miya_gourmetさんが投稿した鎌倉 北じま(神奈川/鎌倉)の口コミ詳細

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東京グルメ旅

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鎌倉 北じま鎌倉/日本料理

1

  • 夜の点数:4.9

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2025/10 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

鎌倉料理

過日。

久しぶりの鎌倉へ⛩

向かった先は、私には敷居が高すぎてであろう「北じま」へ。

何度かお会いしている食コンサルの方と、ご自身は卸売業に従事されている美食家の方、私と同様に食べるのが好きな私と同様に可愛らしい方。

今となっては過ぎ去りしこの夜に、素晴らしいメンバーと同席をさせていただけたこと。

思い返してみてはありがとうが溢れるのです

鎌倉の駅からはタクシーで数分

場所は「北じま」へ。

神奈川県内では、日本料理におけるトップの座に君臨する名だたる名店です

厳かにひっそりとその門構えは佇み。

肩書きのないゲストを迎え入れるその余裕たるや。

まるで選ばれし者にこそ与えられた権利を翳す、その比類なきパスを発行する重厚な関門のよう。

コースはおまかせの一択☝️

日本の食文化を紡ぐのは、担い手としての矜恃を持つ匠・北嶋靖憲氏。

季節の廻りを愉しみ、旬の食材に秘めたる五種の味を的確に捉え。

導く先は北嶋氏が描く料理としてのゴールに。

そこに待ち構えているものとは。

一回の食事に携わってくださった全ての方の想いを紡ぎ逢わせた一つの物語。

食の世界に於いては凡人以下を嘆くこの私が。

ゴールに到達し物語を読み始めることなど凡そ不可能に近い

だからこそゴールを目指し続け、いつの日か物語の一ページ目に到達する自己の姿を。

この先もイメージしトレーニングを重ねていきたいと願うのです

北じまのコースの内容は。

今がまさしく旬の食材を味わい尽くす贅沢の極み

そこだけに留まらず演出の仕方も粋

粋というか深くまるで透き通るような美。

日本人として、日本の誇らしさを、日本の美しさを享楽することのできるこの上ない歓びに浸りました

紅葉前のイチョウに包まれた椀物。

椀の上からイチョウを降らせるというダイレクトな演出に

この時点で心既に奪われていたものですから、コースの終盤まで私の心臓がもつのか一抹の不安を覚えました‍

菊の花の煮麺。

花の餡が繊細に香り、煮麺を絡めていただく食感の美しさに、否が応でも集中せざるを得ない逸品✨️

なじみの深いけんちん汁。

一つひとつのお野菜を一つひとつ個々に炊いているのだそう。

お出汁とのバランスに、お野菜の旨みはしっかりと際立ち、余韻は深くまで沈み強く印象に残りました

私の中のけんちん汁といえば

母がよく作ってくれる田舎汁のような素朴さに安堵する味。

北じまのけんちん汁と題目は同一であれど、ここまでの表現の違いに遭遇できるものなのかと

究極に値する精進料理がその姿を露わにした瞬間でもありました。

見事なまでにクリアな食感を感じさせてくれるお造り

旨みと甘みとの本質を味わえる子持ち鮎のおかき揚げ

旬のみずみずしさが和の調和を射止める柿がま。

ひとくち含むと脂が溢れるのは何事かと、動作が思わず止まったのはクロシビカマスのみりん焼き

骨切りの手間が多いと伺いましたが、これほどの食べやすさに完成されているとは熟練の技に他ならぬ所以

牛の香りというものを人生で初めて認識できたかのように感じたのは、葉山牛のしゃぶしゃぶ

北じまのお料理は食材の味の素晴らしさをまずは大前提に置き、事香りに関しての強調が実に心地いいのです。

口溶けの良さに唸るのは鯵の棒鮨

なめらかさとも違う、独特の良さ

ふくよかな身のあぶらとしゃりとが調和する様は正に秀逸の一言。

漬け丼、炊き込み、冷やし茶漬けと続き。

クジラのらーめんなるものがあまりに衝撃的な美味しさで思わず

厳かな空気が始終循環している静けさが張り詰めた空間で思わず、「ここにきてかよ!?」と、割と大きな声で心の声ダダ漏れ

衝撃的でした

らーめんなのに、これほどまでにクジラがメインになるものなのかと

甘みはフレッシュな梨と梨のコンポートと

一つだけショウガ&レモングラスで炊いた梨が特別な予感を惑わせてくれます

こういう粋な演出がもうね‍

そしてもう一品は、牛蒡をくり抜いた中に栗餡を入れて炊いたもの

牛蒡自体は何故か甘さを割と強く感じたのですが、栗餡の甘さはそれに対比して非常に穏やか☺️

最後の最後のひとくちまで、胸に深く刻み込むようにして大切にいただきました

北嶋氏は今も尚、その技術を磨き続けているだけではなく。

喜ばれるサービスとは何かを日々考え続けておられるのだと思います。

その事が一つひとつのお料理に、空間の雰囲気に、北じまの随所にきちんと現れている

そして何より、従業員の方がホスピタリティを持って我々に最高のサービスを提供してくださるその姿勢こそが、何よりの証だと

お食事の最後まで、イチョウがお膳を彩ってくれていました。

お酒は上品に嗜む程度でしたが、気持ちよく酔わせていただきました

予約を獲得するのが極めて困難な実情も熟知しておりますが✍️

機会があれば再訪を誓いたい。

このような食の世界が実在することにも、目から鱗が落ちました

素晴らしい歳をいくつも重ねていくから、訪れてくれるのが新しい食とのご縁。

そしてそのようなご縁が紡いでくれる素敵な人とのご縁。

この先も決して諦めることなく結び目を解いていけたらと願っています

北嶋氏の今後のさらなるご活躍をご祈念申し上げます。

いつの日か、また是非

ご馳走さまでした

2025/10/31 更新

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