2回
2025/08 訪問
琵琶湖の静寂に包まれて味わう。芸術的イタリアン「OZIO」
琵琶湖を望むイタリアンレストラン「OZIO(オッツィオ)」では、自然の恵みをアートのように昇華させたモダンイタリアンを楽しめる。
今回いただいたコースは「Chiaro(キアーロ)」。深く洗練された全9皿構成の美食体験である。
冒頭のアミューズ3種は、軽やかで華やかな印象。どれも手間ひまと時間がかけられた丁寧な作品に仕上がっている。
続く「鮑と焼き茄子のインサラータ」では、滋賀らしい湖の幸と香ばしい焼き茄子が出会い、イタリアンパセリが風味に立体感を加えていた。
「オマール海老とセレクトトマトのポモドーロ」は、甘みと酸味のバランスが絶妙なソースに海老の旨味が絡み、見た目にも鮮烈な印象を与える。
「北陸産アオリイカと雲丹のアーリオオーリオ」は、シンプルながら香り高く、素材の良さを最大限に引き出していた。
メインディッシュは「認証近江牛ロースのタリアータ」。とろけるような肉質に、カカオビネガーソースの苦味と酸味が絶妙にマッチ。滋賀の名牛とイタリアンの融合がここに表れている。
「甘鯛の鱗焼きとポルチーニ茸のリゾット」は、香りと食感の妙が楽しい逸品で、料理としての完成度が高い。
デザートの「タルトシトロン」は、見た目も味わいも繊細で、爽やかな締めくくりに相応しい。
最後に登場したのは、まるでジュエリーボックスのように提供される8種の小菓子。マカロンやカヌレ、パートドフリュイなど、ひとつひとつが丁寧に作られており、至福の余韻を残した。
琵琶湖の美景を背景に、滋賀の食材とイタリア料理が織りなすこのレストランは、特別な日を彩るにふさわしい場所である。
2025/08/08 更新
琵琶湖畔の「OZIO」に連日の訪店。料理長以下スタッフ皆が気を利かせてくれ、ほぼオリジナルのオーダーメイドコースでおもてなしをしてくれた。
結果前日よりも満足度が高く、随所にプロフェッショナルを感じさせてくれる有意義な時間となった。
一品目は、高糖度トマトを用いた冷前菜。濃厚な甘みの中に酸味がきらりと光り、白いパウダー状のチーズが雪のように舞い、口溶けとともに旨みを引き立てる。滑らかなトマトペーストとフレッシュトマトのコントラストが印象的。
続いて、透明感のあるイカにキャビアとハーブの花をあしらった一皿。細く繊細に切られたイカは瑞々しく、噛むほどに甘みが広がる。キャビアの塩味とハーブの香りが、涼やかな海風を思わせる。
三品目は、茄子と肉の旨みを層に閉じ込めたラザニアの上に、惜しみなく削られたトリュフがたっぷり。濃厚でありながら重すぎず、鼻腔をくすぐる香りが食欲を誘う。
次は淡いベージュのクリームにグリーンの氷結ハーブを散らした冷製スープ。口に含むと優しい甘みとともにハーブの清涼感が広がり、夏の暑さを忘れさせてくれる。
小さな皿に盛られた生ハムとパンのひと口前菜は、しっとりとした旨みと塩気が絶妙。軽やかでありながら、しっかりとした余韻を残す。
パスタは、ロブスターや貝など魚介の旨みを吸い上げたスパゲッティ。程よいアルデンテの食感と濃密なソースが絡み合い、シンプルながら深い満足感をもたらす。
魚料理は、皮目を香ばしく焼き上げた切り身をリゾットとともに。魚のふっくらした身と、クリーミーで香り高いリゾットが一体となり、優雅な一皿に仕上がっている。
一品ごとに素材の魅力を引き出しつつ、夏らしい爽快感と贅沢さを両立させた構成であった。OZIOらしい洗練された盛り付けと滋味深い味わいは、記憶に残るひとときを演出してくれる。