pairing ¥30,000
(+サービス料10%)
★ピエール・ジモネのブラン・ド・ブラン
【甘海老の冷製茶碗蒸し】
甘海老は生と湯引きの二種を盛り込み、優しいお出汁の冷製仕立て。
上には香ばしく揚げた海老の頭と海老の卵を添え、ぷりっとした甘海老の甘みと旨み、頭の香ばしさ、そして卵のプチプチとした食感。
それぞれの風味や食感の違いを楽しめるなめらかな茶碗蒸し、一皿目からとっても美味しかったです。
★アクメニネ 2013
【琴浦サーモンのミニバーガー】
鳥取の琴浦サーモンをフライにし、鎌倉レインボーズファームの追熟じゃがいもコンフィとともに、焼きたてのバンズでサンド。アスパラ(讃岐のめざめ)も入っています。
サーモンフライはカリッと中はふっくら。タルタルソース、サーモンとじゃがいも、全ての相性が良く、美味しいミニバーガーでした。
それにしても...和食でバーガーとは面白い!
【いちじく、さつまいも、伝助穴子のフリット】
伝助穴子はサクッと軽やかなフリットに仕上げ、さつまいもは大学芋に、いちじくはオーブンで焼き味噌を合わせて添えられています。
穴子の旨みに、さつまいものやさしい甘みと岡山産いちじくの瑞々しさが重なり、赤ワインソースのコクとともに見事に調和されていました。
★新政
【加茂茄子とハタハタのお椀】
生ハムと鮪節を合わせたお出汁に、ハタハタの旨み、茄子の柔らかさ、九条ネギの香りが重なり...
まず出汁そのものの美味しさに驚かされます!
生ハムを2時間半煮込み、さらに生の豚肉も1時間半かけてじっくり火を通すなど、手間を惜しまない丁寧な調理がこのお椀一杯に詰まっていました。
★王祿
【鯖鮨、のどぐろの炙り】
のどぐろは軽く炙り、柑橘を絞って塩で。脂の乗った身にさわやかな酸味が加わり、後味もすっきり。
鯖鮨は炭で炙って仕上げる演出に感動!大きいのでひとくちで食べたらお口がパンパンになりました。
脂の旨味が強くてとっても美味でした!
★メルキュレ・ルージュ 2023 メゾン・レノ
【鰻と松茸の春巻き】
アグニテのスペシャリテでもある春巻き。熱々でパリッと揚げられた春巻きの中は贅沢に松茸と鰻。
香り豊かで、一口ごとに秋の味覚を感じられます。
★オークセイ デュレス レ ゾ ルージュ 2022
【ヒラメの蒸し物】
ふわふわに蒸し上げたヒラメに、白ワイン、ブルーチーズ、貝出汁、生クリームで作ったクリームソースを合わせたもの。
濃厚なソースの深みとヒラメの旨みが絶妙にマッチ。
添えた菊の花はホワイトバルサミコで和えてあるので酸味も加わり爽やかに。
★ヴォルネー プルミエ クリュ クロ ドーディニャック
【香川のオリーブ牛】
ランプ肉は絶妙な火入れでしっとり。
添え野菜の牛蒡、にんじん、椎茸に、
醤油とバルサミコのソースという和風の味わいを楽しめます。
【秋刀魚ときのこの土鍋ごはん】
〆は秋の味覚、秋刀魚とキノコの旨味がたっぷりで幸せになるごはんでした。おかわりしたかったです(笑)
【ミョウガとキクラゲのお味噌汁】
さっぱりとしたミョウガとコリコリ食感のキクラゲが絶妙。
最後にほっと一息つける一椀でした。
【月見団子】
新潟の和菓子屋さんの月見団子に、香り豊かなトンカビーンズを削って。
甘さ控えめで、上品な味わいでした。
★・・・ペアリング
またメニューが変わったらぜひ伺いたい、素晴らしいお店です。ごちそうさまでした!
