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2025/11 訪問
伝統と革新が響き合う中国料理の新境地、横浜「眺遊楼」
2025/11/04 更新
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横浜の夜景を一望できるロケーションに位置する横浜ベイコート「眺遊楼」。伝統的な中華の技に独自の革新を加えた料理で知られる名店、今回いただいたコース「嬉遊」は、その名の通り、食を遊び心とともに愉しむ内容である。
前菜「一壺 寶美 小碟」では、クラゲ、金目鯛、ホタテ、牛サーロインなど多彩な食材が小皿に美しく盛られ、味も食感も異なる品々が舌を楽しませる。
続く「光金頂排翅」は、モウカザメのフカヒレを濃厚な上湯スープで煮込んだ贅沢な一皿。旨味が層をなして押し寄せ、スプーンを動かす手が止まらない。
北京ダックは料理長・小林大悟氏のスタイルで二種の食べ比べ。パリッと焼かれた皮の香ばしさと、包餅の滑らかな食感の対比が見事である。
伊勢海老の二種仕立ては、チリソースとスパイス炒めの異なる味わいを堪能でき、どちらも素材の甘味を最大限に引き出している。
メインの松阪牛の京醤炒めは、濃厚ながらも後味は軽やかで、秋の彩りを添える野菜との調和が美しい。
締めは「鴨肉と葱の細切りつゆそば」を選択。上湯の香りが優しく、滋味深い一杯。
全体を通して、伝統の技法に新たなエッセンスを融合させた構成で、まさに「伝統と革新」の名にふさわしい内容である。熟成酒「古越龍山 十年陳花雕」との相性も抜群で、料理長の探究心と美意識が随所に感じられる見事な晩餐に感謝。