2回
2025/09 訪問
人形町「冨田」で味わう、松茸炭火焼きと秋鮭土鍋ご飯の贅沢
「冨田」は
2025年1月、人形町駅から徒歩2分のビル2階にオープンした日本料理店です。
大将・冨田雄亮氏は千葉県出身で、「日本料理太月」「御料理辻」といった名店で研鑽を積み、36歳で独立。店内は6席のみのカウンターで、白い暖簾をくぐると落ち着いた雰囲気が広がります。完全予約制で、お苦手やアレルギーの相談も可能。貸切利用にも柔軟に対応しており、小さなお子様連れでも安心して利用できるのが特徴です。日本酒は酒屋がセレクトした個性ある銘柄が揃い、料理との相性を大切にした提案が受けられます。おまかせコースは8品16,500円から、27,500円、38,500円と揃い、季節の素材を活かした構成が楽しめます。
訪問時は「旬」コースを選びました。
最初の一皿は、「焼き茄子のすり流し 昆布締めの甘海老 土佐酢のジュレ」は、出汁の旨みと土佐酢の軽やかな酸味が溶け合い、口当たりが柔らかく、季節感をしっかり感じさせてくれます。椀物の「モクズガニの真薯と新銀杏」では、蟹の旨みがしっかりと凝縮され、秋の深まりを感じさせる味わいでした。
焼物では「長野県産の松茸の炭火焼き」が登場。炭火ならではの香りに包まれ、松茸の持つ奥行きのある香りと歯ざわりを存分に楽しめました。「厚岸の秋刀魚」は脂がしっかりとのった力強い味で、季節の恵みを実感。さらに「焼き無花果の胡麻味噌田楽」は、甘みと香ばしさが意外性をもって調和し、印象に残りました。
鍋物の「鹿鍋」は柔らかい肉質と濃厚な出汁が体を温め、メインの「秋鮭と三つ葉、新いくらの土鍋ご飯」では香り立つご飯と弾けるいくらが一体となり、最後にふさわしい贅沢な味わいでした。甘味の「ずんだ餡の葛饅頭」も口直しに心地よく、余韻まで丁寧に考え抜かれていると感じました。
全体を通して印象的だったのは、どの料理も素材の持ち味を出汁と火加減で丁寧につなげている点です。過剰な演出ではなく、自然に食材と向き合い、その魅力を引き出す姿勢が伝わってきました。日本酒も料理に寄り添うようなセレクトで、コース全体の流れに深みを与えてくれます。人形町という落ち着いた街に溶け込むような、静かで心地よい時間を過ごせました。また季節を変えてお伺いしたいです。
2025/09/26 更新
冨田さんは、人形町駅から徒歩2分ほどの場所にある日本料理の店です。
ビルの2階にあり、外観は控えめですが、扉を開けると静けさのある空間が広がり、自然と気持ちが切り替わります。店内はカウンターのみ6席で、無駄な装飾はなく、照明も落ち着いていて、食事に集中しやすいつくりです。
今回は和食が好きな友人との食事で夜に利用しました。前回訪れた際に、料理の組み立ての丁寧さと、過ごしていて心地よい空間が印象に残り、季節が変わった頃にもう一度味わいたくなり再訪しています。店主は日本料理 太月と御料理 辻で修行されており、一皿一皿丁寧に仕上げる姿勢が店全体から感じられました。会食や記念日など、落ち着いた時間を過ごしたい場面に合う店だと思います。
この日はおまかせコースをお願いしました。
北海道産大ズワイガニの蒸し鮨は、身がふっくらとしていて、口に入れると蟹の甘さが素直に広がります。殻から取った出汁の餡は塩気を抑えた味付けで、蟹味噌のコクが重なっても重さを感じません。青森県産鮑と菜の花のお椀は、鰹節、メジマグロ節、昆布の出汁が澄んでいて、鮑は歯切れが良く、噛むほどに旨みが増し、菜の花の苦みと柚の香りが加わることで、全体が引き締まっていました。白甘鯛の松坂揚げは、皮目の香ばしさと身のしっとり感の対比が心地よく、芹の餡も濃さを抑えた仕立てで、揚げ物ながら食べ進めやすい印象です。
続く品も安定感があり、フグの煮凝りは口の中でほどけ、春菊と胡桃の胡麻酢和えは香りと食感が丁寧に整えられていました。あん肝煮は黒七味がほどよいアクセントとなり、あん肝の旨みを引き出しています。出来立てで供されるカラスミ餅は、アツアツで、もちの食感と自家製カラスミの塩気の相性が印象的でした。トラフグの唐揚げは衣が軽く、身はふっくらとしていて、ちりずと白子を裏ごししたソースが加わることで、味に奥行きが出ています。猪、牛蒡、九条ネギの鍋は、鰹節と牛蒡の出汁がよく効き、野趣を感じさせながらも食べやすい仕立てでした。〆のマナガツオの天ぷらと三つ葉と生姜の土鍋ご飯は、山形県産つや姫の粒がきれいに立ち、マナガツオの旨みと薬味の相性も良く、天ぷらの食感もよく、いくらでも食べれました。甘味の黒胡麻庵あわぜんざいは甘さを抑えた仕上がりで、食後にちょうど良い一品でした。料理の提供は一皿一皿丁寧で、最高の状態で出されます。店主は気さくでありながら距離感も適切、料理の説明も丁寧です。王道の日本料理を丁寧に味わいたい人に向いている店だと思います。季節ごとの献立も楽しみなので、また時期を変えて訪れたい一軒です。