2025/10/01 更新
2025/08 訪問
本日ディナーで伺ったのは、目黒線・不動前駅からわずか数秒という抜群の立地に佇む「AGUNITE(アグニテ)」さん。
店名には“竈の火を司る神様”に由来する名が込められ、火と食、そして文化を融合させる想いが息づいています。
料理と火、器と空間が調和する世界に触れ、またひとつ、とても素晴らしいお店に出会えたと実感しました。
シェフは渡邊一貴(わたなべ かずたか)氏。中目黒「HIGASHI-YAMA Tokyo」で長く料理長を務めた後、パリの「OGATA Paris」にて料理長を務め、2021年・2022年にミシュランの星を獲得した輝かしい経歴。
AGUNITEは渡邊シェフと、ソムリエ出身の井上さん(スガラボ出身)による共同プロジェクトであり、こちらが第一号店とのこと。店名には「目黒不動尊」にちなむ竈の火を司る神様の名を取り入れ、伝統的な“火の神”の象徴と、異文化を咀嚼して新たな食の可能性に火を灯す創造性、ふたつの意味が重ねられています。掲げるスタイルは「懐石でも創作でもない、日本の食文化を素直に表現する」。その言葉通り、素材と技術が自然に結びつく一皿一皿が印象的でした。
外からはひっそりと灯るサインが迎え、扉を開けると木肌を感じるオープンキッチンのカウンターが中心に据えられています。店内奥には静謐な個室もあります。
こだわりは細部にまで行き届いており、ナフキンやコースター、お箸にいたるまで特注品で統一されていることに品格を感じました。器は職人の手によるものが多く、料理と器が互いに引き立て合うよう配慮されています。
ディナーは季節の食材を丁寧に扱った
おまかせコース ¥1,8000
基本は1ヶ月単位で構成が変わるそうですが、例えば前日と当日で続けて訪れても、異なる一皿を用意してくださるという柔軟さも魅力です。
こちらに井上さんが手掛ける
ペアリング ¥12,000
は地域の風土を映す日本各地の日本酒、永続性を感じる銘醸ワインを中心に揃え、料理の表情に寄り添う選択がされていました。
お昼のコースでは日本の銘茶をベースにしたブレンドティーのペアリングも楽しめるとのことで、ティーとのマリアージュもまた新鮮です。ワイン、日本酒、ティーいずれも“素材を活かす”という料理の姿勢と呼応しており、飲み物の選び方一つで料理の印象が細やかに変化するのが面白い点です。
本日いただいたメニュー
■OMAKASE + Pairing ¥30,000
(+サービス料10%)
最初のグラスは
・シャンパーニュ・シモン・リオンの「ヴェルジョン・オリジネル・ブリュット」
立ち上るきめ細やかな泡と、フレッシュな果実味が食欲を沸きたててくれます。
一皿目は
【三重県桑名産の立派なはまぐり】
ふっくらと酒蒸しされた身は、弾力のある歯応えと濃厚な旨味が広がります。
その下には、山形県の幻の米「さわのはな」の玄米おこげが隠され、香ばしくカリカリとした食感が良いアクセントに。中華のニュアンスを取り入れ、はまぐりの上品な味わいに奥行きを与える、印象深い一皿。
二皿目は
【鎌倉レインボーズファームの鎌倉野菜をふんだんに使ったテリーヌ】
艶やかで彩り豊かな断面が目を惹きます。和食ということで外側は大根で包まれており、口当たりはさっぱりと軽やか。
中には、香川県産「讃岐めざめ」のアスパラも入り、柔らかくもシャキッとした歯ごたえで爽やかな甘みが広がりました。
