モエの。さんが投稿した鮓 村瀬(東京/六本木)の口コミ詳細

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もえの香り立つ美食帖

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鮓 村瀬六本木、乃木坂、麻布十番/寿司

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 3.7
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 1.5
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2025/11 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス3.7
    • | 雰囲気4.2
    • | CP1.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

静かに沁みる、村瀬で迎えた秋の味

◯茶碗蒸し
梅干しがふっと香り、繊細な卵の旨みをより研ぎ澄ませる。
するりと舌を滑るなめらかさは、最初の一口で思わず姿勢を正してしまうほど。

◯こはだ
旨みが強いのに、お酢の香り、魚の柔らかさ、そして人肌のシャリがそれを優しく包む。
口の中でほどけていく“とろけるこはだ”。まろやかさの余韻が長く続く。

◯かつお
これが本当にかつおなのかと疑うほど、まろやかでルビーのように美しい。
舌に触れた瞬間「今までのかつおと全く違う」と悟る、圧倒的な一貫。

◯うにとうみぶどうの手巻き
濃厚な雲丹と、うみぶどうのプチプチが至福。
海苔の香ばしさが全体をまとめ、細工された巻きが醤油も中身も落とさず、技術と心遣いを感じる。

◯刺身(熟成ブリ・塩〆のあら)

ぶりは口の中でとろける脂の香りが格別。
あらは弾力があり、噛むほどに広がる旨み。ふっと漂う柚子が冬の訪れを知らせてくれる。

◯アイスプラントとわかめのサラダ
シャキシャキ・プチプチの軽快な食感。
さっぱりとしたポン酢が、まさに箸休めの理想形。

◯ハモ・松茸・芝海老の土瓶蒸し
ハモの骨切りの丁寧さ。
注ぐごとに濃くなる出汁は味わいの変化が楽しめ、松茸の香りがハモの旨みをさらに引き立てる。

◯銀杏
塩加減が絶妙。まさか出会えるとは思わず、思わず笑みがこぼれる。

◯筋子
大粒で濃厚。シャリの酸味と合わさると“贅沢な海の卵かけご飯”のよう。
筋子の知識まで教えてくれる板前さんの気遣いも嬉しい。

◯キャビア
カニの濃厚な味にキャビアの塩気が重なり、圧倒的な相性。“最強”という言葉が似合う。

◯〆さば
美しく重ねられた4枚。細やかな技が目で見て分かる。
とろける口当たりに、思わず目を閉じてしまうほど。

◯北海道向井のししゃも
味が詰まった大ぶりのししゃも。子持ちでなくても満足感がすごい。

◯ズワイガニ
香り、空気、そのすべてが美味しい。
蒸した温かさがありながら、旨みはぎゅっと凝縮。食べたあとも香りが残り続ける名品。

◯カワハギ
肝の臭みはゼロ。
身の食感と、とろける肝の融合に感動。形がしっかりしているのに口の中で溶けて消える。

◯ねぎま
炙ったマグロの柔らかさと、甘みの強いネギ。
唐辛子とわさびが和の余韻を残しながらも新しい一口に仕上げている。

◯大分 すみイカ
フレッシュなのに旨みが濃い。
熟成かと感じるほどの味わいなのに、噛むと瑞々しさもある。“新しいイカ”を食べた。

◯ゲソ
炙りのシャリッと感と、香ばしい炭の香りが弾ける。
シンプルだが奥行きがある。

◯赤身
見た目も味も申し分ない、王道の一貫。やわらかさが際立つ。

◯中トロ
入れられた切れ込みひとつにもこだわりが見える。
スタイリッシュでありながら深い味わい。

◯大トロ
終盤に登場するのに、ここまで感動をくれるのか。
お寿司の頂点として“余韻を残すために存在している”ような一貫。

◯巻きエビ
茹でているのに、生のようなプリッと感。
噛むたびエビの旨みがはじける。

◯お椀
味噌の香りが高く、あおさの柔らかな風味が締めにふさわしい。

◯穴子
ふわふわで軽いのに、味わいは深い。
香りが良く、何度も息を鼻から抜いてしまうほど。

◯マンゴー
濃厚で上品な甘さ。シャーベットの軽さが心地よい。

◯芝海老卵焼き
最後にこの卵焼き。海老の香りを生かした優しい味で、今日の思い出をそっと包み込んでくれる。


一品一品が、職人の呼吸と技、そして食材の生命そのものを感じさせる時間でした。
丁寧に、慎ましく、しかし揺るぎない誇りをもって出された鮨たち。
食べ進めるほどに、お店の“芯”のようなものが浮かび上がってきます。
最後まで、お客さんの食べやすさや、感じる味までも計算し尽くされた切り方と気配り。
上品さの中に、長年の技術と深い想いがしっかりと宿っている。
一皿一皿に四季が息づき、とくに今回は随所に秋の気配がそっと潜み、味わいから季節が移ろう瞬間を感じられました。
ただ“美味しい”だけでは終わらない、心までも満たしてくれる時間でした。

2025/11/18 更新

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