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夜の点数:4.1
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¥4,000~¥4,999 / 1人
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料理・味 4.1
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|サービス 4.1
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|雰囲気 4.1
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|CP 4.1
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|酒・ドリンク 4.1
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[ 料理・味4.1
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| 雰囲気4.1
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| 酒・ドリンク4.1 ]
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2025/12/06 更新
赤坂見附の夜は、派手さこそあるが、食の記憶に残る店は意外と少ない。その中で「くら」は、九州料理という広いカテゴリーを扱いながらも、不思議な“芯の強さ”を持っている店だ。どこか旅館の食事処のようでありながら、赤坂の飲食街らしい温度も持ち合わせている。入口をくぐった瞬間、照度を少し落とした照明と、木の香りの奥にひっそり漂う出汁の香りが、都会の時間をふっと緩めてくれる。
九州料理というと力強い味を想像するかもしれないが、ここの料理はその“力”を丁寧に扱っている。濃さや派手さで押すのではなく、旨味の輪郭をぎゅっと凝縮させて、最後の一口まで重たくならないように仕上げている。そのバランス感覚こそ、この店の価値だ。酒との距離感も絶妙で、一杯飲むたびに、次の料理との“間”が自然と整っていく。
そして、この店が特に光るのは“温度の演出”だ。熱い料理はしっかりと熱く、冷たいものは驚くほど澄んだ温度で出てくる。当たり前のようでいて、赤坂の雑居ビルでここまで維持している店は多くない。料理だけでなく、提供するタイミングにまで気を配っているのが分かる。こちらが会話の一段落をつけた瞬間に、ふっと料理が届くあのリズムは、単なる居酒屋のテンポではなく、もはや“間の技術”と言っていい。
スタッフの距離感も心地よい。過度に踏み込まず、しかし細かい変化には静かに気付く。九州料理という豪快なイメージとは裏腹に、この店のサービスは“やわらかい精度”で成り立っているのが面白い。
赤坂で“大人の飲み方”をしたい夜、気取らず、それでいてきちんと満足したい──そんな矛盾した欲を、ひとつに整えてくれる場所。
「くら」は、九州料理の看板以上の“空気の店”だと思う。