テリーヌに合わせたのは
・山形県・麓井酒造の日本酒「麓井の圓(ふもといのまどか) 生もと純米本辛」
きりりとした辛口と奥行きのある旨味が、野菜の甘みと大根の清涼感を引き立ててくれます。
三皿目は
【青森県産の馬肉】
クセのない澄んだ旨味としっとりとした舌触りが印象的でした。
添えられているのは、鎌倉レインボーズファームの「甘とう美人(とうがらし)」、新生姜、そして野蒜(のびる)。
爽やかな香りの新生姜が馬肉の旨味を軽やかに引き立て、甘とう美人のやさしい甘みと野蒜の味わいに奥行きと季節感をもたらしていました。
馬肉には
・山梨県・旭洋酒が手掛ける日本ワイン「ソレイユ甲州 2024」(白ワイン)
繊細で爽やかな酸味とほのかな果実味が馬肉の旨味と調和し、味わいに爽快なアクセントを添えていました。
四皿目は
【但馬鴨】
兵庫県但馬地域で育まれた最高級の合鴨、「但馬鴨(たじまがも)」。
良質な水と豊かな自然の中で育った鴨は、ジューシーでありながら特有の臭みがなく、噛みしめるほどに脂の甘みと赤身の旨味が豊かに溢れ出します。
今回は生ハムとかつおからとった出汁を用いたフレンチの技法が巧みに取り入れられ、そこに柚子胡椒の爽やかな香りが華を添えていました。
鴨の下には揚げ茄子が敷かれ、旨味をしっかりと受け止める役割を果たし、全体のバランスを見事に整えています。その深い味わいに思わず唸ってしまうほどの美味しさでした。
この鴨に合わせたのは
・日本酒「阿波山田 純米 生」
爽やかな酸味と豊かな旨味が、但馬鴨の脂の甘みと赤身の深みを引き立て、味わいの余韻を優しく包み込む秀逸なペアリングでした。
五皿目は
【真鯛、歯鰹(ハガツオ)、ぶりの三種盛りお刺身】
宮城県産の真鯛の下には、宮崎県特産の香酸柑橘「へべす」が敷かれ、へべすの爽やかな酸味と塩のシンプルな組み合わせが魚の旨味を引き立てます。
長崎・五島列島の歯鰹は、すっきりとした醤油で。
岡山県産のぶりは、生七味と茗荷を合わせた味噌とともにいただき、豊かな風味と軽やかな辛味が味わいに深みを添えています。
それぞれ異なる調味料で味わうことで、魚の持ち味が一層際立つ贅沢な盛り合わせでした。
お刺身に合わせたのは
・岩手県花巻市・川村酒造店が醸す日本酒「酉与右衛門(よえもん)直汲み純米無濾過生原酒 雄町70%」
フレッシュで豊かな旨味と爽やかな酸味が、真鯛や歯鰹、ぶりの繊細な味わいを優しく引き立てています。
六皿目は
【鰻ととうもろこしの春巻き】
夏の味覚を感じさせるとうもろこしの甘みが、鰻の濃厚な旨味と絶妙に調和しています。
仕上げには山椒と醤油を合わせたソースが添えられ、爽やかな香りとほのかなピリッとした刺激が鰻ととうもろこしの旨味に見事にマッチしていました。
ここで二種類のワインが用意されました。
・白ワインの「Sancerre(サンセール)」2011年ヴィンテージ。
繊細なミネラル感と爽やかな酸味が料理の味わいを清々しく彩ります。
・赤ワインの「Bourgogne Pinot Noir(ブルゴーニュ ピノ・ノワール)」2021年ヴィンテージ。
名高い生産者「HUBERT LIGNIER(ユベール・リニエ)」によるもので、軽やかさの中に豊かな果実味を湛え、鰻料理に優雅な奥行きを添えていました。
七皿目は
【長崎・五島列島産のイサキの幽庵焼き】
