1回
2025/08 訪問
ここから始まる贅沢なフレンチ体験『d’ici』
d'ici
2025/09/19
この度はd’iciでのお食事をこんなにも丁寧に綴ってくださり誠にありがとうございます。
空間の雰囲気やウォールアートに込めた想いを感じ取っていただき、またシェフのお料理やワインとのペアリングを一皿ごとにお楽しみいただけたこと、大変嬉しく拝読いたしました。
特にフォアグラと鰻のミルフィーユ仕立てやイサキのポワレなどを印象に残していただけたことは、シェフ・ソムリエにとっても大きな励みとなります。季節ごとに異なるメニューをご用意しておりますので、ぜひまた大切な日にお立ち寄りくださいませ。
2025/08/13 更新
2025/6/3にリニューアルオープンした、伝統的なフランス料理を堪能できる一軒『d'ici』
店名の「d’ici」はフランス語で「ここから」という意味であり、
ここから始まる物語にわくわくしながら足を踏み入れると、開放的なシックでお洒落な空間が広がっていてまず最初にうっとりしました。。
壁にはフランスの地図や、画家・こだまえみさんによる壁画。
中でもルイ13世のイラストと共にフランスで書かれた
「私がシャンパンを飲む機会は2つある。1つは恋をしている時と、もう1つはそうでない時」
という言葉にクスっ!
これから始まるディナーへの期待が一層高まります!
新生【d’ici】を率いる藤原裕太シェフは、中学生の頃に父が営む西麻布「ル レカミエ」を手伝ったことをきっかけに料理の道へ。調理師学校には通わず、厨房での実践を通じて技を磨き、五反田「おはらスレストラン」で約8年修業した後、渡仏。パリやブルターニュで本場のフランス料理を学ばれ、帰国後は恵比寿「ガストロノミー ジョエル・ロブション」でスーシェフを務め、表参道「メゾン ド ミュゼ」の料理長を経て、2025年3月より【d’ici】の新料理長に就任。
この日のディナーは
■デギュスタシオンコース ¥12,500
とペアリング(シャンパン×1、ワイン×4)をお願いしました!
【アミューズ】
・ポークリエット
しっとりと濃厚なポークリエットは、ひと口目から心を掴まれる美味しさ。合わせたのは、地域でも希少な樹齢80年のムニエを95%、シャルドネを5%使用した「CARTE BLANCHE BRUT(カルト・ブランシュ・ブリュット)」
白くきめ細やかな泡に、アプリコットやリンゴの蜜の芳醇な香りが広がります。口当たりはソフトで、フルーツの豊かな風味とマシュマロのような柔らかな甘み、繊細なミネラル感が一体となり、アミューズの旨味をより一層引き立ててくれました。
【前菜】
・天使エビのサラダ ココナツ風味
ニューカレドニアの天使の海老は旨味と甘味が強く、ぷりっとした海老にココナツの香りがふわっと広がり、夏らしい爽やかさで南国️の情景が浮かびそうな程(笑)とっても美味しい!
こちらに合わせたのは
なんと…かつて少しだけ暮らしていた南フランス「CASSIS」のワイン!
マルセイユ近郊にある港町、「CASSIS」と書いて「カシ」と発音します。
ロゼの産地で有名なプロヴァンス地方ですが、カシは高品質な白ワインの生産地でもあり、こちらのワインは柑橘系の良い香りがしてスッキリと、魚介類類にぴったり。
まさかカシのワインを飲めるとは思わなかったので懐かしさと嬉しさで幸せな気分に浸れました!
・フォアグラと鰻ととうもろこしのミルフィーユ仕立て ソースペリグー
フォアグラの濃厚なコク、鰻の香ばしさ、とうもろこしの優しい甘みが幾重にも重なり、そこへ芳醇なソース・ペリグーが寄り添う──まさに贅沢の極みともいえるミルフィーユ仕立て。
合わせたのは、世界最高評価100のロゼワインに唯一選ばれた「クロ・シボン コート・ド・プロヴァンス キュヴェ・トラディション 2022」。香りは華やかでエレガント、凝縮した果実の旨味が美しく広がります。力強さとしなやかさを併せ持つ味わいが、料理の旨味とコクを見事に引き立ててくれました。
【魚料理】
・イサキのポワレとビサラディエール ニース風
長崎から届いた旬のイサキは、香ばしい皮目とふっくらとした身が印象的。ほのかに香るアンチョビと、旨みを引き立てるラタトゥイユのソースが見事に調和します。
右側に添えられた木の葉型のビサラディエールは、ひよこ豆のクレープに甘く焼いた玉ねぎを挟み、お菓子のような可愛らしさを添えてくれます。
合わせたのは、フランス・ロワール地方産のミュスカデ「ポワロン・ダバン シャトー・テボー ミュスカデ セーブル・エ・メーヌ 2015」。爽やかな酸味に加え、キャラメルやバターを思わせるリッチな香りとまろやかな口当たりが魅力。魚介料理との相性は抜群で、イサキの持つ旨みを一層引き立ててくれました。
【肉料理】
・特選牛モモ肉のロティ アーティチョークとジロール茸 +¥1,000
北海道産黒毛和牛をしっとりジューシーに焼き上げ、赤身の旨味を存分に堪能できる一皿。お肉の出汁を煮詰めた濃厚なソースが奥行きを加え、横にはアーティチョークやジロール茸などの野菜が美しく添えられていました。
お肉料理に合わせたのは、フランス南西地方マルシヤックの「ドメーヌ・デュ・クロ」。みずみずしい黒い果実味に、ほどよく溶け込んだタンニンと細やかなミネラルが調和。スパイシーで力強い余韻の中に、どこか素朴さも感じさせ、牛肉との相性は格別でした。
【デザート】
・ペッシュメルバ(Pêche Melba)
バニラアイス、桃のコンポート、フランボワーズソース、アーモンドスライスが重なるフランスの古典的デザート。エスコフィエがオペラ歌手ネリー・メルバのために作った華やかな一皿で、甘酸っぱく華やかな余韻が広がりました。
【小菓子】
・スイスの伝統菓子 タルト・ヴォードワーズ
濃厚なダブルクリームにシナモンの香りがふんわり…紅茶との相性も抜群。
お料理の説明、サービス、提供のタイミングまで完璧で、もう何回うっとりしたか数えきれないほど…。
特別な日や大切な日に訪れたい、心に残る素敵なお店です♪