1回
2025/12 訪問
静謐にして華麗─六本木「鮨四 -華-」が描く、花と鮨の美意識に浸る
鮨四 -華-
2025/12/18
この度は「鮨四 -華-」へご来店いただき、また空間・料理ともにこれほどまでに丁寧で美しいご感想をお寄せいただき、心より御礼申し上げます。
店名に込めた“華”の世界観や、花の装飾、カウンターでの臨場感まで感じ取っていただけたこと、大変光栄に存じます。
菊コースの象徴でもある創作鮨「華鮨」をはじめ、づけまぐろや穴子、うに、玉子に至るまで、一貫一貫の仕事や味の奥行きをお楽しみいただけたことは、職人にとって何よりの励みでございます。
これからも空間と料理が調和する、六本木にふさわしい一軒として、静かな余韻の残る鮨体験をご提供できるよう精進してまいります。
また季節を変えてお迎えできましたら幸いです。
改めまして、心温まるご投稿を誠にありがとうございました。
2025/12/17 更新
「鮨四 -華-」は、六本木駅・乃木坂駅から徒歩数分という静かな立地に、2024年7月にオープンした鮨店で、六本木にある名店「鮨四」の系譜を受け継ぐ2号店なんだとか。
店名に掲げられた“華”をテーマに、花の装飾を随所に配した空間は、1億円以上を投じたという話にも頷ける完成度で、華やかさの中に凛とした品格が漂います。
広く設えられた木のカウンターでは、職人の一挙手一投足を間近に眺めることができ、食事への没入感を高めてくれます。
この日は菊コースを選択し、コースの冒頭を飾る創作鮨「華鮨」が、店の美意識を象徴する一品として強く印象に残りました。
薔薇のように巻かれた鮪に、うにとキャビアを重ねた一貫は、視覚的な華やかさに留まらず、鮪の旨味、うにの甘み、キャビアの塩味が層を成し、豊かな奥行きを感じさせます。
前菜や焼き物で丁寧な仕事を感じさせた後、握りで特に印象的だったのがづけまぐろです。
味が芯まで染み込みながらも臭みは一切なく、鮪本来の旨味だけが端正に立ち上がります。
また穴子は驚くほど柔らかく、口に運ぶと自然にほどけ、繊細な火入れの確かさを実感しました。
濃厚な甘みをたたえたうにも、コースに豊かな余韻を与えています。
そして締めに供される玉子は、和の甘味を基調としながらも、どこかカタラーナを思わせるほどのデザート的な味わいも感じ、食後の満足感を静かに高めてくれました。
空間の設計と料理の表現が高い次元で調和し、六本木という土地にふさわしい知性と美意識を感じさせる一軒です。