2回
2025/06 訪問
駅弁屋「祭」グランスタ東京刷毛じょうゆ 海苔弁山登り
駅弁屋「祭」グランスタ東京
刷毛じょうゆ海苔弁山登り東京駅で駅弁屋「祭」に先日仕事で九州へ行ってまいりました。その際に新幹線でいただいたお昼ご飯「刷毛じょうゆ海苔弁山登り」さんの「銀鱈西京焼きの海苔弁」に関してご報告させてください。
午前の仕事を終え、東京駅から東海道新幹線に乗ったのですが、やっぱり新幹線に乗るのであれば東京駅に限ります。大東京からの出発、そして豊富な駅弁、東京駅は譲れません。
本来は福島県郡山市の「豆福屋さん」の海苔弁を購入予定でした。素朴で、非常に美味しいという触れ込みを多々聞いていたからです。そんな訳で新幹線出発時刻の12分前に東京駅へ到着した私は、ひとまず駅弁屋「祭」に急ぎました。私の大脳は北島三郎の祭りをエンドレスに流しており、人でごった返す「祭」を見つけると、さらにボリュームを上げてきました。正に祭!見よこの活気!しかしお目当ての海苔弁を求めて一周しましたが見当たらず、嫌な予感がしました。品出しの方に所在を伺うと、1日1回13時半のみ入荷するとのとでした。私がその時間まで待つということは、新幹線に乗り遅れることを意味し、仕事に遅れるという事態に至ります。悲しい、もう絶望です。しかし、ここで何らかの駅弁を購入せねば、新幹線という密室で数時間ひもじい思いをするわけです。
刷毛じょうゆ海苔弁山登りを購入あと数分でこのフェスティバルの中から豆福屋の海苔弁と対等の駅弁を見つけだすしかないのです。そこで言わずと知れた高級海苔弁「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」の存在を思い出しました。一度、GINZASIXで鮭の海苔弁を購入したのですが、食材自体さることながら、味付けがシンプルでとても美味しいお弁当でした。また胃弱の私はソルビトール等の保存料が苦手なのですが、食後の胃もたれは起きませんでした。私は何種類か並んだ海苔弁から銀鱈西京焼き、お値段1,880円也を盲目的に購入しました。そして持参したビニール袋に入れることなく、お箸とウエットティッシュとお弁当を鷲づかみにし、新幹線のホームへと疾走しました。
出発と同時にお弁当を開けました。お弁当の大きさは17×12cm、厚みは4cm程度とお上品なお弁当です。しかし食材の色合いがきれいで、箱にバランス良く詰めてあるので、豪勢に見えます。美しい銀鱈の照り、香ばしい卵の焼き色、しっとりとした黒紫に輝く海苔、見るからに美味しそうです。
さて食材の感想です。
・大根塩漬け:塩気控えめ、甘酢が効いおりくせになる
・ほうれん草ナムル:胡麻油の香りが強い、海苔弁に馴染んでない?
・紅はるか:柔らかく茹でた甘いお芋、もう少し固い方が好き
・レンコン大葉餅:紫蘇入りでつなぎがとろろ、紫蘇が巻いてあり、風味がよく柔らかい、懐石料理みたい
・玉子焼き:甘めの玉子焼き、焼目が食欲をそそる。1.5mm程度のものが2枚と物足りない
・鰹節ごはん:冷えていても旨味がある、あまり醤油が付いていない、鰹節もついていない、右半分は海苔が2段になっている海苔がしっとりお米に馴染んでいる
・銀鱈西京焼き:程よく脂が乗っている、骨があるのでお子様には注意、味付け抜群
・生姜漬物:よくあるピンク色のあれ、味もあれ、人工調味料の香り
三島駅を過ぎたころに海苔弁を食べ終わりました。丁寧で、味わいのある美味しいお弁当でした。唯一ほうれん草のナムルが気になりましたが、ササニシキの美味しさ、香り高い有明の一番海苔、卵の甘味、銀鱈の旨味、どれも素晴らしく、素敵な新幹線ランチを過ごすことができました。
海苔弁はやっぱりキングオブお弁当だと思います。キングオブ駅弁ではないかもしれないけれど、キングオブお弁当なのです。海苔弁の良さは日本人の生活により添った食材が使われている所でしょうか、両親も祖父母も食べてきたお弁当、それが海苔弁なのです。生きていく中で当たり前に存在していた海苔弁は高級ではなかったはずだけれど、我々が時代とともに新たな食材に魅かれ、輸入品を好んだ結果、とても近くにいた海苔弁が高級になってしまいました。海苔弁が私たちから離れていったのではありません、私たちが海苔弁を顧みなかった結果なのです。
記事URL:https://muumuutravel.com/entry/ekibenyamatsuritoyko-noriben
2025/06/21 更新
上越新幹線で越後湯沢へ越後湯沢に所用があり、行かねば行かねばと思い続けること早3年、ついに越後湯沢の地に降り立ちました。この3年、台風やら大雪やら、先に大阪万博やら単純に面倒くさいやらでなかなか辿り着けずにおりました。主人に「新潟行かなくていいの?」と問われても「まあ、新潟は逃げないから。」という返答でのびのびになっていた訳です。今回ついに目標を達成したのですが、決して容易なものではございませんでした。なんと出発前日、予約した宿のお隣のホテルでツキノワグマが出没し、男性をかじったというニュースが舞い込んできたのです。しばしキャンセルするか悩んだのですが、お宿は越後湯沢駅から徒歩3分、送迎もしてくれるとのことで意を決して行くことにしました。
駅弁「小田原提灯弁当」と「熊本県宇土天草の食」行くと決まれば新幹線タイムを有意義にすべく駅弁を選ばねばなりません。 今回私がチョイスした駅弁を二つご紹介いたします。
まず1つ目の駅弁は 「小田原提灯弁当」です!
