2回
2024/12 訪問
つけつゆが絶品
三軒茶屋から少し歩いた住宅街の中にある隠れ家のような「つゆしゃぶ しゅう」を訪れました。このお店でしか味わえない特別なひとときを堪能しました。
まず何と言っても、つゆしゃぶの「つけつゆ」が絶品。豚肉の旨味を最大限に引き出し、これまでのしゃぶしゃぶとは一線を画す奥深い味わいです。つけつゆが美味しすぎて、〆の蕎麦にたどり着く前に毎回おかわりしてしまうほど。豚肉との相性が抜群で、つゆの一滴一滴まで楽しみ尽くすことができます。
さらに、ここに来たら必ず注文したいのがエビパン。外はサクサク、中はぷりぷりのエビの旨味が詰まった一品で、訪れるたびに楽しみにしている逸品です。お造りの盛り合わせも、その日最高の鮮魚を使ったこだわりの内容で、素材の良さと繊細な技が感じられます。
また、料理に合う日本酒のセレクションも見事です。店主が厳選した銘柄はどれも料理の味を引き立てるものばかりで、日本酒好きにはたまらないラインナップ。季節に合わせた料理、例えばあん肝や白子の天麩羅など、丁寧に仕上げられた一品一品と日本酒のバランスが絶妙で、心ゆくまで堪能できました。
味わいはもちろんのこと、落ち着いた雰囲気と行き届いたサービスも魅力的で、一度は訪れる価値がある隠れ家的名店だと感じました。
2025/12/14 更新
三軒茶屋から少し歩いた住宅街にひっそりと佇む「しゅう」に再訪。
いつ訪れても落ち着いた空気に包まれ、ここでしか味わえない特別な時間が心地よいです。
なかでも、こちらの名物・つゆしゃぶは言わずもがな抜群の完成度。
前回のレビューでも触れましたが、特につけつゆが唯一無二で、気づけば毎回おかわりを繰り返してしまう“危険な旨さ”。
メニューに「つゆ追加」があることからも、同じ衝動に駆られる常連がきっと多いのでしょう。
そして、しゅうの大きな魅力のひとつである日本酒。
訪れるたびに驚かされるセレクト力は今回も健在で、めったに出会えない限定酒との巡り合わせも。
今回は、お祝い事に合わせて特別に出していただいた「日高見 弥助」。丁寧な香りと米の旨味の余韻が素晴らしく、店主の心遣いに心から感謝した一杯でした。
■ 心を解く“お通し”から
この日は、大根のみぞれ煮のような優しい一品。
深く染み込んだ出汁がほっと身体に染み渡り、大根は箸でほぐれるほど柔らかい。
お店の料理の根底にある“丁寧な下ごしらえ”を、最初の皿から感じさせてくれます。
■ 名物・海老パンは今回も圧倒的
外はサクッ、中はしっとり。
軽く焼かれたパンにぎっしり詰まった海老のすり身は弾力があり、噛むほどに旨味が広がる。
「迷ったらまずこれ」と胸を張って勧められる名物で、訪れるたびに楽しみにしている逸品です。
■ 季節の一皿と日本酒の調和
あん肝、南蛮漬け、唐揚げと、お酒の進むつまみが続く。どの料理にも過度な装飾はなく、素材の力と出汁の旨味が素直に伝わってくる。
日本酒が自然に杯を重ねてしまう、静かな高揚感があります。
■ 刺し盛りの“切りつけ”に光る技
身が厚く、しっかりハリがある。ただ新鮮なだけでなく、そもそも仕入れている魚の質が良いのだろう、噛んだときの“密度”が違う。
マグロの漬けも、味がしっかり入りながら重さがなく、山葵と合わせて最高の仕上がり。
「旬を食べてもらいたい」という店の姿勢が、皿から伝わるようです。
■ 魚の煮付けは優しい出汁が主役
今回いただいた鯛の煮付けも見事。
しっかり煮込まれつつ重さがなく、箸を入れれば大骨から大振りの身がすっと外れる。気がつけば夢中で頬張っており、口の中で骨を外していました。
丸々太った良質の魚だったのでしょう、身がしっかりしていて食べ応えもあり旨かった。
味付けは醤油と出汁の上品なバランスで、このお店らしい柔らかな余韻。
特にほほ部分が美味しく、煮込み魚の醍醐味を味わえた一皿。
■ ラストに待ちわびたつゆしゃぶ
整った美しい豚肉と野菜を、あの絶品つゆにくぐらせていただく瞬間は格別。
豚の旨味を引き立て、ネギの食感を活かし、つゆそのものが主役となる。
少量ずつつゆを飲んで味わってしまい、気づけばおかわり。
柚子胡椒を少し添えると、さらに味が締まり旨さが深化します。
最後は蕎麦を入れて〆。
豚と野菜の旨味が溶けたつゆで頂く蕎麦は、もはや別格の美味しさ。
丁寧な仕込み、澄み切った出汁、そして料理の随所から伝わる“真面目な仕事”。
とりわけ和食を食べに行く機会が減った近年ですが、ここだけは毎回特別な楽しみ。
和食ならではの美しいしつらえと心に深く残る料理ばかりで、年に一度ほどの来店ながら、気づけばもう10年以上通っています。
今からまた、次に訪れる日が楽しみです。