身はヨーグルトとクレソンのピューレでマリネされしっとりと仕上げられ、やわらかな口当たり。
幽庵漬けにして炊き上げた夏みかんのスライスが魚の上に丁寧にのせられ、爽やかな酸味とほのかな苦みがイサキの旨味と絶妙に溶け合います。
魚料理には
・ブルゴーニュ地方の白ワイン「アニェス・パケ オークセイ・デュレス レ・ゾ」
繊細でふくよかな果実味と爽やかな酸味が、魚の旨味を引き立て、料理に清涼感と深みをもたらしていました。
八皿目は
【香川県産讃岐牛のランプ】
しっとりとした肉質に旨味が凝縮されたランプは、噛みしめるごとに深い味わいが口いっぱいに広がります。
ソースはバルサミコ酢、赤ワイン、醤油、みりんを絶妙に合わせたもので、まろやかな酸味と旨味が一体となり、讃岐牛の風味を見事に引き立てていました。
添えられたのは、ごぼうとにんじんのきんぴら。
フレンチと和が融合したかのような、新鮮で豊かな味わいのハーモニーを奏でていました。
肉料理には、
・フランス・ボルドー地方ポイヤック地区の名門シャトーで、メドック格付け第5級の「シャトー・ランシュ・ムーサ 2007」
深みのある熟成香と豊かな果実味が讃岐牛の旨味を包み込み、格調高い余韻を残していました。
締めくくりは
【鮎とさえみどり(茶葉)の土鍋ご飯】
香ばしく炊き上げられた鮎の旨味と、さえみどりの爽やかな茶香が絶妙に調和し、口の中に豊かな風味が広がります。
丁寧に炊き上げられた土鍋ご飯は、一粒一粒がふっくらとしており、最後の一口まで心地よい余韻を楽しめる逸品でした。
ペアリングはさらに続き土鍋ご飯には
・新政酒造が醸す日本酒「農民藝術概論」
柔らかな旨味と爽やかな酸味が、鮎と茶葉の繊細な風味を引き立て、土鍋ご飯の豊かな味わいをより一層深めていました。
食後の冷たいお口直しには
【八木下農園のヴァレンシアオレンジ】
爽やかな酸味と程よい甘みが心地よく、食後の余韻をすっきりとリセットしてくれました。
丁寧に点てられた抹茶は芳醇な香りとまろやかな旨味で心を落ち着かせてくれます。
その後に供されたデザートは
【百合根きんとん】
優しい甘さが特徴の百合根きんとんは、ほっくりとした食感と繊細な甘みが口の中でほどけ、余韻をそっと包み込み、至福の締めくくりとなりました。
今回の「AGUNITE」でのディナーは、料理のひと皿ひと皿に込められた繊細な技と素材への深い敬意、そして火の神にまつわる店名に象徴される独自の世界観を存分に感じられる素晴らしい体験でした。
料理、器、空間、そしてペアリングされた飲み物のすべてが調和し、五感を通じて味わう喜びを教えてくれます。
絶対にまた訪れたい、そんな思いを胸に刻むことができた特別な一軒となりました!
2025/08/09 更新
8月からこちらのお店の魅力にすっかりハマって、気づけば4ヶ月目。
11月の今夜は“秋の恵み”が詰まったコース。
そして11月3日で2周年とのこと、おめでとうございます!
(お店の紹介は毎回書いているので今回は省略します)
お食事は
OMAKASE + Pairing 30,000円
+サービス料10%
何が出てくるかわからないワクワク感が本当に好き!
まずは
⭐︎シャンパーニュ・シモン・リオン オリジネル ブリュット
すこやかで柔らかい口当たり。
軽やかさと品があるので食前にぴったり
【本日のメニュー】
・蛤の酒蒸し
蛤の上には山椒味噌、そのまま一口で。ふっくらと旨味が濃く弾力ある蛤に驚き!
