the azabuさんが投稿したつむぐいと(東京/広尾)の口コミ詳細

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麻布十番グルメガイド

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つむぐいと広尾、乃木坂、六本木/寿司、日本料理、ふぐ

1

  • 夜の点数:4.4

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.4
      • |雰囲気 4.4
      • |CP 4.3
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2025/11 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.4
    • | 雰囲気4.4
    • | CP4.3
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

季節の移ろいを品に織り込む、隠れ家「つむぐいと」で味わう滋味の世界

季節の恵みを織り込む日本料理の妙を、静かな空間で丁寧に味わわせてくれる「つむぐいと」。

今回いただいた献立は、秋から冬へ向かう季節感をくっきりと描き出しながらも、芯の通った料理人の哲学が随所に表れていた。

冒頭の前菜は、錦秋浸し・岩もずく・鮟鱇肝・河豚煮凝りと盛りだくさんで、彩りの妙にまず心が躍る。蓮根チップの軽やかさと、鴨ロースのしっとりとした旨味、鮟肝の濃厚ながらも上品なコク。それぞれが主張し過ぎず、秋の景色をそのまま皿に写し取ったような世界観である。

続いて登場した天然ふぐ刺身は、薄造りの美しさに思わず息をのむ。噛み締めるほどにじわりと旨味が広がり、細やかな包丁目の技が光る一皿である。

小肌、本鮪、車海老の握りは、それぞれの個性を鮮やかに引き出す仕事が施されている。車海老は特に香りが良く、火入れの妙により甘味が一層際立つ。

のどぐろ炙り手巻きは、脂が香り立つ贅沢な一品。海苔の香ばしさと相まって幸福感に満ちた。

ふぐ南蛮焼きは意外性のある調理で、香ばしさの中にふぐの気品が残る素晴らしい仕上がり。

白子蒸し寿司は、滑らかさと濃厚さのバランスが秀逸で、温度と質感の調和に職人の繊細さを感じる事ができる絶品。

後半では、本鮪トロ・雲丹・煮牡蠣など贅沢な握りが並び、特に毛蟹とトロ奈良巻の組み合わせは店の十八番とも言える完成度である。どの品も、素材の持つ力と丁寧な手仕事がまっすぐに伝わり、派手さはないが強い満足感を与えてくれる。

水菓子には上質なミルクアイスが供され、濃厚ながら後口は軽やか。食後の余韻に寄り添う優しい一皿であった。

「つむぐいと」は、決して過度に飾ることなく、旬の魅力を誠実に伝える力を持つ店である。

料理人の確かな腕と素材への敬意が料理の端々に宿り、訪れるたびに季節の物語を紡いでくれる名店である。

2025/11/17 更新

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