駅弁小田原提灯弁当以前、東華軒の「鯛めし弁当」をご紹介したのですが、この東華軒のお弁当でひそかに人気なのが「小田原提灯弁当」です。勘の良い皆さま、ご想像の通りです。こちらは提灯型のお駅弁です。 「小田原提灯」は江戸時代から続く小田原の伝統工芸で、折りたたみ式の構造が特徴です。実は私、幼少期の数年を小田原で過ごしました。そして提灯には忘れられないメモリーがございます。お祭りの夜、幼稚園児であった私は、提灯を持つことを許されました。とても誇らしく、喜ばしく、家族の先頭に立って歩き出したのですが、数歩もしないうちに提灯が燃え上がりました。どうやらロウソクの安定が悪く、提灯に炎が燃え移ったのです。そんなわけで小田原提灯を見ると、びびったこと、悲しかったこと、切なかったことが鮮明に思い出されます。ですので燃えない提灯に魅かれた私は、小田原提灯弁当を購入いたしました。
中身はまさに小田原人の心をつかむラインナップ
駅弁小田原提灯弁当二段重ねのお弁当は小田原の名物がずらり、駅弁屋さん「東華軒」が誇る、こだわりの味がぎゅっと詰まっていました。まず下の段は茶飯の上に鯛おぼろがぎっしり、更にアサリの佃煮、梅干しが入っています。鯛めしのほんのり甘く、上品な香りがたまりません。上の段は何といっても金目鯛西京焼きがメインでしょうか、いや海老の天ぷらか、グリンピースが美しい鶏そぼろだってセンターを十分狙える存在です。他にシイタケの煮物、花人参、ちくわ、たまこんにゃく、切り干し大根も入っており、深めの容器をふんだんに使っておかずが盛りだくさんです。そして小田原人の心、ワサビ漬け密封カップが添えられていたのには感激です。「参ったなこりゃ」といった感じでした。
販売場所:東京駅の「祭」で購入
価格1,600円
刷毛じょうゆ海苔弁山登り
「熊本県宇土天草の食」2つ目のお弁当は海苔弁で有名な「刷毛じょうゆ海苔弁山登り」さんの「熊本県宇土天草の食」です。この商品は「日本の郷土料理」シリーズ第8作目となります。宇土は海の幸と郷土料理が豊かなことで有名ですが、1年をかけ天草市の協力を得て作られた渾身の海苔弁ときき購入しました。内容は有明の海苔、空輸で毎朝仕入れるみやび鯛の塩焼、天草の新米(天草五つ星米)を始め、玉子焼き、ほうれん草のナムル、天草地魚の自家製紫蘇かまぼこ、薩摩芋レモン煮、豆腐と地魚すり身のしんじょ、天草れんこんの大葉餅、鰹節、醤油に至るまで全てのおかずが熊本産です。
「熊本県宇土天草の食」感想ですが、まず蓋を開けた瞬間、いつもいただいている焼鮭が乗った「海」より海苔の香りが高く、鯛の良質な切り身に感動します。お味ですが海苔はしっとりとお米に馴染み、非常に美味しかったです。おかずに関しては少し鯛の脂が強かったのと、大葉餅、かまぼこ、しんじょの3つは似通った食材で、もう少し変化がほしくなりました。ですがどれをいただいても良質な食材に変わりはなく、一箸毎に喜びを感じることができました。残念なことに販売は12月ごろまでとのことです。価格は2600円とお高いのですが、刷毛じょうゆファンの方であれば、一度お試しいただきたいお弁当です。