下には山形「さわのはな」の玄米おこげ。蛤のお出汁を合わせたあんかけでいただくと、香ばしさと上品な旨味が重なりとっても美味。
・馬肉(青森県産)
澄んだ旨味がすっと広がる上質な馬肉。ロースは生姜スライスと野蒜の醤油漬けで爽やかに。
添えられた“はなびらだけ”の食感が良くてしっとり柔らかい…
⭐︎綿屋 純米大吟醸 黒澤米 山田錦
爽やかな果実を思わせる香りと、ふくよかでやさしい口当たりがが馬肉によく合います。
・野菜のテリーヌ
鎌倉レインボーズファームの野菜がぎゅっと詰まった宝石のようなテリーヌ
外側の大根はさっぱり、中には人参・パプリカ・ズッキーニ・高菜、さらに香川「讃岐めざめ」のアスパラ。シャキッとした歯ごたえと優しい甘み。
菊花の酸味が全体を引き締める。
⭐︎アレクサンドル・バン ラ・ルヴェ
軽やかでフレッシュ、果実味と酸、ミネラルのバランスがよく、野菜とのペアリングはすっきりといただける。
・鴨と茄子と里芋のお椀
炭火の香りが立ちのぼる鴨は香りも旨味も最高!
里芋は山形の「甚五右ヱ門芋」を素揚げに。香川の白味噌と鰹出汁のとろっとした椀が身体に染みる贅沢さで絶品
・ヒラスズキ、スマガツオ、ひらまさのお造り
ヒラスズキは柑橘と塩でキリッと。スマガツオとひらまさは醤油で。
それぞれの個性がはっきりと味わえる。
⭐︎純米吟醸 ひやおろし 秋桜 コスモス
お酒の旨味と魚の繊細な旨味が重なって、しっとり上品に。。
・鰻と松茸の春巻き
スペシャリテの春巻きは毎月の楽しみ!
“鰻+α”の春巻きは今月は松茸
パリッと皮を割ると松茸の香りがふわっと。山椒の甘辛ダレが鰻の旨味とよく合って最高!
⭐︎Vinoble Vineyard & Winery ピノ・ノワール
ピノ・ノワールらしく軽やかで油をすっきり流してくれて、松茸や鰻の香りと調和する。
・甘鯛(くじ)の松笠焼き
松笠焼きにしてから炭火で余分な油を落とす技が絶妙。
蛤のお出汁に白ワインとエシャロットを合わせたナージュソースは、まるで甘鯛が優雅に泳いでいるような味わい。美味しすぎる…
⭐︎2019 Mâcon-Fuissé Bois de la Croix
柔らかな果実味が甘鯛とソースにマリアージュ。
・讃岐牛ランプの炭火焼き
しっとりした肉質に旨味がぎゅっと凝縮。
ソースはバルサミコ酢・赤ワイン・醤油・みりんを合わせた和洋折衷。まろやかで肉の風味を引き立てる。
添えられたごぼう&にんじんのきんぴらも素敵な脇役。
⭐︎ドメーヌ・ミシェル・ゴヌー ボーヌ 2019
果実味がしっかりしていて、牛肉の肉汁・脂の甘みに寄り添う。
・太刀魚・ドライトマト・茶葉の土鍋ご飯
香ばしい太刀魚、茶葉の香り、ふっくら炊けた土鍋ご飯。
今年1番かも…と思うほど美味しかったです!
⭐︎松の司 純米大吟醸 AZOLLA50
香りや太刀魚のほのかな塩気ともバランスが良く、最後まで上品なペアリング
・柿と青みかんのしゃりしゃり
爽やかなお口直し。
・月光百合根のコンフィ + 抹茶
4〜5年かけて育てる希少な月光百合根(糖度約24度)。
発酵バターでコンフィにしてあって、ほくほくで驚くほど甘い…
全国で10軒ほどしか扱いがない幻の百合根。アグニテだからこそ出会える一品。
淹れたてのお抹茶が全身に染み渡って、最後に心も身体も落ち着く瞬間。。
今月もまた来れて良かった...
素晴らしい時間をありがとうございました!